平成29年度 沖縄市 施政方針

基本姿勢

 第387回沖縄市議会定例会にあたり、平成29年度の市政運営に関する所信を申し上げ、議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 私が、沖縄市長に就任し市政運営を担うことになりましてから、早くも4年目を迎えます。 就任以来、今日まで、「活力あふれる沖縄市」の実現に向け、諸事業を進めることができましたことも、市民の皆さまをはじめ、議員各位のご支援、ご協力、そして職員の努力によるものと心より感謝を申し上げます。
 私は、市民の声を市政へと活かしていくことを第一に、昨年開催いたしましたタウンミーティングをはじめ、さまざまな機会において対話を重ね、時には厳しいご意見も拝聴しながら、このまちを誇りに思う市民の皆さまの熱い想いを市政運営の糧としてまいりました。
 多くの市民が、まちの活性化や子育て支援などに期待を寄せるなか、私は、こども医療費助成の対象年齢の拡充、認可保育所等の定員拡大、幼稚園給食の実施、第3子以降の学校給食費の無料化、高齢者へのインフルエンザ定期予防接種の無料化、生活困窮者自立支援に向けた相談支援事業所の開設、山里第一地区第一種市街地再開発事業の工事着手、中城湾港新港地区の定期航路の実現、市が発注する工事の最低制限価格の95%への引き上げなど、市民からの切実な声に向き合い、さまざまな施策を着実に進めてまいりました。
 今後も、市民の皆さまの負託にしっかりとお応えしていかなければならないという強い使命感のもと、市政の運営に全力を傾けていく所存であります。
 国においては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるものの、景気の先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなか、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されております。
 そのため、東日本大震災からの復興・創生に向けて取り組むとともに、デフレからの脱却を確実なものとし、雇用環境の改善につなげ、地域や中小企業、小規模事業者も含めた経済の好循環の更なる拡大を実現するとしております。
 ビッグデータ・人工知能などの技術革新や、農業の6次産業化をはじめとしたビジネスモデルの転換により、大きな発展の可能性が現実のものとなってきており、新たな価値の提供や社会的課題への対応により、潜在的需要を開花させるとともに、人口減少社会での供給制約を克服する生産性革命を強力に推進することとしております。
 沖縄県におきまして、平成29年度は、沖縄21世紀ビジョン基本計画の後期基本計画がスタートする重要な年であり、課題の解消を図り、きめ細かな施策展開により、沖縄らしい優しい社会を創りあげるとともに、経済をより高い次元へと進化させることが求められるとし、沖縄の持つ優位性と潜在力を活かす施策を戦略的に展開するとしております。
 本市において、平成29年度は、市民待望の新図書館をはじめ、エイサーのまち沖縄市の拠点となる(仮称)青年エイサー会館や本市の戦後文化を発信する新ヒストリートが次々と開館いたします。
 また、スポーツコンベンションシティ沖縄市の拠点であるコザ運動公園内では、(仮称)沖縄市多目的広場や投球練習場など、施設の充実を図るとともに、一万人規模の(仮称)沖縄市多目的アリーナの施設整備を着実に進めてまいります。
 これらの施設が、新たなまちの顔として、中心市街地に賑わいと活気を生みだすものと期待が高まっております。
 地域の活性化と雇用の創出に向けては、新たな地域資源の創出を推進するとともに、伝統文化の継承や発展、多彩な音楽や芸能等の魅力を活かした観光の振興に取り組んでまいります。 また、ICTを活用した創業支援や企業誘致などによる雇用創出を図り、市民をはじめ、来街者のすべてが夢と希望を持てる、活気あふれるまちづくりを推進してまいります。
 地域活性化の起爆剤として、スポーツを核とした経済活性化をもたらし、滞在型観光を推進し、国内外から注目される本市のランドマークとなる施設として一万人規模の(仮称)沖縄市多目的アリーナの整備を進めてまいります。
 また、沖縄を世界に発信し、継続的な観光振興につなげる大きなチャンスとして、世界規模の大会であるバスケット・ワールドカップの誘致を日本バスケットボール協会や沖縄県と協力して進めてまいります。
