■広報 おきなわ
7月号 NO.529

 沖縄市議会6月定例会が6月18日に開会し、桑江市長から平成30年度の施政方針が発表された。


施政方針(全文)
 第396回沖縄市議会定例会にあたり、平成30年度の市政運営に関する所信を申し上げ、議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 この度の市長選挙におきましては、くわえビジョンの着実な進展等により、雇用の改善および税収の増加など、市民の皆さまをはじめ企業など多くの方々に、沖縄市の活力をご実感いただき、50%を下回る低投票率のなかにあって、過去最多のご支持を賜りましたことに深く感謝いたします。
 私は、これまでの政策に対し、前回選挙から得票数を伸ばすなど、市民の皆さまからのご理解が得られたことに、厚くお礼を申し上げるとともに、今後の施策展開の大きな力としてまいります。
 二期目の市政運営にあたり、観光も福祉も経済も「さらに前へ」、積極的な財政投資による経済活動の活発化で、福祉や教育、暮らしの充実など「もっと前へ」、果敢に取り組んでまいります。
 私は、本市のさらなる発展を市民の皆さまから力強く託していただいたことに、改めて身を引き締め、その実現へ全力を傾注してまいります。
 国におきましては、長く続いたデフレからの脱却をめざし、経済の再生を最優先課題と位置づけ、将来を見すえた社会保障や地域医療、インフラや土地等の社会資本整備など、国民の生活に直結する課題解決に向け、待機児童の解消、子供の貧困対策やスポーツの成長産業化等に取り組むことが示されております。
 沖縄県の経済につきましては、昨年の観光客数がハワイを超え、県内有効求人倍率は本土復帰後初めて1倍を超えるなど、県内景気は拡大しているといわれております。
 沖縄県は、中城湾港における航路の拡充とクルーズ船受け入れへの積極的な取り組みやITの活用による産業全体の振興を図るための成長戦略の宣言など、観光リゾート産業や情報通信関連産業等のリーディング産業の拡充および強化などに取り組むとしております。
 このような社会情勢の中、アジアと日本を結ぶ地理的優位性の高い沖縄県にあって、中部の要・沖縄市から、まちの新たな魅力を創出し、個性的な文化とともに、国内外に向けて発信する大きなチャンスとなります。
 本市をホームタウンとする琉球ゴールデンキングスなどプロバスケットボールをはじめとするスポーツ興行、アーティストが全国を縦断するアリーナツアーなど、スポーツ産業の持つ成長性を取り込み、観る人の胸が高鳴るエンターテイメントを演出し、地域経済の持続的成長を実現していく本市のランドマークとなる施設として、1万人規模の(仮称)多目的アリーナの整備に取り組むとともに、駐車場等の周辺環境整備をおこなってまいります。
 世界的な人気を博す米国バスケットボールリーグNBAの選手も参戦する、2023年FIBAバスケットボールワールドカップにつきましては、スタジアム・アリーナ改革を牽引するフロントランナーとして、ビジネスチャンスの創出と、市民が自信と誇り、夢を抱くステージになるものと確信しております。
 県内唯一の本格的な動物園「沖縄こどもの国」につきましては、希少なホワイトライオンとの比較展示など、こどもたちの感性を刺激し、驚きや笑顔あふれる施設づくりに取り組んでまいります。
 また、施設区域を約2倍に拡張するとともに既存区域の整備をすすめ、亜熱帯の地域特性や島嶼性の自然環境を活かした展示演出など、全国的にもユニークな施設へ整備拡充することで、内外から多くの観光客が訪れる魅力的な動物園をめざします。
 東部海浜地区開発事業につきましては、中城湾港に寄港する大型クルーズ船が増加傾向にある中、滞在型リゾートの構築に向け、県内最大級の約1㎞におよぶ人工ビーチを活かしたまちづくりに取り組むとともに、地域の活性化と雇用の創出をめざし、時代に対応する適切な土地利用をすすめてまいります。
 サーキット場の整備につきましては、観光や産業振興に伴う雇用創出を実現するモータースポーツ拠点として、段階的な整備をめざしてまいります。
 日本自動車連盟や自動車関連産業およびモータースポーツ競技団体との連携のもと、(仮称)モータースポーツ多目的広場の整備に向けて取り組むとともに、モータースポーツへの意識高揚を図るエキサイティングなイベントを開催してまいります。
 安心して子育てできる環境づくりにつきましては、引き続き待機児童の解消に取り組むとともに、こども医療費助成の拡充をすすめてまいります。
 また、新たに妊娠期から包括的に子育てを支援するとともに、若年妊産婦の居場所づくりを実施し、こどもの貧困対策のさらなる充実に取り組んでまいります。
 中心市街地につきましては、国道330号の拡幅整備および胡屋十字路における県道20号線拡幅整備の促進を図り、センター中央通り線の双方向通行および胡屋8号線の整備に向け取り組むとともに、市北部地域につきましては、交通渋滞の解消および洪水被害軽減対策の促進や農民研修センター周辺の活性化などに取り組んでまいります。
 一方、沖縄県につきましては、平和と安全・安心、そして、自立した発展を目指していくことが大変重要であります。
 沖縄の過重な基地負担や日米地位協定など、諸課題の解決に向けてしっかりと取り組むよう、国等に対して求めてまいります。
 私は常々、あらゆる機会をとおして、市民の皆さまと直に、お会いし対話することを大切に、地域にこまめに足を運び、直接語りかける姿勢を堅持してまいりました。
 市民の皆さまの激励、お力添えをいただく中、「沖縄市の均衡ある発展」に向け、国等との信頼関係をもとに、しっかりとした財源の確保など、ダイナミックにそして情熱的に挑戦し続けることを改めてお約束いたします。
 市長に就任するにあたっては、次の5つの基本方針のもと、お示しした「くわえビジョン」の実現に向け、市政を運営してまいります。


