活力あふれる沖縄市

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 昨年7月に本市の人口は14万人を超え、本年はまちのさらなる活力の創出に向け、様々な施策についてスピード感を持って前に進めていく年となります。
 県では、好調な入域観光客数の増加や有効求人倍率の上昇に伴い、景気が拡大していると言われる中、本市としても市民の情熱とエネルギーを結集し、観光産業などの推進や安心して子育てできる魅力あるまちづくりを進めてまいります。

 『地域の活性化と雇用の創出』、『子育て支援と人材育成の充実』、『健康増進と福祉の充実』、『平和と文化の発信』、『都市基盤の整備と環境との調和』を重点的な施策の柱として、「活力あふれる沖縄市」の実現に向け邁進する。

 平成28年度における市の予算は、総額で1082億6304万3千円となっております。
 沖縄市議会2月定例会において、桑江市長より平成28年度 施政方針が発表されました。今月号は、そのあらましを紹介します。

平成28年度 施政方針(概要)

 多くの市民の皆さまのご信託を賜り、沖縄市長に就任いたしましてから、まもなく2年を迎えようとしております。
 私は、この間、これまで課題となっておりました山里第一地区市街地再開発、市民待望の新図書館整備、中心市街地活性化に寄与する国道330号の拡幅、こども医療費助成の対象年齢の拡充など、市民からの切実な声にしっかりと向き合い、着実に進めてまいりました。
 市政を運営するにあたり、私が最も大事にしてきたことは、市民の皆さまと直に対話し、丁寧に話を聴くことであり、自治会や関係団体の皆さまの集う各種懇談会等に積極的に参加してまいりました。
 私は、さまざまな場面をとおして、市民の皆さまのまちの活性化への期待や将来の沖縄市を担う人材育成に対する熱い思い、また、社会的弱者に寄り添い支援していくことの重要さを改めて痛感しているところでございます。
 私が基本姿勢としております「活力あふれる、市民が夢と希望のもてるまちづくり」につきましては、市民の皆さまからの多くのご支援をいただいているところであり、さらなるまちの活力の創出に向け、さまざまな施策についてスピード感をもって前に進めていかなければならないという使命感を胸に取り組んでまいります。
 また、全国的に人口減少が社会問題になる中、昨年7月に人口14万人に達しましたことは、こどもたちの健やかな成長を温かく見守り、懸命にまちづくりに取り組んでいただいております皆さまのご尽力の賜物であり、心より感謝を申し上げます。
 これからも未来を担うこどもたちと共に、力強く成長していくことを決意する年となりました。
 さて、我が国の景気は、アジア新興国等の景気の下振れによる金融資本市場の変動の影響に留意する必要がありますが、雇用・所得環境の改善傾向が続くなか、穏やかな回復基調が続き、消費者物価は緩やかに上昇していると言われております。
 政府としては、経済成長、少子高齢化、被災地復興などの懸案事項に取り組み、経済再生と財政健全化の双方を同時に実現していくことをめざしています。
 そのため、揺るぎない「経済の好循環」に向け、イノベーション・ベンチャーの創出やアジアをはじめとする成長市場への挑戦を含む未来投資による生産性革命、また、地域金融機関等による経営支援や観光産業の基幹産業化を含むローカルアベノミクスの推進を掲げております。
 沖縄の経済につきましては、航空路線の拡充、クルーズ船の寄港数の増加による入域観光客数の好調さや、主要ホテルの客室稼働率の高さなどが示すとおり、観光関連は前年を上回って推移しており、建設関連については新設住宅着工数の増加、雇用情勢については有効求人倍率が好調に推移していることから、景気は拡大していると言われております。
 沖縄県としては、観光リゾート産業や情報通信関連産業などの拡充・強化、国際物流拠点の形成など、沖縄の地域特性を活かした経済発展施策を展開するとしています。
 また、それぞれの地域特性を踏まえながら、格差社会などの解決に取り組み、少子高齢化社会を見据えた健康・医療・福祉政策や教育施策を実施することとしております。
 このような社会情勢の中、本市においても、まちに活性化の兆しが感じられており、若者や働き盛り世代の雇用の確保、安心して子育てできる魅力あるまちづくりに向け、国内外を問わず、人材と資金を呼び込めるような観光産業等の推進や企業誘致活動を展開する必要があります。
 また、那覇空港第二滑走路や中城湾港の整備拡充を見据え、クルーズ船寄港のチャンスを最大限に活用し、成長著しいアジアの消費需要の拡大を取り込むなど、物流産業や観光産業の活性化に向けた、海外との交易や交流なども重要になってまいります。
 私は、若者の自由な発想力、地域住民の行動力、先人から受け継がれた経験と知恵、そして何よりも、このまちを愛するすべての市民の情熱とエネルギーを結集し、活力あふれるまちづくりを進めてまいります。
 このまちが中部圏域における交通の要衝であり、多様な芸能文化を持ち、個性あふれる豊富な人材がいることなど、本市の強みや個性を活かしたまちづくりをおこなうことで、需要を創出し投資や雇用を生み出し、沖縄経済を牽引する中部圏域のリーダーとして臆することなく、大胆に勇往邁進し、未来を切り開いていこうではありませんか。