 観光を本市のリーディング産業と位置付け、国内外からの誘客に向けた取り組みを推進し、受入環境の充実を図るため、宿泊施設等の誘致にも取り組むとともに、観光推進体制の抜本的な改革に努めてまいります。
 中城湾港新港地区におけるクルーズ船寄港については、近隣市町村等と連携した受入体制の充実を図るとともに、大型船の寄港に対応できるよう、港湾の整備について国や県に強く要請してまいります。
 東部海浜開発地区につきましては、スポーツ・医療・宿泊・商業などと連動した滞在型リゾートとして、中部東海岸域における活性化と賑わいの拠点をめざし、土地利用計画の実現に取り組んでまいります。
 子育て支援と人材育成の充実に向けては、待機児童の解消をはじめとした子育て環境の充実、こどもの居場所づくりや幼稚園給食を含む教育環境の整備など、こどもたちの健やかな育ちと女性の活躍を支えるための基盤整備として、子育て支援および体験や交流の拠点施設を充実し人材育成に取り組んでまいります。
 また、こどもたちの将来がその生まれ育った環境によって左右されることなく、夢や希望をもって成長していける社会の実現を目指して、就学援助の充実、学力向上の推進や学習支援、放課後児童クラブを利用するひとり親世帯の利用者負担の軽減など、引き続き、子どもの貧困対策に取り組んでまいります。
 こどもたちの知的好奇心を育む人材育成拠点であり、県内唯一の本格的動物園である沖縄こどもの国においては、今春、愛くるしいホワイトライオンが加わることになり、来場するこども達の笑顔が目に浮かんでまいります。 施設の展示演出等の充実とあわせて、更なる魅力を創出するとともに、近隣自治体と連携しながら整備拡張に取り組んでまいります。
 健康増進と福祉につきましては、すべての市民が、いきいきとした毎日がおくれるよう、それぞれのライフステージや身体状況に応じた健康づくりを支援するとともに、だれもが安心して暮らせる地域福祉の充実に取り組んでまいります。
 平和と文化の発信に向けては、平和の心やこれまで積み重ねてきた本市の歴史や文化等を広く発信し、地域に根付いた文化の継承・発展に取り組むとともに、スポーツや文化活動など市民の生涯学習の促進、地域活動の主体となる地域コミュニティの活性化を図ってまいります。
 都市基盤の整備と環境との調和につきましては、自然災害等に強いまちづくりをはじめ、良好な住環境の創出を促進するとともに、環境に配慮した快適で安心・安全な都市基盤の整備に取り組んでまいります。
 基地政策につきましては、防衛省、沖縄防衛局、市で構成する移設に関する協議会を活用し、基地から派生する諸問題や市の振興発展に寄与する施策について積極的に取り組んでまいります。
 また、「沖縄における在日米軍施設に関する統合計画」で示されたロウワー・プラザ住宅地区の早期返還につきましては、国に強く求めてまいります。
 基地返還跡地である現在の沖縄市サッカー場の環境汚染対策につきましては、沖縄防衛局や沖縄県、市の三者が緊密に連携を図りながら取り組んだ結果、場内の汚染土壌等の除染・除去作業も最終段階に至っております。 市サッカー場の土地につきましては、コザ運動公園全体の機能向上や(仮称)沖縄市多目的アリーナ等をはじめとする地域活性化に向けた拠点整備の一環として駐車場へと整備を進めてまいります。 市サッカー場の代替地につきましては、今後も引き続き検討するものとし、サッカー関係者への支援策を講じてまいりたいと考えております。
 基地から派生する事件・事故の未然防止や日米地位協定の抜本的な見直しにつきましては、三連協や軍転協等の関係機関と連携し、日米両政府に強く求めてまいります。
 14万人余の人口を有するこのまちを中部の要として、滞在型観光の推進や雇用の創出、子育て支援および人材育成、福祉の充実など、市民一人ひとりがいきいきと輝き、希望を未来へとつないでいけるまちづくりに更なるスピード感を持って邁進してまいります。
 今日まで積み重ねてきた歴史や多彩な文化、このまちを愛し情熱にあふれる市民の力を支えとして、「活力あふれる、市民が夢と希望を持てる沖縄市」の実現へ全力で取り組んでまいります。
 以上、私の市政運営に対する基本的な考えを述べさせていただきました。議員の皆さま並びに市民の皆さまの一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

