2010年平和月間スタート

戦争を知らない世代へ平和の大切さを継承していく

九月七日は「沖縄市民平和の日」

 「平和のメッセージ あなたから世界へ」をスローガンに「2010年沖縄市平和月間」がスタートした。七月三十日、多くの関係者が集まる中、開始セレモニーが市役所一階市民ホールで行われた。
 市では、一九四五年に沖縄戦の終結日となる、九月七日を「沖縄市民平和の日」と定め、同時に平和の尊さを広めるために毎年八月一日から九月七日までを「平和月間」とし、平和講座やパネル展、映画上映会など平和に関する様々な推進事業を展開していく。
 開始式で東門市長は「住民を巻き込む悲惨な地上戦が行われた沖縄、戦争の真実を風化させることなく、次世代へ正しい歴史認識を継承し、世界に向けて平和を発信していきましょう」と平和月間の開始を宣言した。また本年度の市平和大使に任命され広島県に派遣される中学生十六人と社会人三人が紹介され、大使を代表して仲宗根幸野さん(越来中一年)が「広島では多くのことを学び平和の大切さを考え、平和大使として学校や地域、友人に平和について伝えていきたい」。モラノ・ジュンさん(沖縄ハンズオンNPO)は「戦争の記録や一つ一つの証言を私たちが次世代に伝えていきたい」と戦争のない平和な世界の実現を決意した。その後、平和大使らによる「こどものまち宣言」の歌を合唱、多くの市民が聞き入った。

▲沖縄市から世界に向けて平和を発信していくことを力強く宣誓した

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中学校総合体育大会で好成績
沖縄東中から3競技が九州大会
仲村颯悟君の映画が全国

 沖縄東中学校(下地宏邦校長)の生徒らが、七月に行われた「県中学校総合体育大会」で硬式テニス(シングルス優勝)、相撲(団体準優勝・個人の部優勝)、陸上(大会三連覇)の三競技で優秀な成績を収め、九州大会への派遣と仲村颯悟君が監督した映画「やぎの冒険」が全国中学校文化連盟に出展が決まり七月三十日、仲松鈴子教育長を訪ね喜びの報告を行った。
 映画を出展する仲村君が「全国の人に見てもらい感動を与えられたらうれしい」、陸上部キャプテンの当山渚さんは「九州大会では、ベストを出せるよう頑張ります」と大会への意気込みを語った。仲松教育長は「仲村君の映画を見てとても感動した。また、それぞれの競技でベストを尽くし九州大会でも力を発揮して下さい」と激励した。

▲硬式テニス、相撲、陸上の3競技で九州大会へ、仲村君の映画
が全国中文連に出展される沖縄東中の生徒たち

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宮里中

中体連卓球団体の部でアベック優勝の快挙

体操やソフトテニスも好成績 九州派遣へ

 七月に開催された第三十七回中学校総合体育大会県大会で、宮里中学校(吉田直人校長)卓球部が団体の部で男女ともに優勝(女子は県大会三連覇)、女子シングルでも優勝するという快挙を果たした。八月五日、卓球部の部員と、他の競技で優秀な成績を修めた生徒たちが市役所を訪れ、県大会優勝と九州大会出場の報告を行った。
 報告会で卓球女子シングル優勝の仲眞萌希さんが「九州で上位に入賞して、全国大会出場も目指したい」と大会への意気込みを話すと、仲松教育長は「学問にも部活にも真剣に取り組む皆さんを誇りに思う。九州大会では目標を達成できるよう頑張ってきてください」と激励した。

▲県大会の結果を報告した宮里中の生徒たち。卓球のほか、体操
やソフトテニスの選手も九州へ派遣される。

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マンゴー収穫ピークを迎え
甘くておいしいマンゴーを贈呈

JAおきなわ美里支店果樹生産部会

 収穫時期を迎えたマンゴーをPRしようと七月二十三日、JAおきなわ美里支店果樹生産部会の知念正常会長らが東門市長を訪ね、収穫したばかりのマンゴーを贈呈した。
 平成二十年にマンゴーの拠点産地に認定された市内には現在、三十八の生産農家が携わる。ビニールハウスの中に数百個の実を一つ一つ丁寧に袋がけをし、針金で上から吊り下げマンゴーが落ちる寸前の色等を見極めて収穫している。今年の生産量は中部地区全体で八十五トン、市内では前年並みの四十トンの生産量を見込んでいる。知念会長は「天候不順で一時期は心配したが、収穫量や甘さなど例年どおりいい出来になった」と笑顔で話した。試食した東門市長は「甘くておいしい。今後もおいしいマンゴーを作り、県内外にピーアールして下さい」と太鼓判を押した。

▲収穫したばかりのマンゴーを東門市長へ贈呈する果樹生産部会のみなさん

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沖縄の自然や文化・歴史に触れる
沖縄市・米沢市の子どもたちが交流

市教委・保護者合同ふれあい会を開催

 沖縄市と山形県米沢市の小学生代表の児童八人が相互に親善訪問し、交流を深め両市の自然や文化、歴史などを学ぼうと「沖縄市・米沢市小学生夏季交流事業」が七月十六日から十九日の日程で行われた。米沢市から大宮英俊団長をはじめ、児童八人と保護者らが本市を訪れ、こどもの国や海洋博での海水浴体験、南部戦跡見学など沖縄の子どもたちと共に暑い夏を満喫した。
 二日目はホームステイでの交流として各児童の家に米沢市の子どもたちを招き、琉球料理に舌鼓を打ち、家族との交流も深めた。三日目には、かりゆし園で沖縄市・米沢市歓迎ふれあい会が行われ、両市の子どもたちや保護者らによる余興、最後はみんなでカチャーシーを踊って楽しいひと時を過ごした。十二月には沖縄の子どもたちが米沢市を訪問して交流を図る。

▲ふれあい会で、互いに親睦を図った沖縄市・米沢市の子どもたちや
保護者、関係者ら

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越来グスク二十五年ぶりに発掘
石列や鉄製釣り針、陶磁器など出土

貴重な手掛かりにと期待 市立郷土博物館

 市教育委員会は今年六月から琉球王府時代の国王である尚泰久や尚宣威が王子として過ごした越来グスクの発掘調査を二十五年ぶりに実施した。発掘調査の成果を広く市民へ公開しようと七月二十四日、二十五日の両日、越来保育所向かいにある発掘現場で説明会が行われた。
 発掘調査は住宅建設に伴うもので九月七日まで実施される。調査面積三百三十平方メートル。本格的な発掘調査は一九八五年に次いで二回目となる。発掘現場では、一層から五層まで掘り下げた堆積層からグスクでは初の石列が発見されたほか十四、十五世紀に使われた土器や中国製の陶磁器、鉄製の釣り針などが出土されている。発掘された石列は琉球石灰岩を積み上げたもので、長さ約十五メートルの石積みで基本的には一段で一部は二段となっている。また建物が立っていたと思われる柱穴跡や十メートル大の石灰岩礫の敷石も確認された。
 越来グスクは、戦前(一九四五年以前)まで北側の壁が一部分残るだけで、ほとんどが米軍上陸の際の砲撃で破壊された。残った石積みも、その後の道路工事のため米軍によって運び出され跡形も無くなったという。
 説明会で解説した市立郷土博物館の比嘉清和文化財係長は「グスクの状況を知る貴重な手掛かりになる。記録を残し、地域の歴史を知る材料として役立てていきたい」と話した。

▲25年ぶりに実施された越来グスクの発掘調査

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