更新日:2025年1月24日
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最近たくさん飛んでいたこの虫、ケバエという仲間です。
幼虫は落葉などを食べて暮らしていて、一年に一回決まった時期に羽化して出てくるようです。さて、じゃあ種類はというと・・・すみません、まだわかりません。
オスもメスも背中が赤く、日本本土で“セアカケバエ”とよばれているものに似ているのですが、セアカケバエの文献などがみあたらなく、どのような種類なのか調べられずにいます。“科”より細かい分類で、生き物の学名で苗字のようなものの“属”はPlecia(トゲナシケバエ属)という属だと思われるのですが、沖縄ではこの属の種類の記録はいままでないようです。身近な生き物でも、まだまだわからないことがたくさん! 研究の日々は続きます。
展示会「むしのしわざ」の準備で、様々なしわざを集めたのですが、実は、展示できずに“ボツ”になった展示物がたくさんあります。くやしいので少しずつ紹介します。
まずはこれ、葉にできたイボイボがむしのしわざです。展示のなかでも解説している虫こぶというもので、虫こぶ名はコクタンハフクロフシといいます。
このしわざを作る虫はコクタントガリキジラミといい、葉に口をつきさして汁を吸う、非常に小さな虫です。植物はリュウキュウコクタンで、家の周りの生垣などよく植えられているものです。
葉をよく観察するとたいていこのイボイボ・ボコボコができています。小さなしわざですが、こういったところからも虫の息づかいを感じてほしいな、というのが今回の展示会「むしのしわざ」です。
展示会「むしのしわざ」もあと残り1週間、最後にこの食痕を紹介します。
これは前にも一品で展示した外来の昆虫、ヨナグニアカアシゾウムシの成虫の食痕です。このゾウムシ、かなりいろいろな植物を食べることがわかり、シークワァーサー、ハイビスカス、クスノキの仲間、センダングサ、サツマイモなどに食痕が残っているのをみつけました。
今回展示したのはハイビスカスの葉で、このようにボロボロの穴あきになってしまいます。
このゾウムシは沖縄島のなかあちこちへ拡がっています。
どうやら、植木などの移動のほか、家畜の飼料の運搬などでも拡散しているようです。様々な植物を食べるので、農業害虫になってしまいそうです。暖かな沖縄は多様な外来害虫の侵入口になってしまう場所でもあります。今後も調査研究が欠かせません。
2019年に元号が「平成」から「令和」に切り替わりました。日本では、役所に出す書類は、基本として元号が使われます。もうそろそろ、「平成」と間違えて書くことが少なくなったのではないでしょうか?
2019年に寄贈いただいた資料に、改元の新聞記事があります。数十年後に平成を振り返る時に、貴重な資料になると思います。
ところで、沖縄県(琉球政府)は日本復帰前、元号の「昭和」ではなく、西暦を使っていました。
役所の文書に西暦を使っていれば、琉球政府の時代だと、すぐにわかるのです。
令和2年もよろしくお願いします!
博物館での令和2年最初の仕事は、ロビーに展示している人形の掃除でした。
長い間展示しているとホコリをかぶってしまうため、「はたき」が欲しいところです。
そこで、ススキで「はたき」を作ってみました。ススキで作る「ほうき」の応用です。
ところがこの「はたき」、まだ穂に種が残っているため、はたくと種が飛び、かえってゴミが増えることに……種がなくなるまで待ってから、使うことにしました。
ここ郷土博物館は、沖縄でもっともたくさん土器作りをしてきた博物館です。
それだけに土器作りでの失敗も多く、失敗を糧にしながら、土器を作って焼いています。
この土器は2019年に焼いたもので、うまく焼けたと思ったのですが、実は底が焼けていなかったものです。
一目で焼けていないとわかればいいのですが、この土器は、はじめ水をかけても土器が溶けなかったので、そのままテストでおかゆを煮てしまったのです。土器は、中に水分が入った状態で火にかけても、しっかり焼けてはくれません。おかゆを洗うと底が溶けるので、そのまま乾燥させるしかありませんでした。
このまま収蔵庫に入れたら虫がついてしまいそうですし、さて、どうしよう?
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