 

1.新たな魅力を創出するまちづくり

 1万人規模の(仮称)多目的アリーナや沖縄こどもの国の整備拡充、東部海浜地区開発事業の推進、(仮称)モータースポーツ多目的広場の整備など、観光資源を創出するとともに、中心市街地に観光客を誘導する大型バスステーションの設置、宿泊施設の誘致やスポーツと観光を融合させた取り組みを推進します。
 また、文化芸能を促進する取り組みをおこなうとともに、戦後の歴史やエイサー、音楽、工芸などの地域資源を活用し、地域の活性化につなげてまいります。


2.子育てしやすいまちづくり

 若年妊産婦の居場所づくりをはじめ、関係機関等との連携による子育ての包括的な支援をおこなうとともに、保育人材の確保を含めた待機児童の解消、こども医療費助成の段階的な拡充、学校給食費の助成、地域の実情を踏まえた放課後児童クラブや児童館の整備、こどもの貧困対策などに取り組みます。
 また、本市の将来を担うこどもたちの誰もが、未来に希望を持ち、生きがいをもって個人の能力を発揮できる教育環境を充実させるとともに、こどもたちの人材育成の観点から県外派遣費補助の充実などに取り組みます。


3.健康・福祉充実のまちづくり

 高齢者や障がい者など、それぞれのニーズに応じた適切な個別支援や、医療・福祉の連携強化をはじめとする、地域社会全体で支え合う仕組みづくりをすすめるとともに、職業を通じ誇りをもって自立した生活をおくることができるよう、意欲や能力に応じた就労支援に取り組んでまいります。
 また、高齢者の感染症や健康寿命の延伸に向けた生活習慣病の予防、生涯にわたる健康づくりへの支援をすすめてまいります。


4.活力あふれ、地域が輝くまちづくり

 青少年がスポーツに親しめる環境づくりや市立図書館のさらなる充実を図るとともに、青年会活動を支援します。
 また、事業者、金融機関、行政、大学等の連携による創業支援、コザ十字路地域の活性化、国道330号の拡幅に伴う沿線まちづくりの促進や土地区画整理など、中心市街地の賑わいを創出する取り組みをすすめてまいります。
 市民サービスの向上に向け、家庭ごみ収集の充実や昼食時間帯の窓口開設の拡充などに取り組むとともに、市民ロビーの充実を検討してまいります。


