今月の人

今こそ必要な地域コミュニティの要である自治会活動の充実を目指して

230. 名嘉眞 正雄さん(68)

名嘉眞 正雄さん

 大震災において、被災地の方々が心をひとつに互いに助け合い、協力しながら困難を乗り越える様子をみて、地域で団結することの大切さを改めて痛感したことだろう。

 今月は、その地域コミュニティの要である自治会の会長で組織された自治会長協議会の新会長に就任した名嘉眞正雄さんに自治会活動への思いや今後の展望について聞いてみた。

 名嘉眞さんが自治会活動を始めたのは三十八年勤めた軍雇用員としての職を退職してからである。退職後、自分の生まれ育った明道地域のために何か協力したいと思い、明道自治会の評議員を二年間務めた後、平成二十年四月一日より自治会長となった。そして、四月二十日に行われた、市内三十七自治会の会長で組織される自治会長協議会の総会において自治会長協議会会長に推挙された。

 社会構造が大きく変わり地域住民とのつながりが希薄となり自治会加入率が低下する中、三月に発生した未曾有の東日本大震災において、被災地の方々が心をひとつに互いに助け合い、協力しながら苦難を乗り越えようとしている様子は、人と人との繋がりがいかに大切であるかを改めて実感させられた。その地域コミュニティの要である自治会の活動は今後さらに重要になるだろう。

 名嘉眞会長を筆頭に自治会長協議会では昨年度から六月を自治会加入促進月間と位置付け自治会の活動を広く市民にアピールし、自治会への加入を呼びかけている。

 六月一日から四日間、自治会加入を呼びかける広報車が沖縄市内全域をくまなく回る街頭パレードを行い、六月七日から十三日まで市役所市民ロビーでは三十七自治会の自治会紹介パネル展を開催した。また各自治会では公民館講座を開催し、地域住民が公民館へ足を運ぶよう趣向をこらしている。昨年度の自治会加入促進月間期間中には新たに百二十七世帯もの加入者があった。今年度も更なる自治会加入者の増加を目指している。

 名嘉眞会長は「地域には防犯活動、防災活動、環境美化や一人暮らしの高齢者見守り、青少年育成等多くの問題が山積している。それらを解決するには地域共同体の結束が非常に大事であり、そのためにも自治会員獲得が大変重要だ。今後も自治会加入率の改善を図りながら、市行政とのパイプ役として地域の様々な問題解決に邁進していきたい。また、社会全体がIT化し、年配の方と若者との情報格差があるので、その改善にも力添えができたら」と名嘉眞会長ならではの抱負を語った。

▼戦後文化シアター 今月のヒストリート

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「コーラびんのコップ」
▲「コーラびんのコップ」

 梅雨の気配はすっかり遠のき、夏到来です。連日の猛暑続きで、つい冷たい飲み物に手が伸びてしまいますね。今月の話題は、清涼飲料の代表格「コーラ」です。

 コーラはいつ、沖縄に持ち込まれたのでしょうか。1945(昭和20)年4月1日、沖縄本島へ上陸した米軍は、占領直後から米本国より軍の供給物資として「コカ・コーラ」を取り寄せました。1951(昭和26)年9月5日(沖縄コカ・コーラボトリング株式会社 社史より)、沖縄での民間販売が公式に認められるまで、コーラとは米軍人・軍属の飲み物だったのです。

 一方その頃の沖縄住民は、戦争の痛手を負ったことで生活道具を無くし、困窮にあえいでいました。しかし、そのような中で見つけたのが「コーラ瓶」。米軍が飲み干した後のゴミでした。何かに使えそうだと知恵をしぼり、様々な生活道具を生み出していったのです。

 その代表的なものが、ヒストリートに展示されています。左の写真「コーラびんのコップ」です。コカ・コーラのロゴ下部より上下に切り離して、下半分をコップに、上半分は風鈴や漏斗として代用 していました。

 現在ではすっかりお馴染みの「飲み物」になったコーラも、市民におけるその歴史は、空き瓶利用から始まる…と言えるのではないでしょうか。

 しかし、どのようにしてガラス瓶をこんなに綺麗に切り離すことが出来たのか、不思議だと思いませんか?ぜひヒストリートにお越しいただき、スタッフにお尋ねください。