重点的な施策の概要「地域の活性化と雇用の創出」

 スポーツコンベンションの推進および大型イベントの開催など、交流・地域振興の拠点となる(仮称)沖縄市多目的アリーナの実施設計に引き続き取り組み、アリーナ建設に向けた環境整備を進めてまいります。
 また、モータースポーツの魅力や認知度の向上を図るため、関係団体等と連携し、コザモータースポーツフェスティバルを開催するとともに、(仮称)沖縄サーキット建設の実現に向け段階的に取り組んでまいります。
 スポーツの振興につきましては、長年、本市で春季キャンプを実施している広島東洋カープや、本市をホームタウンとしているFC琉球および琉球ゴールデンキングスの活動支援や応援の機運を高めるとともに、その他多くのスポーツ合宿や大会等の誘致、受入環境整備など、2020年東京オリンピック・パラリンピックも見据えたスポーツコンベンションを推進いたします。
 エイサーのまち宣言10周年を記念し、エイサーイベントや企画写真展などの開催をとおして、エイサーのまち沖縄市を広く発信するとともに、沖縄全島エイサーまつりをはじめ、市内で開催されるエイサーイベントを支援いたします。
 また、エイサーの保存・継承および観光への活用を図る拠点として(仮称)青年エイサー会館を開設いたします。 観光の振興につきましては、本市の魅力を発信する観光ポータルサイト「KOZA WEB」等の充実を図り、各種メディアの活用や観光情報誌の発刊など、さまざまな機会や媒体をとおした情報発信に取り組むとともに、近隣市町村等との連携によるクルーズ船誘致など、国内外からの観光誘客を推進いたします。
 音楽によるまちづくりにつきましては、ミュージックタウン音市場を中心に、「おきなわ音楽月間」をはじめとした各種音楽イベントを開催するとともに、音楽資料館「おんがく村」における本市の豊富な音楽・芸能資源の企画展示や情報発信等による賑わい創出に取り組んでまいります。
 また、市民の企画する音楽イベント等を支援し、音楽を活用した地域活性化に引き続き取り組んでまいります。
 中心市街地につきましては、賑わいと良好な生活空間の創出を図るため、中心市街地活性化基本計画に位置付けた関連事業を推進してまいります。
 中心市街地循環バスの山里地域へのルート拡充の検討を進め、中心市街地内の更なる回遊性や生活利便性の向上を図るほか、定住人口の定着に向け、住宅の更新に対する一部支援をおこないます。
 山里第一地区第一種市街地再開発事業につきましては、組合施行による施設建築物等の工事完了に向け、良好な居住空間と賑わいの創出支援に取り組んでまいります。
 安慶田地区土地区画整理事業につきましては、1工区および2工区の物件移転補償、道路整備等を実施するとともに、3工区の仮換地指定に向けた取り組みを進めてまいります。
 中の町地区土地区画整理事業につきましては、仮換地指定に向けて換地設計の作成に取り組んでまいります。
 国道330号沿線につきましては、国や地域等との連携により拡幅に向け取り組むとともに、胡屋十字路周辺地区のまちづくりと連動した土地利用の検討を進めてまいります。
 また、中心市街地の回遊性を高めるため、沖縄こどもの国周辺や総合グランド通り線の快適な歩行空間の整備に取り組んでまいります。
 商店街の活性化につきましては、老朽化した店舗のリフォーム等を支援し空き店舗の減少を図るとともに、近隣駐車場の利用を支援することにより商店街への集客を促進してまいります。
 商店街や通り会をはじめ、市内で事業を営む方々が、主体的かつ自由な発想で知恵を形にする提案に対し、新たな支援をおこなってまいります。
 中小企業の振興につきましては、中小企業者のニーズに応じた講座等の開催による人材育成を支援してまいります。
 また、住環境の向上と市内住宅関連産業の活性化を促進するため、市民が居住する住宅のリフォームを支援いたします。 企業誘致の推進につきましては、雇用効果の高い業種や多様な働き方の創出等に資する企業の誘致活動に取り組み、市民雇用に対する優遇措置等の支援を実施いたします。
 東部海浜開発事業につきましては、景観計画の策定やスポーツ医科学に関する機能の誘致を検討するとともに、PRイベントによる事業の周知や東部地域の活性化に取り組んでまいります。
 また、国による埋立事業の一部竣工に伴い、新たに生じる土地の町名選定等に向け取り組んでまいります。
 雇用対策につきましては、創業およびスタートアップの推進、ICT技術の普及や人材育成などをワンストップで支援する 「スタートアップカフェコザ」の充実強化を図ってまいります。
 また、沖縄市就労支援センターにおける一般求職者や障がい者に対する就労相談や情報提供、高校生を含む若年者に対するキャリア形成の支援をおこなってまいります。
 ものづくり産業の振興につきましては、国の伝統的工芸品である知花花織の担い手育成や各種工芸品の販路拡大を促進し、引き続き拠点施設の整備に向け取り組むとともに、本市を取り巻くものづくりの動向を踏まえ、新たなものづくり産業を推進いたします。
 また、沖縄市産業まつりの開催を支援し、生産者の意欲の高揚と市民の市産品に対する意識の啓発を図ってまいります。
 農業の振興につきましては、(仮称)農産業活性化計画の策定に着手するとともに、農業委員および農地利用最適化推進委員と連携し、地域の中心となる農業者への農地集積と新たな農業の担い手の確保・育成等に取り組んでまいります。
 また、優良種の母牛導入など畜産業の生産支援をおこなってまいります。
 水産業の振興につきましては、サンゴ群生地の育成やシャコ貝・ウニの種苗放流を支援することにより、漁場環境および水産資源の保全・回復を図ってまいります。