5.住みやすいまちづくり

 沖縄北・沖縄南インターチェンジにおける交通渋滞の解消、(仮称)池武当インターチェンジの整備促進、路線バスやコミュニティバスの拡充などによる公共交通網の形成、河川の氾濫防止対策の促進、自然災害に備えた防災機能を有する公園の整備、農民研修センター周辺の活性化や民間活力を活かした跡地利用等の促進に向け都市計画の見直し等に取り組んでまいります。
 嘉手納飛行場からの航空機騒音問題等につきましては、今後とも嘉手納町および北谷町とともに、三市町の共通課題として対処してまいります。
 統合計画で示された嘉手納弾薬庫地区知花地区への移設につきましては、国等で構成する協議会を活用し諸課題の解決に向け取り組んでまいります。
 また嘉手納飛行場の共同利活用について国へ求めてまいります。
 以上、市政運営に対する私の所信の一端を申し述べさせていただきました。議員の皆さま並びに市民の皆さまのお力添えは不可欠であり、重ねてご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

 次に、「第4次沖縄市総合計画」に掲げる6つの都市像に沿って、平成30年度の主な施策の概要について申し上げます。
 はじめに「平和を創り かおり高い文化を発信するまち」です。
 平和行政の推進につきましては、沖縄戦の悲惨な体験や教訓を風化させることなく、平和の心を未来へ継承していくため、沖縄市民平和の日記念行事をはじめ、平和大使の広島県への派遣や平和月間における各種事業をおこなうとともに、沖縄市平和事業推進アクションプランを改定いたします。
 文化の振興につきましては、沖縄市民小劇場あしびなー開館20周年記念として伝統芸能等の舞台公演をおこなうほか、おきなわ芸能フェスティバルや吹奏楽フェスティバルを開催するなど、市民が芸術文化に触れる機会の創出に取り組んでまいります。
 また、沖縄市民小劇場あしびなーの施設設備の機能を強化し、文化芸術活動の拠点施設として充実を図ります。
 戦後の沖縄市の歴史および文化の情報を発信するヒストリートにつきましては、コザゲート通りに移転拡大し、展示や企画展の充実を図るなど、市民や来訪者の歴史学習を促進してまいります。
 生涯学習の推進につきましては、移動図書館や図書資料の充実を図るなど、利用しやすく魅力のある図書館づくりに取り組むとともに、生涯学習フェスティバルの開催や自然学習の講座等を実施してまいります。
 また、青年会活動を支援し、社会教育の振興を図ってまいります。
 国際交流の推進につきましては、コザインターナショナルプラザにおいて交流事業や各種語学講座などを実施するとともに、外国籍市民の生活相談に取り組むなど、多文化共生による社会づくりを推進してまいります。
 国内交流の推進につきましては、豊中市・米沢市との相互訪問や東海市が開催する沖縄フェスティバルへ伝統芸能団体を派遣するなど、兄弟・姉妹都市との市民交流を促進してまいります。
 地域コミュニティの活性化につきましては、自治会活動に必要な備品購入や自治会への加入促進を支援してまいります。
 また、山里自治会公民館の整備に向け取り組むとともに、自治公民館における消防用設備の臨時点検および山内自治公民館の空調改修工事を支援してまいります。


   

