■広報 おきなわ 7月号 NO.517

 今月の人(301)

手作りの絵本で想いを伝える

翁長(おなが)良龍(りょうりゅう)さん(48)

 手作りした絵本を読み聞かせ、こども達に学んでほしいことや自ら経験したこと伝える『リーゼント良龍』こと、翁長良龍さん。手作り絵本は3刊あり、祖母の教えや母親の愛情をテーマにしたものとなっている。
 読み聞かせを通して、何にでも挑戦し、一生懸命やり遂げることの大切さを伝えたいと話す。
 自動車販売業の社長のかたわら、ラジオのパーソナリティーとして活躍する3人の子を持つイクメンパパ。
 リーゼント良龍さんに、読み聞かせを始めたきっかけなどについて話を伺った。

 
 

 毎朝、ウォーキングを兼ねて小学生のお子さんの登校に付き添っていたリーゼント良龍さんは、ある朝学校側から「読み聞かせをする男性の読み手が少ないので、お父さまも参加してみませんか」と頼まれたとのこと。もともと奥様が読み聞かせを行っていたこともあり「今日だけなら」と思い、引き受けた。その後、小学校での読み聞かせ活動を本格的に行うことになり、自宅にある絵本や図書館から借りてきた絵本で読み聞かせをしていたが、絵本が持つメッセージ性に驚いたそうだ。
 「自分の経験したことをこども達に伝え、学んでほしい」と考え、絵本を作ることを決心。物語のシナリオをリーゼント良龍さんが考え、妹さんが絵を担当した。オリジナルの「スケッチブック絵本」を使って読み聞かせを行うと、たちまち児童や学校関係者の好評を呼び、口コミで広がっていった。
 現在までに、小学校や中学校、公民館、高齢者施設のほか、企業など市内の20 施設以上で読み聞かせや講話を行っている。「本業は自動車販売だが、読み聞かせなどの依頼が多く、忙しいと感じるが、せっかく自分を頼ってきてくれるので、可能な限り応えるようにしている。〝頼まれごとは試されごと〟をモットーに一生懸命に取り組むと、自信をもてるようになるよ」と笑顔で話す。
 リーゼント良龍さんは、あげだ児童館で去る5月27日、児童や保護者約60人に読み聞かせを行った。絵本を読み終えた後、自分の幼い頃の経験や心情を包み隠さず話しており、参加した児童のひとりは「お母さんに感謝する気持ちを考えると、胸が熱くなった」と感想を述べていた。リーゼント良龍さんは「他人から感謝される『ありがとう』を貯めて、人徳を積み重ねよう。勇気を出して、人から感謝されることに挑戦しよう。それが幸せへの一番の近道だよ」と話していた。

今月のヒストリート

ヒストリートⅡで、「基地のある街ーコザと刺繍店(しゅうてん)」を開催中です。

 かつて、沖縄市の歓楽街にはセンター通りやゲート通りを中心とした白人街とコザ十字路周辺の黒人街があり、刺繍店もそれらの地域で客層が分かれていました。照屋黒人街の刺繍店で、黒人たちがよく注文していたのはパッチ類でした。黒人たちは、白人街の客のように個々人が好きな絵柄を注文せず、集団で同じデザインを欲しがったので、店主は暇(ひま)を見つけて黒人客に好まれそうな絵柄のパッチをたくさん作って置きました。そうすることで、ペイデー(米兵の給料日)に客が殺到したときにも対応できたそうです。
 写真のパッチは、照屋にあった黒人組織ブッシュマスターズの紋章で、黒豹(くろひょう)が赤玉ポートワイン(現赤玉スイートワイン)を飲んでいるデザインです。同組織は1960年代、米本国で黒人パワーの影響を受けた人物が、黒人の地位向上と黒人の誇りを持とうと呼びかけ結成しました。黒豹の絵が指定されたのは、ブッシュマスターズが米本国で黒人解放闘争を展開していた黒豹党(ブラックパンサーとう)の系統だからと推測されています。安価な赤玉ポートワインは当時、黒人たちに愛飲されていたアルコールでした。
 刺繍により、コザの歴史の一端が垣間見える企画展です。ぜひご覧ください。