「子育て支援と人材育成の充実」

 待機児童の解消につきましては、私立保育所の定員増や新規園の開設、地域型保育事業所の設置、さらに認可外保育施設の認可化移行等により定員数の拡大を図ってまいります。
 質の高い保育サービスの提供に向けては、私立保育所における年次有給休暇取得時の代替保育士の配置などを支援し、保育士の負担軽減を図ってまいります。
 発達の気になる子や療育を必要とする子に対し、切れ目のない支援ができるよう、(仮称)沖縄市こどもの発達支援に関する指針の策定に向け取り組んでまいります。
 こども医療費助成につきましては、こどもたちの健やかな成長や子育て世帯の負担軽減を図るため、小学校3年生までの通院医療費と中学校卒業までの入院医療費を助成いたします。
 母子保健の推進につきましては、妊娠期や出産・子育てに関しての不安や負担感に対する相談への対応、家庭訪問による状況把握および育児支援等に取り組み、ニーズに応じた情報や適切なサービスの提供につなげてまいります。
 ひとり親家庭に対しましては、経済的自立の促進を図るため、安定した就労に結びつく資格取得等を支援してまいります。
 また、認可外保育施設を利用しているひとり親家庭に対し、利用料の補助をおこない、保護者の負担軽減に努めてまいります。
 女性の社会進出や男女がともに活躍できる社会づくりを促進するため、第2次沖縄市男女共同参画計画ひと・きらめきプランの中間見直しをおこなうとともに、きらめきフェスタやパネル展、啓発紙の発行および各種講座の開催などを実施いたします。
 幼稚園教育の充実につきましては、新たに安慶田幼稚園および島袋幼稚園で給食を開始するとともに、中の町幼稚園、宮里幼稚園において、給食導入に向けた施設整備をおこないます。
 また、保幼小連携の取り組みをはじめ、幼児教育における基本的な考え方を示す(仮称)幼児教育プログラムを策定いたします。
 学校給食につきましては、第2調理場改築に向け引き続き整備に取り組むとともに、多子世帯の経済的負担の軽減を図るため、同一世帯の3人目以降の児童生徒に対する学校給食費を支援いたします。
 教育環境の整備につきましては、安慶田幼稚園の園舎の耐震化に向けた設計等をおこなうとともに、高原小学校および美東中学校の校舎新増改築工事、島袋小学校の旧校舎解体や外構工事、美東小学校の校舎新増改築にかかる実施設計や屋内運動場の整備工事、越来小学校校舎の耐震化に向けた基本計画の策定を実施いたします。
 学校の老朽化した空調設備等につきましては、改修計画を策定し、計画的な施設整備をおこなってまいります。
 学力向上の推進につきましては、学習につまずきのある中学生を対象とした放課後の学習支援、小学校への学習支援員などの配置により、学力の底上げを支援してまいります。
 海外短期ホームステイへの派遣、外国語指導助手の配置をとおして、異文化への理解や国際性豊かなコミュニケーション能力などの育成を図ります。
 児童生徒への支援といたしましては、不登校や学習に困り感のある子への個別の登校支援や学習支援、教育相談活動等の実施、適応指導教室「すだち」における学校復帰に向けた支援をおこなってまいります。
 特別な支援を必要とする児童生徒に対しましては、特別支援教育補助者等を配置し、安全な学校生活を支援してまいります。
 こどもの居場所づくりにつきましては、(仮称)宮里中学校区児童館の整備工事を実施するとともに、こどもの居場所運営支援団体を支援してまいります。
 放課後児童クラブにつきましては、(仮称)山内小学校内公設放課後児童クラブの供用を開始するとともに、(仮称)美東小学校内公設放課後児童クラブの整備工事を実施いたします。
 また、民設放課後児童クラブを支援するとともに、ひとり親世帯の利用料の軽減を図ってまいります。
 放課後子ども教室につきましては、学校・地域との連携によりこどもたちの安心・安全な居場所づくりを推進してまいります。
 青少年の健全育成につきましては、青少年指導員による巡回指導、青少年教育相談指導員などによる適切な相談・支援等を実施するとともに、中学校卒業から30歳代までを対象とした若者相談窓口において、ニート等で社会生活を送ることが困難な若者を支援してまいります。
 こどもたちが、自分たちの住むまちに関する学習を踏まえ意見を表明する場として沖縄市こども議会を開催し、本市の未来を担う人材の育成を図るとともに、こどもたちの声を市政へ反映してまいります。
 「沖縄こどもの国」につきましては、メインゲート周辺の実施設計およびサイン整備、情報発信の強化等をおこない、国内外から多くの人々が訪れる魅力ある施設整備に取り組んでまいります。
 また、福島県の東北サファリパークから九州、沖縄では初めてとなるホワイトライオンが新たに仲間入りすることになり、県内のこどもたちをはじめ多くの方々に見ていただけるよう、新たなライオン舎の整備を実施いたします。
 国際交流につきましては、コザインターナショナルプラザを拠点として、多言語による相談・支援や語学講座、交流事業などを実施するとともに、外国籍市民等への情報提供に努めてまいります。
 また、海外移住者子弟研修生の受け入れや海外姉妹都市レイクウッド市への留学支援、国際交流協会の支援など、人材育成に取り組んでまいります。
 国内交流につきましては、兄弟・姉妹都市や友好都市をはじめ、県内外における市町村との間で、市民が主体となった交流事業や連携した取り組みが展開できるよう、周知と支援をおこなってまいります。