 次に「未来に輝き 世界にはばたく こどものまち」です。
 こどものまち宣言から10年を迎え、こども医療費助成を拡充するとともに、若年妊産婦の居場所づくりおよび子育ての包括的な支援に取り組んでまいります。
 発達の気になる子の支援につきましては、乳幼児健診や親子教室をとおして早期発見に努めるとともに、療育支援事業「きらきら」や児童発達支援事業所「つくし園」における親子通園など、乳幼児期から切れ目のない早期支援に取り組んでまいります。
 多子世帯の経済的負担の軽減を図るため、引き続き市内小・中学校に在籍する同一世帯の3人目以降の児童生徒に対し、学校給食費を支援いたします。
 ひとり親家庭の支援につきましては、就職に結びつく資格取得等を支援し、生活の安定と経済的自立の促進を図るとともに、認可外保育施設および放課後児童クラブの利用料の負担軽減に取り組んでまいります。
 母子保健の推進につきましては、妊娠・出産や子育てに関する総合相談窓口を備えた子育て世代包括支援センターを設置し、妊産婦や乳幼児の実情の全数把握に努めるとともに、支援を必要とする家庭の個別支援プランの策定や関係機関等との連携の強化など、切れ目のない支援に取り組んでまいります。
 特に、若年妊産婦の支援につきましては、若年妊産婦の居場所を設置し、社会からの孤立化を防ぎ、安全・安心な環境における出産・育児等の相談や生活指導などをおこなってまいります。
 こども医療費助成につきましては、引き続き中学校卒業までの入院医療費を助成するとともに、新たに通院医療費の小学校6年生までの拡充および未就学児への現物給付を実施してまいります。
 待機児童の解消につきましては、増大する保育ニーズの把握に努めるとともに、さらなる施設整備の拡充に取り組んでまいります。
 また、保育人材の確保に向けて、保育士試験対策講座をはじめ、新たに保育士復職応援給付金の支給および子育て支援員研修を実施するとともに、保育士の処遇改善および負担軽減に取り組んでまいります。
 公立保育所の整備につきましては、泡瀬市営住宅の建て替えと併行して、泡瀬保育所の建築工事に着手いたします。
 児童館につきましては、宮里児童センターの供用を開始するとともに、(仮称)美里中学校区児童館の整備に向け取り組んでまいります。
 放課後児童クラブにつきましては、(仮称)美東小学校内公設放課後児童クラブの整備をはじめ、(仮称)高原小学校内公設放課後児童クラブの実施設計および(仮称)越来小学校内公設放課後児童クラブの基本・実施設計に取り組んでまいります。
 また、民設放課後児童クラブの支援の充実を図ります。
 放課後子ども教室につきましては、地域と連携のもと、小学校等において放課後の居場所づくりに取り組んでまいります。
 こどもの居場所づくりにつきましては、こどもの居場所を運営し、食事の提供や学習支援等をおこなう団体を支援してまいります。
 公立幼稚園の給食につきましては、新たに中の町幼稚園および宮里幼稚園において給食を開始いたします。
 また、高原幼稚園および諸見幼稚園において、給食導入に向けた施設整備をおこないます。
 学力の向上につきましては、小学校に学習支援員を配置し、中学校においては放課後学習支援教室を実施するとともに、新たに市内小・中学校にスクールサポートスタッフを配置するなど、わかる授業の充実を図ってまいります。
 また、市内小・中学校へ電子黒板を整備するとともに、教員のICT活用能力の向上に取り組み、確かな学力の育成を推進してまいります。
 国際理解教育につきましては、外国語に慣れ親しみ、異文化への理解を深めるため、中学生海外短期ホームステイの実施や市内小・中学校に外国語指導助手を配置してまいります。
 生徒指導と教育相談の充実につきましては、市内小・中学校においてスクールソーシャルワーカーによる教育相談や学校支援教育補助者による一人ひとりの状況に応じた個別学習支援等をおこなうとともに、新たにインターネット上でのいじめ早期発見や相談支援をおこなうネットいじめ防止対策推進員を配置します。
 また、小学校においてスクールカウンセラーによる児童・保護者・教職員へのカウンセリングをおこなうとともに、中学校においては心の教室相談員による生徒の悩み相談等に取り組んでまいります。
 心因性による不登校児童生徒につきましては、適応指導教室において学校復帰に向けた支援をおこなってまいります。
 準要保護世帯への就学援助につきましては、小学校新入学児童生徒学用品費の援助費を引き上げいたします。
 また、引き続き中学校入学前支給をおこなうとともに、新たに小学校入学前支給を実施いたします。
 特別な支援が必要な児童生徒につきましては、特別支援教育補助者などを配置し、障がいの有無にかかわらず共に学ぶことのできる教育環境の確保に取り組んでまいります。
 また、新たに中学校に合理的配慮コーディネーターを配置し、生徒一人ひとりの状況に応じた進路相談をおこなってまいります。
 教育の質の向上につきましては、老朽化した教育研究所を移転開所し、教育に関する調査研究や教育関係職員への研修等をおこなってまいります。
 教育環境の整備につきましては、安慶田幼稚園の園舎新増改築工事、安慶田小学校のプール改築工事、美東小学校の校舎新増改築工事および美東中学校の校舎新増改築工事を実施するとともに、美原小学校校舎改築の基本計画、越来小学校校舎改築の基本・実施設計および室川小学校屋外運動場の実施設計をおこないます。
 また、山内中学校空調設備更新の実施設計をおこなうなど、計画的な施設整備に取り組んでまいります。
 学校給食につきましては、徹底した衛生管理をおこない安全・安心な給食が提供できるよう、消毒保管庫を整備するなど調理場の備品の充実を図ってまいります。
 また、老朽化した第2調理場改築に向け取り組んでまいります。
 こどもたちが、まちづくりに参画する場である沖縄市こども議会につきましては、こども議員が自分たちの住むまちについて学習等をおこなう事前研修の充実を図り、未来を担う人材の育成に取り組んでまいります。
 児童生徒の文化・スポーツ活動の促進につきましては、市内小・中学校に在籍する児童生徒の県外派遣費を支援してまいります。
 沖縄こどもの国につきましては、国指定天然記念物ヤンバルクイナの分散飼育受け入れや既存動物舎の改修工事をおこなうなど、魅力ある施設整備に取り組むとともに、国内外からの観光誘客に向け、デジタルサイネージコンテンツの充実を図ります。
 青少年の健全育成につきましては、青少年指導員による巡回指導や青少年教育相談指導員による教育相談、登校支援および体験学習等を実施してまいります。