 県内唯一の本格的動物園 沖縄こどもの国は、こどもたちの知恵・感性・想像力を育む児童青少年の健全育成拠点として、動物とのふれあいや水と緑あふれる自然環境を活かした展示演出をおこなうとともに、施設のエリア拡充に向け取り組んでまいります。
 亜熱帯の地域特性や島嶼性を活かし、国内外から多くの人々が訪れる全国的にもユニークな施設へと整備してまいります。
 東部海浜開発事業につきましては、待ち望んでいた埋立事業の完成が間近になる中、約1㎞にもおよぶ人工ビーチが姿を見せはじめており、新たな憩いと交流の場としての期待が高まっております。
 今後、公共施設の整備に向けた取り組みをすすめ、県内外はもとより、海外のアスリートが集うスポーツの一大拠点の形成や、スポーツ・健康を核とし観光客を呼び込める医療・保養、宿泊などの施設や商業施設を展開する滞在型リゾートとして、地域の活性化と雇用の創出、賑わいとうるおいの創出など、活力あるまちづくりに向け取り組んでまいります。
 リーディング産業である観光産業の拡充・強化につきましては、滞在型観光を強力に進めるとともに、国内外からの宿泊施設等の誘致に取り組んでまいります。
 また、近隣市町村と連携した受け入れ態勢を充実させ、中城湾港新港地区におけるクルーズ船誘致に力をいれていくとともに、さらなる大型船が寄港できるよう港湾整備について国および県に強く求めてまいります。
 (仮称)沖縄市多目的アリーナにつきましては、スポーツ興行を中心とした「観せる」施設、コンサートやコンベンションなどを開催する「使いやすい」施設として、これまで県内には無かった空間を提供できる施設をめざすとともに、滞在型観光の推進と地域経済の活性化に寄与する施設として、国内外からも注目される本市のランドマークとして整備してまいります。
 サーキットの整備につきましては、滞在型観光の推進や雇用の創出につながる施策として、調査・検討を進めながら、モータースポーツの振興に向けた環境を整備してまいります。
 企業誘致の推進につきましては、池武当交差点付近への追加インターチェンジ設置に向けた検討をすすめ、内陸部準工業地域における環境整備に取り組んでまいります。
 多様な芸能・芸術文化活動が盛んな本市において、誇るべき伝統文化の一つであるエイサーは、次世代へ継承する貴重な財産であり、さらなる振興の拠点として、(仮称)青年エイサー会館を整備してまいります。
 また、これらの取り組みを効果的に推進するため、文化や芸能のさらなる振興に向けた「文化芸能課」、滞在型観光を強力に取り組む「観光振興課」を新設し、市内経済の活性化および雇用の創出につながる企業誘致を積極的に進めるため、雇用対策課を「企業誘致課」として強化いたします。
 中心市街地の活性化につきましては、認定取得を目指している次期中心市街地活性化基本計画にもとづき、引き続き、山里第一地区の再開発、中の町の土地区画整理、国道330号沿線の拡幅に伴う沿道のまちづくり、新図書館の整備など関連事業をすすめてまいります。
 中心市街地はまちの顔とされることから、ごみも違法駐車も無い、生活者にも来街者にとっても、心地よいまちとするため、まちの美化に取り組んでまいります。
 こども・子育てに関しましては、子育て負担の軽減を図り、安心してこどもを健やかに育てることができるよう、就学前まで拡充したこども医療費助成の通院医療費の対象年齢を、さらに小学校3年生まで拡充するとともに、待機児童の解消に向け、認可保育所の定員拡大等に取り組んでまいります。
 また、幼稚園教育の一環として、健康な心と体を育む食育を推進するため、幼稚園給食の導入を進めてまいります。
 こどもの学力向上の推進については、将来を担う人材育成のための重要な施策であり、きめ細やかな指導とわかる授業の充実を図り、確かな学力の育成に取り組んでまいります。
 すべてのこどもたちが夢と希望をもって成長していける社会の実現を目指し、こどもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることなく、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、教育の支援、生活の支援、就労の支援など、こどもの貧困対策を総合的に推進してまいります。
 基地政策につきましては、基地跡地である沖縄市サッカー場の環境汚染対策について、国や県としっかりと連携し、市民の皆さまが一日でも早く安心していただけるよう、良好な環境保全の確保に努めてまいります。
 また、嘉手納より南の統合計画については、ロウワー・プラザ住宅地区の早期返還を求める一方で、移設につきましては、「基地の整理・縮小」という現実的な課題に向き合いながらも、基地を抱える本市の発展も視野に入れつつ、地権者や地域の皆さま並びに市議会や関係機関の皆さまのご意見も伺いながら、熟慮し判断してまいりたいと考えております。
 基地から派生する事件・事故の未然防止や日米地位協定の抜本的な見直しについては、三連協や軍転協等の関係機関と連携しながら日米両政府に求めてまいります。
 私は、14万人都市の首長として、今後もその責任の重さをしっかりと自覚しながら、市民の皆さまが、このまちを誇りに思い、夢と希望をもてる「活力あふれる沖縄市」の実現へ、職員と一丸となって全力を尽くしてまいります。