「健康増進と福祉の充実」

 高齢者の福祉につきましては、「第6次沖縄市高齢者がんじゅう計画」を策定し、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるよう、包括的なサービス提供体制の構築に向け取り組んでまいります。
 新たに7ヶ所の地域型の地域包括支援センターを設置するとともに、生活支援コーディネーターの養成や住民主体の介護予防活動の場を充実してまいります。
 障がい者の福祉につきましては、障害福祉施策の方向性等を検討し計画的に推進するため「第4次沖縄市障がい者プラン」を改訂いたします。
 また、地域における支援の要である障がい者基幹相談支援センターを中心とした関係機関のネットワーク強化を図り、障がい者福祉の推進に取り組んでまいります。
 人権の啓発につきましては、小学生を対象とした「人権の花」運動を実施するとともに、人権侵害の早期発見や迅速な対応ができるよう、市民に身近な特設人権相談所や人権教育の開催、障がい者や認知症高齢者などの権利を守る成年後見人制度の普及を促進してまいります。
 生活困窮者等の支援につきましては、中学生への学習支援を拡充するとともに、引き続き沖縄市就職・生活支援パーソナルサポートセンターにおいて、生活に困窮している市民に対する住居の確保や相談など、生活保護受給に至る前段階での自立を支援してまいります。
 また、生活保護につきましては、要保護者の個々の状況に応じた適正保護の実施および自立支援をおこなってまいります。
 消費者行政につきましては、消費生活に関する問題や悩みを抱える市民が安心して相談できるよう、沖縄市消費生活センターの充実を図るとともに、消費者月間や出前講座など市民に対する意識啓発および消費者教育に継続的に取り組んでまいります。
 市民の健康づくりにつきましては、実践活動としてのウォーキング大会や調理実習、啓発活動としての健康講演会などを開催するとともに、新たに健康づくりポイント制度を導入し、健康づくり活動の促進および意識向上を図ってまいります。
 また、特定健康診査の受診を勧奨し、特定保健指導や糖尿病対策に向けた個別指導、健康教育など個々の状況に応じた生活習慣病の発症予防および重症化予防対策に取り組んでまいります。
 感染症の予防および蔓延防止に向けては、こどもの予防接種の勧奨および高齢者インフルエンザ等の予防接種の周知に引き続き努めてまいります。
 国民健康保険事業につきましては、保険料の収納率の向上や医療費の適正化に努め、安定運営に取り組んでまいります。
 後期高齢者医療につきましては、健康診査等の受診勧奨をはじめ、はり、きゅう、あん摩マッサージの施術費用および葬祭費の支援をおこなってまいります。
 公益性の高い公的病院等を支援し、地域において必要とされる救急や小児医療など、本市における保健・福祉の充実を図ってまいります。

