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◆ 広報おきなわ12月号(N0.390)

特集 沖縄市の挑戦
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PAC3配備、
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表  紙
PAC3配備、地元への事前説明なし
地元無視
米軍のやり方に強く抗議
米軍車42台で国道を搬送。基地強化のなにものでもない。
中部の首長らは一斉に反発、市民の安全を預かる立場から東門市長が怒りの抗議
 
 日米両政府が米軍嘉手納基地配備で合意した最新鋭の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)ミサイルの運用にあたり使用する大型車両などの装備品が九月三十日午前、那覇市の那覇軍港ふ頭に陸揚げされた。

 輸送船に搭載された軍用車両三百数十台(コンテナを含む)が国道58号線を陸送、公道を使って嘉手納基地に向かう予定等の情報に東門市長は九月三十日午前、緊急部長会議を開き、「地元には国から事前の説明がない。地元を無視しているとしか受け止められない」と不満を表明。十月二日にも、那覇防衛施設局や外務省沖縄事務所、在沖米国総領事を訪ね、PAC3の配備と事前連絡がなかったことに対し抗議をすることを確認した。

 その矢先の十月二日午前零時半ごろ、那覇軍港に陸揚げしていた米軍の地対空誘導弾パトリオット装備品を嘉手納基地へ運ぶ軍用トラックの大行列が始まった。那覇軍港のゲートから国道58号線に出た緑と黒の迷彩色の車の隊列は一般車両や一般ドライバーを横目に一般道路を民間車両と並走、二日午前一時二十分すぎ第一陣が嘉手納基地第四ゲートに入っていった。その後、第二陣、三陣と続き第六陣までの後続の車列が次々と嘉手納基地内へ入っていった。


▲沖縄市内の国道329号を通り、嘉手納弾薬庫へ向かうミサイル搬送のトレーラー(10/11)
 軍用車両四十二台が国道58号線を大行列、米軍嘉手納基地に搬送した問題で東門市長は同日午前、那覇防衛施設局に佐藤勉局長を訪ね、ミサイル配備に強く抗議した。「なぜ沖縄市民に一報もないのか。地元を無視している。事前の説明がない中で輸送が強行されたことは甚だ遺憾。沖縄市域に配備するとの報道があるが、国からは何の連絡もない」と訴え、地元無視で行われる国や米軍の一方的なやり方に強く反発、強い口調で抗議した。これに対し、佐藤局長は「配備は沖縄の皆さまの生命、財産を守るもの」と述べ、装備搬入については「手違いがあって入港が早まり、結果として事前説明ができなかったことは申し訳ない」と陳謝した。

 その後、東門市長は外務省沖縄事務所で重家俊範沖縄担当大使にも強く抗議。午後には在沖米総領事にも同様に強い不満を訴え、抗議した。また、東門市長は在沖米軍四軍調整官にも抗議した。


▲発射口を上向きにした状態で並んだパトリオットミサイルの発射台。
(右がPAC2、左がPAC3)(米空軍嘉手納基地)(10/23)
 日米のミサイル防衛システム整備に向けた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)配備は沖縄以外にも本土の航空自衛隊基地四ヵ所に計画されていると言う。

 しかし、米軍再編で合意された嘉手納基地所属の戦闘機の訓練移転など「沖縄の負担軽減」は具体化していない。そんな中、パトリオットミサイルが嘉手納基地へ配備されることに地元自治体は「基地機能強化」と反発を強めた。

 また、同基地を抱える嘉手納町、沖縄市、北谷町の首長と議長で構成する「嘉手納飛行場に関する三市町村連絡協議会」(三連協)は十月三日午前、緊急の幹事会を沖縄市役所で開き、「配備は基地負担につながり反対。事前説明がないままで進む配備も許せることではない」と、これまでの三連協の姿勢を確認している。

 翌日の四日、中部市町村会と三連協は那覇防衛施設局に佐藤勉局長を訪ね、米軍再編による米軍パトリオット・ミサイル(PAC3)の嘉手納基地配備について「さらなる基地機能強化につながる」として合同で抗議した。

 十月九日午前八時ごろ、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)のミサイル本体二十四基などを積載した輸送船が天願桟橋に入港。米軍は十一日午前、計二十四基のミサイル本体を輸送船から民間トレーラー十五台に移し、車列をつくって搬送、午後十二時十分ごろまでに二十四基すべてを嘉手納弾薬庫へ搬入した。

 十三日、嘉手納基地で米軍のパトリオット沖縄配備のミサイ

ルの発射台が到着していることが確認された。これで九月末から続いたPAC3の一連の搬送作業は終了することになる。米軍は装備品の組み立て作業に着手、年内の一部運用を目指し、来年三月をめどに本格運用する方針。
 
「参 考」
パトリオット・システムは、経空脅威に対処するための防空システムの1つ、PAC3は、主として航空機を迎撃目標としていた従来型(PAC2)と異なり、主として弾道ミサイルを迎撃目標とするミサイルである(防衛白書より)
地対空誘導弾パトリオット(PAC3)とは、短・中距離弾道ミサイルをターミナル段階において地上のパトリオット・ランチャーから迎撃するシステム。大圏内下層で目標を迎撃。
PAC3ミサイルとは、目標に体当たりして破壊するhit―to―kill方式を採用している。従来型パトリオット・ミサイルに比べ、全長が5.2cとほぼ同じだが弾体直径は0.25cと細身で、重量もおよそ4分の1の315oとなっている。射程は20dと従来型の3分の1以下となる。
弾道ミサイルの飛行経路は、
@ 発射された直後でロケットエンジンが燃焼し、加速しているブースト段階
A ロケットエンジンの燃焼が終了し、慣性運動によって宇宙空間(大気圏外)を飛行しているミッドコース段階
B その後大気圏に再突入して着弾するまでのターミナル段階の3つに分類される。(インターネットより)
 飛来する弾道ミサイルの要撃については、第1段階はミッドコース段階(大気圏外)において、イージス艦により迎撃。第2段階においてはパトリオット・システムよりターミナル段階(大気圏内)において迎撃する多層的ウェポンシステムを採用している。(防衛白書より)
 
ことば▲地対空誘導弾パトリオット(PAC3)
 ミサイル防衛(MD)の主要装備の1つ。大気圏に再突入した弾道ミサイルを地上から迎撃するミサイルで、射程は20キロ程度とされる。イージス艦から発射する海上配備型迎撃ミサイル(SM3)と併用すれば、SM3が上層(大気圏外)で撃ち漏らしたミサイル弾頭をPAC3が撃つ2段構えの態勢が整う。日本側も本年度から埼玉県の入間基地などに配備する予定。
 
公開質問状の回答
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