平成28年度の重点的な施策

地域の活性化と雇用の創出

 活力あふれるまちづくりを進めるため、地域資源の活用と魅力の向上を図り、観光関連産業等の振興による雇用の拡大および地域活性化に取り組んでまいります。

 滞在型観光の推進による賑わいの創出を図るため、(仮称)沖縄市多目的アリーナの実施設計をおこない、市内最大の観光誘客施設として整備をすすめてまいります。
 本格的なモータースポーツの拠点となる(仮称)沖縄サーキットの整備に向けては、基本構想を策定するとともに、モータースポーツの振興による地域活性化をめざすコザモータースポーツフェスティバルを開催いたします。
 観光の振興につきましては、沖縄市観光戦略プランの次期計画を策定するとともに、まちの魅力を広くPRする観光ポータルサイト「KOZA WEB」を活用した多彩なイベントや観光情報の発信、プロモーション活動の充実および観光基盤の整備により誘客の拡大を図ってまいります。
 エイサーのまちの推進につきましては、(仮称)青年エイサー会館の開設をすすめ、本市の誇れる伝統芸能として発信するとともに、地域における活動を支援し、保存・継承を促進してまいります。
 エイサーの振興と魅力の発信に向けては、沖縄全島エイサーまつりやエイサーナイトの開催およびエイサー団体の県内外への派遣を支援してまいります。
 こどもたちの夢を育み、観光誘客が期待されるスポーツ観光の推進につきましては、本市をホームタウンとするFC琉球や琉球ゴールデンキングス、春季キャンプを実施している広島東洋カープなど、プロスポーツ応援の機運醸成や活動支援に取り組んでまいります。
 また、(仮称)沖縄市多目的広場の建設工事を実施するとともに、スポーツ合宿や各種スポーツ大会の誘致に向け、コザ運動公園内の施設備品の充実を図るなど、スポーツコンベンションシティを推進いたします。
 音楽によるまちづくりにつきましては、ミュージックタウン音市場や市内ライブハウス等と連携し、新たに期間を拡大した音楽イベントを「(仮称)沖縄市音楽月間」と位置づけ、さらなる賑わいの創出を推進してまいります。
 ライブハウス等を活用した各種音楽イベントの開催、沖縄市音楽資料館 おんがく村を拠点として、音楽・芸能資源を活用した情報を発信するなど、市民や関係団体と連携し取り組んでまいります。
 中心市街地につきましては、特定商業集積施設コリンザを雇用促進施設や図書館として再整備をおこなってまいります。
 また、中心市街地における賑わいを創出するプロムナードコンサートやNPOなどの市民活動を支援するほか、中心市街地循環バスによる回遊性や利便性の向上を図ってまいります。