「平和と文化の発信」

 平和行政につきましては、ギネス記録に挑戦する市民参加型折り鶴プロジェクトをはじめ、広島市と共催する原爆展やおきなわピースサミットin沖縄市などを開催するとともに、平和イメージキャラクター「キューナ」および平和大使の活用により、平和を広く発信してまいります。
 沖縄市戦後文化資料展示室ヒストリートにつきましては、移転を機会に、より充実した展示をおこない、本市に関する新聞記事や映像資料、そのほか貴重な展示品を保存・公開し、更なる観光客等の誘客に努め、歴史学習の場として戦後文化情報の発信に取り組んでまいります。
 文化の振興につきましては、おきなわ芸能フェスティバルをはじめ、市民が主体的に参加する吹奏楽フェスティバルや文化活動を促進するとともに、文化芸術の発信拠点となる沖縄市民小劇場あしびなーの施設設備の更新をおこなってまいります。
 新図書館につきましては、地域の歴史や文化、産業などに関わる郷土資料やビジネス書等の図書資料の充実を図り、知の拠点として市民の学習活動を支援するとともに、地域等と連携した企画展の開催などによる交流空間づくりや、雑誌スポンサー制度等の取り組みをすすめ、市民に親しまれる図書館づくりに努めてまいります。
 生涯学習につきましては、生涯学習フェスティバルや出前講座等をとおして生涯学習の推進に取り組むとともに、青年会など社会教育団体の活動を支援してまいります。
 市民スポーツの推進につきましては、市民待望の(仮称)沖縄市多目的広場の供用開始および陸上競技場の改修により、沖縄市立総合運動場の充実を図り、高校野球や少年野球大会のほか、市民が楽しく参加できるスポーツイベントを開催いたします。
 地域コミュニティの活性化に向けては、自治会加入促進協議会を中心に自治会への加入促進に取り組み、自治会活動に必要な備品整備やものづくり活動など、自治会の組織強化に向けた支援をおこなってまいります。
 また、高原地区および宮里地区の学習等供用施設の改修、東自治公民館の建設を支援いたします。

