■広報 おきなわ
10月号 NO.532
 

 

 

 こどもたちが自分たちのまちや地域を学習し、社会の一員としてまちづくりに参画する第5回沖縄市こども議会を8月16日に開催した。
 こども議員は市内の中学生30人。今回から研修期間を3か月間拡充し、主要施設の見学、まちあるき調査、市議会の傍聴、市役所担当課への聴き取り調査などを通して質問や提案をまとめた。
 本会議では、山城朱莉議長(コザ中3年)、吉満小桃副議長(宮里中3年)の進行のもと、こども議員から防災・防犯、福祉、環境保全、学校や公園設備、商店街や観光振興、広報の発信、節水など、市の課題や取り組みについて幅広い質問や提案がなされた。桑江市長は、開会の挨拶で「真摯に受け止め誠意をもって答弁する」と述べ、市議会同様、各部局長が答弁を行った。
 最後に、中学生の自分たちにもできる5つの取り組みを盛り込んだ「子育てしやすいこどものまちの推進に関する決議」が全会一致で可決され、桑江市長へ手渡された。


 

 

やましろ しゅり
山城朱莉議長 (コザ中3年)

 まとめ役となって、みんなの手助けが出来ればと思い議長に立候補しました。仲間に出会えて、みんなの意見と思いを受け止めながら共に成長できました。私たちの活動をもっと市民に知ってもらって、沖縄市の今の良さと未来について考えてほしい。私たちが大人になったとき、もっと明るく住みよいまちになっていることをとても楽しみにしています。

 
 

 私たちが住む沖縄市は、平成20年に「こどものまち」宣言を行い、今年で10周年を迎えます。「こどもたちが夢にむかって元気にたくましく育つ環境づくり」をコンセプトに、沖縄市こどものまち推進アクションプログラムを策定し、沖縄市こども議会や、安心して子育てが出来る環境をつくる事業など、様々な取り組みが行われています。
 しかし、全国的にも課題となっている待機児童や、こどもたちの安全面での問題、さらに、核家族化の進行、社会の変化などにより地域との関わりが薄くなり、子育ての悩みを一人で抱えてしまう親の現状など沖縄市でも課題があると感じています。私たち中学生も小さいこどもたちはとてもかわいく大切な存在だと日々感じておりますが、そのような小さいこどもたちと遊ぶ機会も減ってしまっています。
 私たちは沖縄市が、元気なあいさつが飛び交い、地域全体で子育てに協力でき、こどもが笑顔で暮らせる子育てのしやすいまちになってほしいと考えています。こどもたちの笑顔は私たちを幸せにしてくれます。子育てのしやすいまちになることで、沖縄市の宝であり財産であるこどもも増え、こどもの将来に希望が持てる明るい未来をつくることができます。
 そこで、市では保育事業の拡充はもちろんのこと、地域で参加しやすいイベントを積極的に開催し、保護者同士のコミュニケーションの場を増やすことや、家族全員で育児を協力できるように、妊娠、出産および育児についての講座の充実をすることが必要だと考えています。さらに、まち全体にユニバーサルデザインを取り入れ、誰でも安心して安全に暮らしていけるまちにできれば、今よりももっと子育てのしやすいこどものまちになると考えています。
 また、私たち中学生にもこどものまちを推進するためにできることがたくさんあります。そこで、以下のことに取り組みます。

一つ.毎日を元気に楽しく過ごせるよう、私たちこども自らがまちを良くする努力をすること。
一つ.地域行事に積極的に参加し、まわりのこどもや大人とのかかわりを増やしていくことで安心・安全なまちをつくっていくこと。
一つ.地域で「こんにちは」「ありがとう」などの日常的な挨拶を増やし、挨拶で始まり、挨拶で終わる生活を心がけること。
一つ.困っている人に目を向け、特に、妊婦さんや子連れの親の負担を軽くするために、思いやりのある行動をすること。
一つ.周りの人の話をしっかりと聴き、自分の意見を持ち、責任感をもって行動すること。

 子育てをする親を地域全体で支え、応援し、親子共に暮らしやすいまち。こどものまち宣言から10周年を迎えた沖縄市が、これからの10年、100年に向けて、こどもたちの笑顔があふれ、こどもも大人もみんなが幸せに暮らすことができるように強く願い、決議と致します。


平成30年8月16日
第5回沖縄市こども議会