 山里第一地区市街地再開発事業につきましては、既存建物の除去工事や施設建築物の工事に着手してまいります。
 安慶田地区土地区画整理事業につきましては、二工区の仮換地指定に向け取り組むとともに、用地取得および物件移転補償等をすすめてまいります。
 中の町地区土地区画整理事業につきましては、換地設計作成に向けた換地設計基準および土地評価基準の作成等をおこなってまいります。
 国道330号の拡幅につきましては、国や県等との連携による取り組みを推進するとともに、胡屋十字路から胡屋北交差点における沿線におきましては、胡屋地区商店街まちづくりビジョンの検証等をおこなうとともに、土地利用の可能性調査を踏まえた沿道まちづくりをすすめてまいります。
 商店街等の活性化につきましては、魅力的な商業空間の形成に向け、店舗の改修費用等を支援するとともに、商店街等が取り組む駐車場の利用促進や、賑わい創出をめざすイベントなどを支援し誘客拡大を図ってまいります。
 中小企業の振興につきましては、従業員の技術力等の向上、米軍発注業務への参入など、企業の活力の源となる人材育成を支援するとともに、関係機関等との連携により創業支援を推進いたします。
 また、市内の施工業者を利用した住宅リフォームを支援することにより、住宅関連産業を中心とした地域経済の活性化を図ってまいります。
 企業誘致の推進につきましては、市民雇用や民間施設の賃借にかかる費用の支援など優遇措置をおこなうとともに、積極的な誘致活動を実施してまいります。
 雇用対策につきましては、沖縄市就労支援センターにおけるきめ細やかな就労支援をはじめ、若年者の就業意識の向上や産学官との連携による人材育成などに取り組んでまいります。
 また、市内情報通信産業関連施設の将来的な整備に向けた基礎調査をおこなってまいります。
 ものづくり産業の振興につきましては、知花花織などの伝統工芸の担い手育成や工芸品等の販路拡大および販売促進等を支援するとともに、拠点施設の整備に向け取り組んでまいります。
 市内の優れた商品を地域ブランドとして認定し発信することにより、ものづくり産業の活性化および地域イメージの向上を図ってまいります。
 中城湾港新港地区における定期船就航による物流促進、立地企業や地域の活性化を図るため、県や関係機関との連携による支援をおこなってまいります。
 東部海浜開発につきましては、人工島の魅力向上に向け景観基本方針を策定するとともに、事業の周知および東部地域の活性化に取り組んでまいります。
 農業の振興につきましては、地域農業の中心となる担い手の確保・育成や遊休農地の解消等を図るため、「沖縄市 人・農地プラン」を推進するとともに、生産の安定化に向けた施設整備等を支援いたします。
 また、畜産経営の安定化に向け、素牛導入や子牛生産を支援するとともに、家畜伝染病の発生防止に向けても支援してまいります。
 水産業の振興につきましては、漁業者の安全操業や経営安定化に向けて支援するとともに、漁場環境の保全・回復への取り組みを促進いたします。