「都市基盤の整備と環境との調和」

 防災対策につきましては、災害用備蓄倉庫の設置および備蓄物資の更新、自主防災組織の結成促進や活動支援のほか、防災行政無線など通信設備の充実を図るとともに、津波等の災害に備え、比屋根地区および桃原地区における里道を活用した緊急避難通路を整備いたします。
 消防・救急体制につきましては、老朽化した高規格救急自動車の更新および応急手当講習会を開催し、市民の自主救護能力の向上に取り組んでまいります。
 また、消防団員の防災啓発活動をとおして、市民の防災意識の高揚と消防団員の加入促進を図ってまいります。
 防犯対策につきましては、保安灯の新設や改修、LED化により、防犯環境づくりを推進するとともに、自治会の負担する保安灯電気料金を支援いたします。
 また、関係団体と連携し地域の防犯パトロールを促進するなど、防犯体制の充実に取り組んでまいります。
 住環境の整備につきましては、安慶田市営住宅の第3期工事および泡瀬市営住宅の第1期工事を実施するとともに、登川市営住宅および久保田市営住宅の長寿命化に向けた補修工事等を実施いたします。
 美里第二土地区画整理事業につきましては、地区内の物件移転補償を積極的に取り組み、区画道路等の整備を進めてまいります。
 公共下水道事業につきましては、大里・山里地区等の整備に向け取り組むとともに、上地地区や知花第二ポンプ場の管路や設備の改築をおこなってまいります。
 浸水対策につきましては、知花地区等における整備を進めてまいります。
 高原、与儀、比屋根地域における生活環境の改善に向けては、戦後、米国企業マニング社の管理下にあった汚水管への排水処理状況の調査を進め、未接続世帯に対し公共下水道への接続を促進してまいります。
 循環型社会の構築を図るため、指定ごみ袋の料金改定やごみ分別の周知活動等により、ごみ減量化と資源化・再利用を促進し、排出抑制に取り組んでまいります。
 また、市民の利便性向上のため、指定ごみ袋の形状変更をおこなうとともに、ごみ収集方法の改善に努めてまいります。
 本市北部地区につきましては、保安灯の整備による夜間の安全対策をはじめ、馬場都市緑地の整備工事による遊戯施設の機能向上を図るとともに、交通渋滞の緩和や歩行者の安全対策に向けた、市道登川38号線の予備設計をおこなってまいります。
 また、地下水分析等による環境影響調査を実施し、産業廃棄物処理施設に起因する環境負荷の程度を把握し、安全な地域環境の保全を図ってまいります。
 公園整備につきましては、コザ運動公園内駐車場整備に向けた基礎調査等を実施するとともに、宮里第一公園、海中道路跡都市緑地の整備工事、公園遊具の長寿命化対策をすすめてまいります。
 緑化推進につきましては、市民の緑化意識の高揚および緑の創出・保全を図るため、花いっぱい推進運動を展開するとともに、コザ運動公園の壁面緑化パネル整備を実施してまいります。
 道路整備につきましては、東南植物楽園線の道路改良工事および諸見里山里線の詳細設計、安慶田中線の整備工事や物件移転補償等をおこなってまいります。
 キャンプ瑞慶覧地区につきましては、返還後の円滑な土地利用を見据え、ロウワー・プラザ住宅地区における公有地の先行取得をすすめてまいります。
 火葬場につきましては、沖縄市火葬場基本構想に基づき、計画的な整備に向けた基本計画の策定に取り組んでまいります。
 本市の自然や文化的条件等に配慮し、将来にわたって持続可能な土地利用の方向性を示す、第5次沖縄市国土利用計画を策定いたします。
 以上、平成29年度の重点的な施策の概要を申し上げました。
 これらの施策をはじめとする諸事業を推進するために、平成29年度の予算編成にあたっては、一般会計において69,117,000千円、 特別会計において35,579,538千円、企業会計において4,583,806千円の規模となっております。
 国は、「経済再生なくして財政健全化なし」を基本に、経済  再生と財政健全化の双方を一体として実現するため、経済・財政再生計画を策定し、当初3年間を集中改革期間と位置付け、改革項目の見える化を徹底・拡大し、地方においても国の取り組みと基調を合わせた見直しを進めることとしております。
 本市においても、扶助費等の伸びにより厳しい財政状況に直面する見通しとなっており、行財政改革の着実な実施および自主財源の確保に努めるなど、持続可能な行財政基盤の構築を図る一方で、多様化する課題への対応や市民ニーズに即した施策を推進することも重要であり、その両立に向けた財政運営が求められております。
 施策の実施にあたっては、限られた財政状況を踏まえ、効率的・効果的に展開してまいります。
 ふるさと沖縄市応援寄附金につきましては、更なる充実に取り組み、本市の特産品やまちの魅力を広く発信するとともに、自主財源の確保に努めてまいります。
 民間人材を活用し、企業で培われた人脈やノウハウを地域独自の魅力や価値の向上につなげられるよう取り組んでまいります。
 市民課窓口業務等の外部委託、住民票の写しや戸籍証明など各種証明書のコンビニ交付サービス、市営住宅の指定管理者制度の導入により、更なる市民サービスの向上に取り組んでまいります。
 昨年開催いたしましたタウンミーティングにおいて、直接、市民の皆さまからいただきました貴重なご意見・ご提案につきましては、市政運営に反映し積極的に取り組んでまいります。
 今後も、あらゆる機会で市民の皆さまの声を伺いながら、市民の誇れるまちづくりを推進してまいります。
 主要プロジェクトをはじめ、くわえビジョンに掲げたひとつひとつの施策を着実に進め、「活力あふれる、市民が夢と希望の持てる沖縄市」の実現に向け、情熱的に挑戦し続けるとともに、職員力を最大限に発揮し、ともに邁進していく所存であります。
 議員の皆さま並びに市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。

平成29年2月17日
沖縄市長 桑江 朝千夫

※施政方針の全文は、市公式ウェブサイト「市長の部屋(平成29 年度施政方針)」にも掲載しています。

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