   

 次に「心がふれあい 安心の輪でつながるまち」です。
 人権教育および人権啓発の推進につきましては、人権教室や特設人権相談所の開設を支援してまいります。
 男女共同参画社会づくりの推進につきましては、啓発紙「きらめき」の発行、各種講座の開催や男女共同参画週間等におけるパネル展などを実施し、普及・啓発を図ってまいります。
 また、LGBTを含む性の多様性の理解促進につきましては、市内団体向けの出前講座を実施し、周知・啓発活動に取り組んでまいります。
 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、7か所の地域型地域包括支援センターにおいて、総合相談等に取り組むとともに、生活支援コーディネーターを配置し、地域活動の新たな人材発掘など、地域の支え合い体制づくりに取り組んでまいります。
 また、高齢者の介護予防と自立に向け、ケアマネジメントによる適切なサービスが提供されるよう支援してまいります。
 認知症高齢者等の支援につきましては、金銭管理等に関する相談支援や成年後見制度の普及をおこなうとともに、関係機関と連携し早い段階での適切な対応を図ってまいります。
 障がい者の福祉につきましては、障がい者基幹相談支援センターや関係機関との連携を図り、必要に応じた支援がおこなえるよう取り組んでまいります。
 また、重度心身障がい者(児)医療費助成の自動償還払いを実施し、利便性の向上を図ってまいります。
 市民の健康づくりにつきましては、おきはくん健康ポイント事業やウォーキング大会を実施し、市民の意識づけや動機づけを図ってまいります。
 また、「健康寿命の延伸」を目標とした第2次ヘルシーおきなわシティ21および食の大切さへの理解を深める第3次食育推進計画を策定いたします。
 生活習慣病対策につきましては、特定健康診査の未受診者への受診促進を図るとともに、健診結果に基づき、生活習慣病のリスクが高い市民に対して保健指導や受診勧奨をおこなってまいります。
 また、CKD(慢性腎臓病)登録医の促進等、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防・重症化対策を図ってまいります。
 予防接種につきましては、引き続き高齢者インフルエンザ定期予防接種費用の無料化を実施するとともに、乳幼児等の定期予防接種の勧奨に取り組んでまいります。
 就労支援につきましては、子育て世代や障がい者等に対する就労相談や職業紹介を実施するとともに、若年者に対する職業人講話や各種支援策の周知等について、関係機関との連携を図ってまいります。
 国民健康保険事業につきましては、財政運営の責任主体となる沖縄県と運営を担うとともに、医療費の適正化や保険料の収納率向上に取り組んでまいります。
 後期高齢者医療制度につきましては、はり、きゅう、あん摩マッサージ施術費用および葬祭費を支援するとともに、脳ドック費用を助成することで被保険者の負担軽減を図ってまいります。
 生活困窮者の自立支援につきましては、沖縄市就職・生活支援パーソナルサポートセンターにおいて、就労支援や住居の確保など、生活保護受給に至る前の段階での自立支援に取り組むとともに、中学生の高校進学に向けた学習支援を実施してまいります。
 また、生活保護につきましては、要保護者の状況に応じた適正な保護を実施してまいります。