子育て支援と人材育成の充実

 こどもたちの健やかな育ちを支えるため、子育て支援の充実や楽しく学べる教育環境の整備、安全な居場所づくりと青少年の健全育成に取り組んでまいります。

 こども医療費助成につきましては、通院医療費の助成対象年齢を小学校3年生まで拡充し、中学生までの入院医療費の助成とあわせて、子育て世帯の負担軽減やこどもたちの健やかな成長を支援してまいります。
 ひとり親家庭の支援につきましては、児童扶養手当等の給付金や就職に有利な資格取得等を支援し、生活の安定と自立を促進するとともに、認可外保育施設に入所する児童に係る保育料の負担軽減を図ってまいります。
 母子保健の推進につきましては、育児不安や子育てに対する負担感など複雑多岐にわたる相談への対応や情報提供、家庭訪問による状況把握、育児支援等に取り組み、適切なサービスの提供につなげてまいります。
 発達の気になる子や療育を必要とする子の早期発見・早期支援に努め、親子の愛着形成や発達段階に応じた切れ目のない支援に取り組んでまいります。
 待機児童の解消につきましては、保育所の定員拡大を図るため、私立保育所の定員増を伴う施設整備および認可外保育施設の認可化移行を支援するとともに、泡瀬保育所の建て替えにかかる実施設計をおこなってまいります。
 子育て支援につきましては、ファミリー・サポート・センターによる育児相互補助などの支援により、子育てしやすい環境づくりに取り組むとともに、市内の保育所等の施設情報をとりまとめた総合サイトを開設し、保護者の利便性の向上を図ってまいります。
 幼稚園教育の充実につきましては、新たに室川幼稚園と山内幼稚園に給食を導入し食育の充実を図るとともに、泡瀬幼稚園の園庭遊具を更新し、安全な教育環境を整備してまいります。
 こどもの居場所づくりにつきましては、(仮称)宮里中学校区児童館の実施設計等をおこなうとともに、地域との連携による出前児童館等の拡充に取り組んでまいります。
 また、関係機関や団体等との連携を図り、居場所を必要とするこどもの状況把握に努め、必要な支援を提供してまいります。
 放課後児童クラブにつきましては、山内小学校内に公設放課後児童クラブの整備工事を実施するとともに、民設放課後児童クラブへの支援に努めてまいります。
 放課後子ども教室につきましては、学校や地域との連携のもと、市内全小学校等において、安全・安心な放課後の居場所づくりを実施してまいります。
 学校給食につきましては、安全な給食が提供できるよう、給食用備品の更新や第二調理場改築にかかる基本設計を実施するとともに、多子世帯の経済的負担の軽減を図るため、同一世帯の3人目以降の児童生徒に対する学校給食費を支援いたします。
 教育環境の整備につきましては、高原小学校、島袋小学校の校舎の改築等および併行防音工事、中の町小学校の屋外運動場整備工事、美東中学校の校舎新増改築工事に向けた実施設計をおこないます。
 島袋小学校の校舎改築に伴う備品整備や、市内全小中学校へ設置しているAEDを更新し、児童生徒等の安心・安全な学校環境を整備してまいります。
 学力の向上につきましては、学びのセーフティネットとして、新たに、市内全中学校において放課後の補習指導等をおこなう学習支援教室を開始するとともに、学習支援コーディネーターを配置し、学習支援員との連携による支援体制の充実を図ってまいります。
 国際理解教育につきましては、市内全小・中学校へ外国語指導助手を配置し、新たに、中学校における夏期講習を実施するとともに、中学生海外短期ホームステイなどをとおして、外国の文化に触れることで、国際化に対応できる人材育成に取り組んでまいります。
 児童生徒への支援につきましては、障がい児など特別な支援が必要な児童生徒に対し、特別支援教育補助者等を配置いたします。
 また、不登校児童生徒や学校生活に困り感のある児童生徒に対し、市内小中学校においてスクールソーシャルワーカーをはじめ、登校や学習等の支援をおこなう学校支援教育補助者、小学校へのスクールカウンセラーおよび中学校への心の教室相談員を配置し支援してまいります。
 心因性の不登校児童生徒に対しましては、適応指導教室「すだち」において、学校復帰に向けた支援をおこなってまいります。
 こどもたちが、自分たちの住むまちや地域の文化に関する学習を踏まえ、社会の成員として自らの意見を表明し、まちづくりに参加する場として、引き続き沖縄市こども議会を開催いたします。
 青少年の健全育成につきましては、若者相談窓口において、ニート等で社会生活を送ることが困難な若者の相談・支援をおこなうとともに、青少年指導員による夜間や登下校時の巡回指導、青少年教育相談指導員などによる相談・支援、体験学習等を実施してまいります。
 「沖縄こどもの国」につきましては、施設の魅力を高めるため、園内サイン等の整備をはじめ、琉球弧エリアの修景整備、獣舎を含む動物エリアの基本設計等を実施いたします。
 また、魅力を伝える情報発信メディアの整備や戦略的な広報計画など、ソフトサービスに関する実施計画を策定いたします。
 国際交流につきましては、第6回世界のウチナーンチュ大会と連動する沖縄市歓迎レセプションを開催し交流の機会を創出するほか、台湾との文化交流をさらに深め、幅広い交流の展開に向けて取り組んでまいります。
 国籍を問わず多様な市民同士が支えあえるまちづくりをすすめるため、国際交流活動の推進およびコザインターナショナルプラザを運営するとともに、次期多文化共生推進計画を策定いたします。
 また、外国籍市民や外国人観光客に対する防災情報の提供や多言語通訳ボランティアなど、国際交流のネットワークを担う国際交流協会を支援してまいります。
 国内交流につきましては、市民をはじめ市内関係団体などの主体的な活動を促進するため、兄弟・姉妹都市等との各種交流をすすめてまいります。

