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◆ 広報おきなわ6月号(No.408)

今月の人

中部老連は宝の宝庫だ

193.與古田徳仁さん(37)

 各地域に老人クラブの単位がある。それを、まとめる役目として市老人クラブ連合会がある。その上層団体に中部地区老人クラブ連合会(中部老連)がある。四月に中部老連の事務局長として、拝命されたのが與古田さん。五代目の事務局長として、大所帯の組織を束ね、活動、運営にたずさわっていく。新事務局長に今後の抱負などについてたずねた。
 與古田さんが中部老連事務局の職に就いたのは、平成七年。きっかけは、沖縄リハビリテーション福祉学院を卒業したこともあり、福祉には常に興味を持っていた。「おじー、おばーが大好きなんですかね」と自身を振り返る。
 中部老連は、市老人福祉センター寿楽園内にある。寿楽園は県内でもいち早く出来た老人福祉センター。老人クラブの構成は、全国、県、地区(県内は六地区)、市町村、各単位となっており、県内には、約七万人余の会員がいる。
 県内六地区の中で、約半数の三万二千人余の会員が中部老連に加入している。
 今後の活動についてたずねた「年間をとおして毎月のように行事があるが、日々の活動を通じ、生活を豊かにする楽しい活動や地域を豊かにする社会活動をバランスよく進め、高齢者の介護予防や在宅福祉の友愛活動など積極的に展開していきたい」と噛み砕くように話した。
 個人について聞いてみた。
モットーは「何事にも徹底的に頑張る」と答えて照れた。
 座右の銘は「以心伝心」日々の仕事で、言葉を発しなくても事がスムーズに運ぶことが多いが理由。難解だ。好きな言葉は「日々学習」。業務の中でよく感じるから。正解。趣味は「植物栽培、骨董品収集、ボランティア活動、お酒」。うわさに聞く、そのユニークな性格についてたずねてみた。「知人や友人からしつこいだとか、前置きが長いとかよく言われます。自分なりに考えてみると仕事がそのような性格を作りだしたのではないかと考えます。人生の先輩方に若くても、ちゃんとした根拠を持ち、考え方を示すことが必要だと思うからで、つい、説明が長くなるのだと思います」。納得。
 最後に與古田さんにとって中部老連とは「宝の宝庫。先輩方は長年培ってきた知識と経験を私たちに教えてくれる。地域は、老人クラブが元気がないと発展、活性化はないと思う。これからも、老人福祉の向上、発展に微力だが頑張りたい」と新事務局長は強い意気込みをのぞかせた。

戦後文化シアター 今月のヒストリート


ヒストリートにある九糎臼砲

市史編集担当/
TEL:939-1212(内線2273)
ヒストリート、しーぶんかん/
TEL:929-2922
 六月になると二十三日の慰霊の日を控え、戦争犠牲者の鎮魂や戦争と平和について考えることが普段より多くなりますね。
 今月紹介するのは、その沖縄戦で使用されたと思われる九糎臼砲(左の写真)です。
 九糎臼砲は明治二四(一八九一)年に大阪砲兵工廠で試製され、日清戦争(一八九四〜九五年)、日露戦争(一九〇四〜〇五年)で活躍したとされます。ヒストリートに展示されている臼砲は大正五(一九一六)年に製造されたもので、沖縄戦後、米軍が戦利品として収集しズケラン基地内の博物館に展示していましたが、閉館の際に沖縄市へ寄託したものです。沖縄戦で九糎臼砲は独立臼砲第一聯隊に六門が装備され、西原・嘉数・前田高地に陣地を構えて米軍を迎え撃ち、南に移動しながら戦闘を続けましたが、昭和二十(一九四五)年六月十七日に「かくて精鋭を誇った独立臼砲第一聯隊も全滅の状態となった」 (『戦史叢書沖縄方面陸軍作戦』)とあります。激戦の中を生き残り、今、ヒストリートにひっそりと置かれているこの臼砲は、人々のどんな姿を見てきたのでしょうか。

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