   

 次に「人と資源を活かし 産業の力づよい成長を支えるまち」です。
 観光の振興につきましては、新たに観光統計調査を実施するとともに、観光ポータルサイト「KOZA WEB」やSNS等を活用し、観光施設やイベント等の情報発信をおこなうほか、近隣市町村等と連携したクルーズ船の誘致やバリアフリー観光の取り組みにより、国内外からの観光誘客を推進いたします。
 また、イベントによる東部地域の観光振興を図るため、県道20号線の改良を促進するとともに、東部海浜開発地区の土地利用等に対する市民の意識高揚や県内外企業の誘致に向けた取り組みを促進するため、東部大花火を実施してまいります。
 賑わいの創出を図るため、新たな交流および地域振興の拠点となる(仮称)多目的アリーナ本体の建設工事に着手し、国内外から注目される本市のランドマークとして整備をすすめてまいります。
 本格的なモータースポーツの拠点となる(仮称)沖縄サーキット建設の実現に向けた段階的な取り組みとして、(仮称)モータースポーツ多目的広場の基本・実施設計をおこなうとともに、モータースポーツの認知度の向上に向け、コザモータースポーツフェスティバルの充実を図ります。
 エイサーのまちの推進につきましては、エイサー文化の発信拠点となるエイサー会館の展示演出の充実を図るとともに、エイサー講座の実施により、エイサー活動を支える次世代の育成に取り組んでまいります。
 また、沖縄全島エイサーまつりやエイサーナイトの開催およびエイサー団体の県外派遣を支援してまいります。
 スポーツコンベンションシティの推進につきましては、本市をホームタウンとするFC琉球および琉球ゴールデンキングス、春季キャンプをおこなっている広島東洋カープや今年度から本市をサブホームタウンとするバレーボールチーム パナソニック・パンサーズなど、より多くのスポーツ興行の開催を促進し、応援の機運醸成や活動支援に取り組むとともに、スポーツ合宿や大会等の誘致をすすめてまいります。
 また、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を見すえ、合宿誘致に向けた受入環境の整備に取り組んでまいります。
 スポーツ施設の整備につきましては、総合運動場体育施設の備品の充実および陸上競技場の改修を実施いたします。
 音楽によるまちづくりの推進につきましては、本市で開催される音楽イベントやライブハウス等への誘客につながるよう、市内の音楽情報を一体的・効果的に発信する「おきなわ音楽月間」を実施するとともに、本市で開催される多彩な音楽イベントへの支援に取り組んでまいります。
 また、沖縄市音楽資料館「おんがく村」において、多様な音楽資源の展示やそれらを活用したイベントを開催してまいります。
 ミュージックタウン音市場につきましては、音楽による賑わいの創出や人材育成等に取り組むとともに、施設設備の機能強化を図ります。
 中心市街地につきましては、中心市街地の居住人口の増加を促進するため、新たな住宅整備にかかる除去費用を支援してまいります。
 商店街の活性化につきましては、既存店舗や新規出店への店舗改修支援に取り組むとともに、近隣駐車場の利用を支援することにより商店街への集客を促進してまいります。
 また、銀天街の活性化に向け、周辺の地域住民との意見交換をすすめてまいります。
 創業の支援につきましては、相談窓口の設置、プログラミングやデジタル工作機械等を活用できる人材の育成、関係機関との連携体制の構築やスタートアップにかかるイベントの開催などをとおして、創業・起業に向けた機運醸成やコミュニティの形成を促進してまいります。
 企業誘致の推進につきましては、本市へ新たに立地する企業に対する優遇措置や関係機関と連携した支援制度の周知等に取り組むとともに、企業誘致の推進にかかる基礎調査をおこないます。
 ものづくり産業の振興につきましては、知花花織の担い手育成やコザ工芸館ふんどぅの運営支援など、工芸によるまちづくりを推進してまいります。
 また、工芸やものづくり産業の拠点施設の整備に向け取り組んでまいります。
 農業の振興につきましては、農業の担い手の確保と育成を図るため「沖縄市 人・農地プラン」を推進するとともに、農家に対する農地集積と農地の効率的利用を促進してまいります。
 また、(仮称)農産業活性化計画の策定や農民研修センター周辺の活性化に向け取り組んでまいります。
 畜産業の振興につきましては、畜産共進会の開催をとおして、家畜の品種改良と生産技術の向上を促進するとともに、種畜の購入や子牛の生産を支援してまいります。
 また、畜産環境の保全に向け、堆肥化設備の整備などを支援してまいります。
 水産業の振興につきましては、漁獲量や漁家経営の安定化を図るため、浮魚礁の設置、漁船装備品の近代化や稚貝・稚魚等の養殖・放流を支援してまいります。