健康増進と福祉の充実

 高齢者や障がい者、生活困窮者など、すべての市民に寄り添う福祉の充実に取り組み、一人ひとりの市民が元気に生活できるよう健康づくりを促進いたします。

 高齢者の福祉につきましては、すべての高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、住民の支えあいの仕組みづくりに取り組むとともに、介護予防と日常生活の自立を支援してまいります。
 障がい者の福祉につきましては、必要な時に適切な支援が受けられるよう、支援体制の要となる障がい者基幹相談支援センターや関係機関との連携を図り、総合的に取り組んでまいります。
 認知症高齢者等の金銭管理など成年後見人制度の普及を図るとともに、人権教室や特設人権相談所の開設支援による人権啓発を促進いたします。
 男女共同参画社会づくりにつきましては、きらめきフェスタをはじめ、啓発紙「きらめき」の発行や各種講座の開催、男女共同参画週間等におけるパネル展などをとおした普及・啓発を推進してまいります。
 生活困窮者等の支援につきましては、沖縄市就職・生活支援パーソナルサポートセンターにおいて、生活に困窮している市民に対し、住居の確保やこどもの学習支援など、生活保護受給に至る前の段階での自立支援をおこなってまいります。
 また、生活保護につきましては、要保護者の状況に応じた適正な保護の実施に取り組んでまいります。
 消費者行政につきましては、市民が安全で安心な消費生活をおくれるよう、複雑化・高度化する消費生活問題に対する相談支援の充実を今後も継続してまいります。
 市民の健康増進につきましては、健康づくりや生活習慣病予防に対する意識向上を図り、一人ひとりが自主的に取り組める活動を促進してまいります。
 また、医療機関における各種がん検診を導入することで、受診の利便性を向上させ、特定健康診査との同時受診を促しながら、病気を未然に防ぐことへの意識啓発を図ってまいります。
 こどもの予防接種や高齢者インフルエンザ予防接種等の接種勧奨により、感染症の予防および蔓延防止に努めてまいります。
 救急や小児医療を実施する市内の公的病院等を支援し、市民への医療供給体制の充実を図ってまいります。
 国民健康保険事業につきましては、安定的な運営に向け、医療費の適正化や、保険料の納付しやすい環境を整え、収納率のさらなる向上に取り組んでまいります。
 後期高齢者医療制度につきましては、高齢者人間ドックの検診料に対する助成を拡充するとともに、はり、きゅう、あん摩マッサージの施術費用や葬祭費等に対する支援を継続してまいります。

平和と文化の発信

 平和であることの尊さを市民と共有し、これまで培ってきた歴史や文化の振興に取り組むとともに、青年会等の若者の活動支援など、地域コミュニティの活性化等に取り組んでまいります。

 平和行政につきましては、戦後70年余りが経過する中で、沖縄戦の悲惨な体験や教訓を風化させることなく、平和の心を未来へ継承していくため、「沖縄市民平和の日」をはじめ、平和大使の広島県等への派遣や平和月間における各種事業、平和学習等を推進してまいります。
 沖縄市戦後文化資料等展示室ヒストリートにつきましては、施設の老朽化等がみられることから、新たな建物への移転・拡充に取り組み、新ヒストリートとして、本市の戦後史や戦後文化情報を発信してまいります。
 文化の振興につきましては、おきなわ芸能フェスティバルや吹奏楽フェスティバルを開催するとともに、文化団体等の活動を支援するなど、市民が芸術文化に触れる機会の創出に取り組んでまいります。
 本市の文化活動等の拠点施設である沖縄市民会館、市民小劇場あしびなーにつきましては、耐震対策や設備改修等を進めてまいります。
 生涯学習の推進につきましては、新図書館の開館に向け、館内設備や図書等を整備するとともに、生涯学習フェスティバル等をとおして、市民の生涯学習活動を促進してまいります。
 また、社会教育の振興や本市の地域づくりにおいて重要な役割を担う青年会活動の充実が図れるよう支援してまいります。
 地域コミュニティの活性化につきましては、自治会加入の促進につながる支援や自治会活動に必要な軽貨物自動車等の購入を支援するとともに、南桃原地区および泡瀬第一地区の学習等供用施設の改修並びに越来自治公民館の建設を支援いたします。

