更新日:2025年1月28日
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春休みになると、博物館では常連の子たちが「これ何のオタマジャクシ?」と、捕まえたオタマジャクシを持ってきてくれます。
外国には歯が生えたカエルもいると言うと、信じてくれない子もいるので、今回はアフリカウシガエルの骨格標本をご紹介します。
このカエルには、下あごに2本の歯が生えています。オスが子育だ てをすることでも有名で、オタマジャクシの水が足りなくなると、周りの土を掘って水路を作ります。
ちなみに博物館には、このカエルにかまれた人がいます。病院に行こうかと思うほどザックリ指が切れました。いたかったなあ・・・・・・
博物館には、たまに「よくわからないモノ」があります。わからないのは悔しいので、本などで「これなんだろう?」と探がすのですが、なかなか見つからないこともあります。
このT字の棒も、よくわからない道具として保管されていました。でも今週になってひらめきました!
これはどうもツバキの油を搾るトゥイグチの一部のようです。この棒をトゥイグチにつなぎ、人がぶら下がって油を搾ります。クワやオノなどの道具は、ほとんどが手で握る太さになっています。でも、この棒は人が持って使うにはあまりに太く、形も近いものがないためお手上げだったのです。
どうかこの喜びを、みなさんにもわかってほしいなあ!
まだまだ寒い日が続きますね。カイロを使っている人も多いのではないでしょうか?
今回は昔のカイロとして使われていた「温石(おんじゃく)」をご紹介します。
……「ただの石?」と思いますよね? その通りです。
この石をお湯に入れてあっためて、布などでくるんで体をあっためたようです。
実験してみたところ、30分ぐらいはあったかく感じられました。大きい石は冷えにくいけれど重く、とがった石は布に穴が開きやすいなど、試すといろいろなことがわかってきました。
今のところの私のベストは、手で握って見えなくなるぐらいの丸い石を使うことです。沖縄のグスク時代には、温石として使われたのかな? と言われる滑石の小さなかたまりが見つかります。
いただいた花を博物館らしく生けよう!
ということで、作った土器を花瓶に使いました。
土器の色が、盛花の華やかさを引き立ててくれました。思ったよりも花がよく似合うので驚いています。
大昔に使われていた土器は、破片で見つかるし貴重なので、なかなか花瓶に使うようなことはできませんが、自分で作った土器なら、自由に楽しむことができます。土器は水を通すので、こまめに水を足さないといけないものの、土器の表面で水が蒸発するので、中の水は低い温度で保たれます。
昨年8月に本部に出かけたとき、道路わきの草原から、ギュリリリリリ!と大きな鳴き声が聞こえました。その瞬間「ハッ!」としました。
それはまごうことなく、北海道でよく聞いていたキリギリスの鳴き声だったのです。この虫は、私にとって思い出深いもので、北海道でこの虫が多いのは8月下旬、短い夏の終わりを感じる季節です。
わりとどこにでもい数も少なくなく、大きくてかっこいいキリギリスは、昔からよい遊び相手でした。
幼少のころ、母と追いかけた虫であり、祖父の家でスイカを食べながら、夏休みが残り少なくなったことを感じさせるメロディでもありました。
キリギリスは沖縄ではわりと珍しい虫で、限られた場所でしか見られません。恥ずかしながら、私が初めて会えたのは、こっちに越してから4年目のことでした。長らくあの威勢のいい声を聞いていなかったので、全身が震えるようななつかしさに包まれ、思い出が一気によみがえりました。
これが音の力なのだと思い知り、今回の展示「音で知る自然」にいたるきっかけになりました。
グラデーションの黒いはねにメタリックな青い模様、ショッキングピンクの体をしたきれいな虫、これ、チョウじゃなくてクロツバメという蛾なんです。
蛾というと、地味で、夜に活動するイメージがあるかもしれませんが、昼間とぶ蛾も少なくありません。
このクロツバメを含むマダラガの仲間も昼に活動する蛾で、クロツバメの他にも鮮やかな模様を持つ美しい種類がたくさんいます。昼の蛾は、夜の蛾と比べると、色合いが鮮やかなものが多いです。
このクロツバメは奄美以南に分布していて、沖縄島でも普通に見ることができます。
季節は春(4月ごろ)と秋(11月ごろ)が多く、食草となるアカギの周りをよく飛んでいます。年によっては大量発生することもあり、そんなときは博物館への問い合わせも多くなります。
事務仕事で疲れたとき、ふと顕微鏡をのぞきたくなる時があります。肉眼ではよくわからない小さな虫も、顕微鏡をのぞくと驚くほど精巧な作りをしていることがわかります。
最近ハッとさせられたのはこの虫、名前をシャープツブゲンゴロウといいます。かつてはアヤナミツブゲンゴロウとよばれていたこともあり、やはりその模様の美しさが目を引きます。
ゲンゴロウは肉食の水生昆虫。
大型の種類が有名ですが、小型種には美しい模様を持つものが多く、隠れたファンが多い昆虫です。ゲンゴロウがすめる池や田んぼはどんどんなくなっており、多くの種において絶滅が心配されています。
最近よく見る虫の一つに、キイロヒトリモドキがいます。
このヒトリモドキという蛾の仲間は、南のほうに多い昆虫で、日本に生息している5種すべてを沖縄島で見ることができます。どの種類も数が少なくないので、見たことがある人も多いのではないでしょうか?
幼虫はイヌビワ(イチジク)の仲間の木を食べ、種類によってガジュマルが好き、オオイヌビワが好き、といったように、好む樹種が違うようです。
どの種もシルエットはそっくりなのに、翅の色や柄がそれぞれ異なるので、とても見分けやすい虫です。
ヒトリモドキという名前は、別なグループのヒトリガという蛾に似ているというところからきていて、“ヒトリ”は一人ぼっちではなく、夜行性の蛾が夜、光に集まる習性から“灯取り”という名前になっています。
台風が去り、涼しくなってきましたね。今回は、私たち自慢の鍋をご紹介します。
これは、今から30年近く前に、私たちの土器の先生が作ってくれた土器(貝塚の時代の鍋)のレプリカです。使い込まれた感じが分かってもらえるでしょうか?
この土器は、とても軽い上に頑丈で、何度おかゆや貝を煮炊きしても水漏れのない逸品です。
今年も、土器作りの季節がやってきました。先生に一歩でも近づけるよう、博物館のみんなも燃えています。
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