 

 次に「地球にやさしく 安全で安心なくらしができるまち」です。
 ごみの排出の利便性の向上と不適正な排出を防止するため、家庭ごみの全戸門前収集を実施し、循環型社会の構築をめざしてまいります。
 防災対策につきましては、市内小学校へ災害用備蓄倉庫を設置するとともに、自主防災組織の結成促進や活動支援のほか、全国瞬時警報システム機器を更新いたします。
 また、与儀地区および比屋根地区において里道を活用した災害時の緊急避難通路を整備してまいります。
 消防・救急体制につきましては、水難救助支援車の機能強化を図るとともに、水槽付消防ポンプ自動車を更新いたします。
 また、市民の自主救護能力の向上を図るため、コンビニエンスストアへのAEDの設置拡充や応急手当講習会を実施してまいります。
 防犯対策につきましては、保安灯の新設や改修によりLED化をすすめるとともに、自治会の保安灯電気料金を支援し、安全・安心な生活環境の整備を推進してまいります。
 消費者行政につきましては、沖縄市消費生活センターにおいて市民が安全で安心して消費生活をおくれるよう相談支援に取り組むとともに、消費者月間パネル展や出前講座など、市民に対する意識啓発および消費者教育を継続的に実施いたします。


   

 次に「うるおいある 快適な空間を将来につなぐまち」です。
 中の町地区土地区画整理事業につきましては、仮換地指定に向け、換地設計および街区確定測量を実施いたします。
 また、中の町地区を含んだ胡屋十字路周辺において、既存ストックおよび地域資源を活かしたリノベーションまちづくりの推進に取り組んでまいります。
 安慶田地区土地区画整理事業につきましては、物件調査および物件移転補償等をすすめてまいります。
 美里第二土地区画整理事業につきましては、物件移転補償や区画道路工事等を実施してまいります。
 キャンプ瑞慶覧ロウワー・プラザ住宅地区につきましては、返還後の円滑な土地利用を見すえ、公有地確保のため先行取得に取り組んでまいります。
 上水道事業につきましては、配水管等の水道施設の耐震化を推進し、災害に強い施設整備に取り組んでまいります。
 公共下水道につきましては、東部海浜開発地区の基本設計をおこなうとともに、大里地区の整備および中央地区の改築工事を実施いたします。
 また、下水道施設全体を計画的かつ効率的に管理するため、ストックマネジメント計画の策定に取り組んでまいります。
 浸水対策につきましては、知花地区および松本地区における雨水排水施設の整備に取り組むとともに、雨水管理総合計画の策定に着手するなど、浸水被害の軽減を図ってまいります。
 また、東部海浜開発地区におきましては、雨水整備の基本設計を実施してまいります。
 住環境の整備につきましては、安慶田市営住宅の第3期工事および泡瀬市営住宅の第1期工事をおこなうとともに、登川市営住宅および久保田市営住宅の長寿命化に向けた補修工事を実施いたします。
 安全・安心な住生活の促進に向け、管理が適切におこなわれていない空き家の実態調査を実施してまいります。
 東部海浜地区開発事業につきましては、ビーチフロント観光拠点の創出を含め、企業誘致や土地利用のあり方について取り組むとともに、PRイベントによる事業の周知を図ってまいります。
 緑化推進につきましては、市民の緑化意識の高揚および緑の創出を図るため、花いっぱい推進運動をおこなうとともに、コザ運動公園の壁面緑化パネルの草花を季節ごとに植え替えするなど、緑と花あふれるガーデンシティーに向け取り組んでまいります。
