更新日:2025年9月1日

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2025年度の一品紹介

 手まり

手まり

明治の終わり頃まで、女の子たちはまりつき遊びに使う手まりを自作していました。

ソテツの実の周りから集めた綿毛や海綿などを芯材にして、糸をぐるぐる巻きつけてまんまるの球を作り、いろいろな色の糸で模様を刺繍します。

手間のかかる手まりは大正の初め頃に市販のゴムまりが出回るとすたれていきました。また、手まりはゴムまりほど高く弾みません。家の中で、座った姿勢でトントントンと速いテンポでついて遊ぶものだったようです。

展示されている手まりは沖縄こどもの国にあった「手づくり郷土館」閉館のときに譲り受けたものです。

飾り物として作られたと思われますが、大まかな作りは昔のやりかたをなぞっています。

★このうち一個に「コザ」と刺されています。探してみてね!★

 オオキバヘビトンボ(標本)

ヘビトンボヘビトンボの仲間は、幼虫は川で育ち、蛹を経て翅のあるこの姿になる水生昆虫です。

オオキバヘビトンボは中国西部からベトナム、インドにかけて分布する種で、大きくてかっこいいですね。この標本は昨年の「地味な虫」という展示会で展示しようと個人的に購入しました。

「地味な虫」はヘビトンボのように名前も聞いたことがないような一般に知られていない虫を集めて、昆虫の多様性に注目してもらおうという展示会でした。ヘビトンボは特に好きな虫で、ぜひこの標本を見てほしいと買ったのですが、実際に並べてみると、小さくて地味な他の虫たちに対して、明らかにういていました。この標本が人気にはなりそうですが、他の虫たちを見てもらえないのではと心配になり、泣く泣くお蔵入りにしました。

 クバオージ

クバオージ

暑い季節が来たので、クバオージを展示します。クバオージは、クバ(和名はビロウ)の葉で作られた扇(おうぎ)=オージです。

沖縄市では、クバはちょっとした林で見ることができる、とても身近な植物で、「市民の木」にも指定されています。

クバオージの作り方はとても簡単で、クバの葉を半分に裂いて適当な大きさに切り、畳などで押すだけです。上手に葉を伸ばして作りたいときには水に浸して、いったん葉を伸ばすこともあります。

うちわや携帯型の扇風機が増えたことで、クバオージはエイサーぐらいでしか見られなくなりました。博物館でクバオージを作りすぎた時、青年会に声をかけると、喜んでもらってくれることもありました。

 土器をステキに装飾

ステキ土器

シンプルな土器もステキですが、文様を施された土器もステキですよね。

土器の形や文様にも流行りすたりがあって、時代やその土地によってもさまざまな文様があります。沖縄から出土する土器は本土に比べるとシンプルな気がしますが、よく見ると文様のバリエーションは豊かです。

今回はどんな道具を使って文様を付けているのかに焦点をあててみました。

例えばリュウキュウチクでは、その先端をどう割くか、どう土器に押し当てるかによって文様は変わってきます。貝殻も、どの部分をどの角度で土器に当てるかによって文様は変わってきます。指を押し当てたときの指痕も立派な文様になるんですよ。

また、口縁を山形にしてみたり、突起を付けてみたりと、装飾する個所によっても工夫がみられます。

 

 ヒメミズカマキリ(生体)

ヒメミズカマキリ(生体)

展示会「カマキリvsナナフシ」で標本を展示していたら、「生きているところを見てみたい!」とリクエストされたので、採集してきました。

ミズカマキリは細長い体にカマになった前あしと、カマキリのような特徴がありますが、水中にすむカメムシの仲間です。やはり肉食で、小さな水生昆虫や小魚などを捕まえて食べます。

カマキリのようなアゴではなく、カメムシの仲間に共通したストローのような突き刺す口をしており、消化液を注入して獲物の体内を溶かして吸って食べます。腹部の先には長い呼吸管があり、水面につけて空気の交換をしています。

ヒメミズカマキリは1980年代までは沖縄市でも記録がありますが、現在沖縄島内では見られる場所が少なくなりました。内地のほうには呼吸管を含めると10センチメートルほどになるミズカマキリや、八重山諸島にはよく似たマダラアシミズカマキリが分布しています。

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