都市基盤の整備と環境との調和

 自然災害等に対応できるよう防災・減災への取り組みを推進するとともに、市民の暮らしを支える都市基盤の整備や快適な空間づくりをすすめてまいります。

 防災対策につきましては、防災行政無線子局のデジタル化や災害用物資、資機材、備蓄倉庫等を整備するとともに、自主防災組織の結成促進および活動支援に取り組んでまいります。
 また、比屋根地区における里道を活用し、災害時の緊急避難通路として整備するなど、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
 消防体制につきましては、水槽付消防ポンプ自動車および水難救助艇等を更新するとともに、応急手当講習会をとおして、市民の救命能力の向上を図ってまいります。
 夜間における市民の安全を確保するため、保安灯の設置およびLED化をすすめ、自治会の負担する保安灯電気料金を支援し、防犯環境づくりを推進してまいります。
 美里第二土地区画整理事業につきましては、物件移転補償や区画道路工事等を実施いたします。
 住環境の整備につきましては、安慶田市営住宅の第3期工事および泡瀬市営住宅の第1期工事にかかる実施設計等をおこなうとともに、久保田市営住宅および登川市営住宅の給水管の取換工事を実施いたします。
 高原、与儀、比屋根周辺地域において、戦後、米国企業のマニング社が管理していた汚水管への排水処理状況等を把握し、悪臭等の環境改善に取り組んでまいります。
 公共下水道の整備につきましては、知花第二ポンプ場の電気・機械設備の改築や下水道施設の改築・更新、公共下水道への接続を促進してまいります。
 また、知花地区、胡屋地区における雨水排水施設の工事等を実施し、浸水被害の軽減を図ってまいります。
 公園整備につきましては、若夏公園および(仮称)美東公園の整備工事等をすすめるとともに、宮里第一公園の実施設計、美里第五公園の基本設計、南桃原公民館公園の便益施設整備工事などを実施してまいります。
 道路整備につきましては、安慶田中線および東南植物楽園線の工事、物件移転補償等をおこなってまいります。
 キャンプ瑞慶覧地区につきましては、ロウワー・プラザ住宅地区における公有地の先行取得を実施するとともに、地権者への情報提供をおこない、返還後の円滑な土地利用に取り組んでまいります。
 北部地区につきましては、地下水質分析調査等により環境監視や環境保全に引き続き取り組んでまいります。
 火葬場につきましては、建設候補地の検討など整備に向けた取り組みをすすめてまいります。

 以上、平成28年度の重点的な施策の概要を申し上げました。

 国は、急速な高齢化の進展による社会保障関係経費等の増大により歳出が伸び続けている一方で、税収は伸び悩み、歳入の半分を借金に依存せざるを得ない状況が恒常的に続いているとし、国と地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化に向け「経済・財政一体改革」を断行することとしております。
 本市においても、依然として財源の大半を地方交付税や国庫支出金等に依存した財政基盤となっており、生活保護費等の扶助費や施設の維持管理経費などの物件費の増加など、厳しい財政運営が続くことが懸念されております。
 このような状況において、持続可能な財政運営を図るため、行財政改革を着実に推進し、市税等の自主財源の確保に努めるとともに、市民ニーズや旺盛な行政需要へ的確に対応し、限られた財源や資源を有効活用することが大変重要であります。
 平成28年度からスタートする「第四次沖縄市総合計画 後期基本計画」に示した施策を推進するとともに、「第五次沖縄市行政改革大綱」における取り組みをすすめ、本市の将来像である国際文化観光都市をめざしてまいります。
 全国的な人口減少、高齢化が懸念されるなか、国は、地方における仕事の創出や人口の増加による地域の活性化をめざしており、地方創生への取り組みが求められております。
 本市においても「沖縄市まち・ひと・しごと創生総合戦略」をもとに、民間や関係団体等と連携し進めてまいります。
 女性が輝く社会づくりに向けては、働く女性の地位向上と社会参加が促進されるよう、意識啓発や子育てをしながら安心して働ける環境づくりに取り組んでまいります。
 市民の利便性の向上と行政の効率化を図るため、住民票など各種証明書のコンビニ交付サービスを実施いたします。
 また、市長と直接語り合うタウンミーティングなどを開催し、市民の皆さまの声を市政に活かし、市民とともに築くまちづくりを推進してまいります。
 「くわえビジョン」でお示しした主要プロジェクトをはじめ、さまざまな施策を職員とともに力強く着実に推進し、「活力あふれる沖縄市」の実現に向け邁進してまいります。  議員の皆さま並びに市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。

桑江市長

平成28年2月18日
沖縄市長 桑江 朝千夫

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