 公園整備につきましては、コザ運動公園において駐車場や交通結節機能等の施設整備に向けた可能性調査、美里第五公園の実施設計および(仮称)比屋根公園基本計画・基本設計をおこなうとともに、海中道路跡都市緑地の整備工事および美里第一公園の遊具整備工事を実施いたします。
 市北部地域の道路および公園の整備につきましては、池原公園再整備の第1期工事および馬場都市緑地園路整備工事をおこなうとともに、交通渋滞の緩和や歩行者の安全対策として、登川4号線の整備に向け取り組んでまいります。
 公共交通につきましては、公共交通ネットワークの構築を図るため、公共交通再編実施計画の策定をおこなうとともに、中心市街地循環バスの拡充に向け取り組んでまいります。
 国道330号沿線につきましては、国と連携し国道拡幅をすすめるとともに、残地の活用に向けて検討してまいります。
 また、都市の健全な発展等を目的とする都市計画につきましては、その基本方針である沖縄市都市計画マスタープランの改定に取り組んでまいります。
 道路整備につきましては、諸見里山里線、安慶田中線およびセンター中央通り線の物件移転補償等に取り組むとともに、東南植物楽園線、宮里12号線等の道路改良工事および照屋1号線道路占用物である銀天街アーケードの健全度調査を実施してまいります。
 交通利便性の向上につきましては、(仮称)池武当インターチェンジの整備および沖縄北インターチェンジ交差点周辺の渋滞対策を促進してまいります。  


 

 以上、平成30年度の重点的な施策の概要を申し上げました。
 これらの施策をはじめとする諸事業を推進するために、平成30年度の予算編成にあたっては、当初予算が骨格予算となりましたことから、補正予算において、一般会計で4,178,920千円の増額および特別会計で9,493千円を減額し、一般会計において73,848,920千円、特別会計において29,942,308千円、企業会計において4,470,809千円の規模となっております。
 国の経済につきましては、海外経済の回復が続く中、経済政策の効果もあいまって、雇用・所得環境の改善が続き、経済の好循環がさらに進展する中で、民間の需要を中心とした景気回復が見込まれるといわれております。
 県の経済につきましても、観光および個人消費の堅調な増加や雇用情勢の改善など、景気は着実に回復しており、引き続き好調な経済情勢が予想されております。
 しかしながら、高齢化の進行に伴って、社会保障費はさらに増加する見通しが立てられるなど、国・地方の財政状況は引き続き厳しい状況にあるため、国は歳出・歳入改革に取り組み、経済再生と財政健全化の両立を図るとしております。
 本市の財政状況につきましては、市税が増加傾向にあるものの、依然として財源の大半を地方交付税や国庫支出金等に依存した財政基盤となっております。
 社会経済情勢の変化や多様化する市民ニーズに対応するため、迅速かつ的確に対応できる組織体制を構築するとともに、引き続き持続可能な安定した財政基盤の確立を図ってまいります。
 民間事業者の有する専門性やノウハウの活用を図り、質の高い行政サービスの提供に取り組んでまいります。
 市民の皆さまから信頼される市役所として、職員一人ひとりが市民全体の奉仕者としての自覚を持つとともに、組織マネジメントを強化し、公務員倫理の遵守や危機管理意識の向上を図ってまいります。
 私は、力強く二期目を託していただいた市民の皆さまの期待に応えるべく、本市の発展に全力を尽くしてまいります。
 議員の皆さまをはじめ、市民の皆さまのなお一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。


 

平成30年6月18日
沖縄市長 桑 江 朝千夫