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◆ 広報おきなわ(No345)  3月号

実体験を通した活動の中で親子のふれあいを感じてほしい
登川子供会 ポテトクラブ

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今年のジャガイモも大収穫
 登川子供会(金城辰弘会長)、愛称ポテトクラブ。「子どもたちと一緒に何かできないものか、よし!ジャガイモでも植えてみんなでカレーでも食べてみよう」そんな思いから子供会が4年前にスタートした。子供会の愛称である「ポテトクラブ」もそこからつけた名前だ。
 地域の方が無償で提供してくれる畑に毎年、秋にはジャガイモの種イモを植える。カレーの具に必要なニンジンやタマネギ、ほうれん草なども一緒に育てている。肥料や草刈りも全て自分たちで手をかけ、数ヵ月後の収穫を楽しみに子ども達も慣れない手つきで畑仕事を頑張る。実体験を通した活動の中で親と子のふれあいや自然の不思議を感じる時間、ポテトクラブにはかかせない活動のひとつとして定着している行事である。そして、収穫祭には多世代交流会を開きカレーパーティを開催。料理の担当も子どもたちが務める。地域のおじいちゃん、おばあちゃん達と子ども達との交流を図り、子ども達が一生懸命つくった具だくさんのカレーがみんなにふるまわれる。今年はサトウキビも植え、黒糖作りにも挑戦する予定だ。
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子どもたち特製のカレーライスで星空観測のサマーキャンプも楽しい
 発足当初、数十人だった子供会も現在は100人を超え、たくさんの人が参加して子供会の取り組みも増えた。8月のキャンプを兼ねた星空観測も子どもたちが楽しみにしている行事のひとつ。昨年、ニッセイ財団の助成によりキャンプ用テント15張と天体望遠鏡10台がポテトクラブに贈られた。公民館にはパソコン3台が設置され、子どもたちが自分の好きな分野で自由に学べる環境づくりも行っている。また、ポテトクラブのホームページも立ち上げ、活動の様子や行事の案内なども発信している。
 「自分たちが幼かった頃、自分達の中に残っている地域での思い出を子ども達にも残してあげたい」そんな父母や地域の人たちの思いが登川子供会ポテトクラブの活動に広がりを見せている。

風のスケッチ
 戦後の物不足の時代、何でもリサイクルして使うのが当たり前だった。人々は自らの生活に必要な道具をそろえるために、身の周りにあった米軍物資や廃品に手を加えて創意工夫に満ちあふれた様ざまな生活用具(カンカラ三線、コーラびんのコップなど)を生み出した。
 建築物で、よく再利用されたものにコンセットがあった。「コンセット」とは米軍のカマボコ型兵舎のことで、兵員の移動によって民間に払い下げられ、学校・病院・役所などで利用された。コンセットは鉄骨・トタン葺きといった金属類で構成されていたので、夏は焼けつくような暑さだったという。だが資材不足のため、組立解体が容易で便利なコンセットは重宝されたようだ。
 1960年3月、嘉手納航空隊から同基地内のコンセット15棟が、コザ市内の小中学校の教育施設および公共施設の建築資材として無償譲渡される。小中学校では教室不足が解消されると喜ばれた。また、胡屋区青年会の協力を得てコンセット利用の園舎が造られた胡屋幼稚園では、これまでの間借り生活から解放され、のびのびと保育授業が行われた。その他、室川区や住吉区には公民館の建築用として、市には青年婦人会館の仮建築用にとコンセットは分配された。
 現在は物があふれ毎日膨大な量のゴミが出ているが、環境問題を考慮して分別・資源化によるゴミの減量化が展開され、さらに資源の持続的活用をはかる「循環型社会」への転換が提唱されている。不要品を捨てる前にリサイクルに長けた先人の知恵を見習い、廃品の有効利用を考えてみてはどうか。
 (H)

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