 

黒人組織ブッシュマスターズの紋章。その他、黒人である自覚と誇りを表現する「Black is Beautful」の文字や、拳を突き上げるデザインのパッチなども製作されました。

 

 

■ 市史編集担当 
 TEL.098-929-4128
■ ヒストリート、
  ヒストリートⅡ 
 TEL.098-929-2922

者の創業支援をバックア

大里自治会
自治会行事には住民が多く参加


 大里自治会(知念安治(やすはる)会長)では、餅つきや盆踊りなどの行事が盛んに開催されており、なかでも旧盆後に行う「わんぱく相撲」は、3歳から小学校高学年の男女約60 人がエントリーし、毎回盛り上がりをみせている。
 他にも、グランドゴルフ大会と隔年で行われている公民館まつりは、地域住民が育てた野菜や手作り小物が展示・販売され、人気だという。同自治会では旧暦になぞらえた年中行事も大切にしており、三月ウマチーやアブシバレーのほか、5月と6月のウマチー、神ウン 酒サク 、7月の獅子舞、9月の菊酒と、伝統ある行事を守り続けている。
 知念会長は「昨年、青年会の活動が休止してしまい寂しいが、子どもエイサーを発足させ、人材育成を図りたい。また、公民館で新鮮野菜を販売する朝市も長年続いているが、住民同士の交流の場として大事にしていきたい」と話している。
 
TEL:098ー 937 ー 4458

旧暦6月に行われる綱引きの様子(大里自治会提供)

センター自治会
地域の特色を活かした街づくり


 ちゃんぷるー文化が色濃く残るセンター自治会(我喜屋盛永(せいえい)会長)は、ゲート通りや中央パークアベニューで行う催しに外国人の参加が多く、国を越えた交流が日常にある地域となっている。
 40 年余り継続してきた新春餅つき大会は、2年前より一番街商店街と共催となり、外国人の参加者が地域住民と一緒に餅をつき、キムチやチリソースなど世界各国の調味料を付けて食べることで、新た な国際交流の場へと発展しているそうだ。
 我喜屋会長は、自らが毎日区域内を散歩することや、日ごろから自治会事務所のドアを開けておくことで、地域住民とのコミュニケーションが取りやすく、明るい街づくりに繋がっていると話す。また、「野良猫の苦情減少や殺処分ゼロを目指す『さくらねこTNR』へも率先して取り組み、住民から感謝の声も増えた。
 時代のニーズに合わせて、自治会を常に進化させ続けていきたい」と熱意を語った。
 
TEL:  098ー 938ー 5907
 

納涼祭りでは金魚すくいが人気(センター自治会提供)

KOZA CHOICE!(コザチョイス)vol.37

 今回はコザ酒楽EBの「さなじいカクテル」をご紹介します。
 コザ酒楽EBは、店主のエイサー好きが高じて始められた、エイサーをテーマにした居酒屋で、EBには“エイサーバー”と“エイサーバカ”の意味が込められているそう。
 店内には沖縄市の青年会を中心に約20 団体の衣装が展示されており、「沖縄全島エイサーまつり」や道じゅねーの様子を映像で楽しむことができます。
 「さなじいカクテル」は、沖縄市のエイサーキャラクターをネーミングに取り入れたユニークなもので、抹茶リキュールにゴーヤージュースやミルクなどを加え、ほろ苦く、ほんのり甘いテイストが女性客に好評です。夏を迎え、エイサーの時期がやって参りました。迫力あるエイサーを楽しみながら「さなじいカクテル」と旨い料理で盛り上がってみませんか。

所在地:沖縄市中央1-36-13 1F
営業時間:午後6時~午前1時
     午後6時~午前2時(土曜)
休み:月曜 問合せ:098-975-8137
 
商品名:さなじいカクテル
事業所名:コザ酒楽EB
職種:エイサー居酒屋
代表者:坂元 裕造