今月の人

こども達の巣立ちを見守り続ける

263 玉城 朝子(たまき) さん (80)

 今月は沖縄少年院のこども達の社会復帰を支援する篤志(とくし)面接員を長年務め、矯正教育功績で藍綬褒章(らんじゅほうしょう)を受章した玉城朝子さんを紹介する。玉城さんは、面接員だけではなく非常勤講師として音楽の授業も受け持っている。今月は玉城さんに、こども達への思いや音楽の持つ力などについて話を聞いた。

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 玉城さんは、昭和20年に室川初等学校で教員生活をスタートし、その後学級担任と音楽教諭として38年間教鞭(きょうべん)を執(と)った。昭和62年に開催された海邦国体の開会式では、小学校の音楽部長として管楽器と鼓隊の指導を行い、後に当時の仲間7人と沖縄県小学校管楽器教育研究会を発足させ初代指揮者として活動し、現在は顧問をしている。その研究会は毎年金管バンドフェスティバルを開催している。今年で大会の回数も第31回を数え、県内61校の小学校が参加するなど大きなイベントとなっている。
 教員を退職後は、平成3年より沖縄少年院のこども達の社会復帰を支援する篤志面接員を務めている。また、音楽教諭としての経験を生かし非常勤講師として音楽の授業も受け持っている。
 面接員の活動は、毎週一人のこどもと1時間ほど面接をする。こども達の気持ちを聴いて、アドバイスをしたりしている。こども達はみんな素直になりとても1時間の面接時間では足りないほど多くの事を話すという。大人と会話することで、周りの人たちが自分たちのことを考えてくれていると感じることができるため、面接を心待ちにしているそうだ。またこども達は、音楽の授業の中で歌を披露することで初めて、人前で自分自身を表現する機会を得ることができ成長するという。
 玉城さんは、長年に渡るこの篤志面接員としての活動が認められ、去年11月に「藍綬褒章」を受章した。受章の連絡をもらった時は驚き、同時に感激したという。
 玉城さんは、その他にも様々な活動をしている。毎朝、地元の小学校の登校時に交通安全指導を行ったり、市の老人クラブ連合会の歌声サークルでも20年余り指導者として活躍したりしている。元気に活動する秘訣は音楽の呼吸法にあるそうだ。友達と和気あいあいと楽しく歌うことで有酸素運動にもなり、顔の表情も豊かになるという。多くの人と触れ合う事で、つながりも生まれ、色々なプラス面があると話す。
 沖縄少年院のこども達が、更生し、成長して巣立っていく姿を見る度に、自分自身も一緒に成長した気持ちになるそうだ。こども達がひとまわり成長し社会に出た後も、勇気を持って人と交わえるように尽力していきたいと考えている。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 今月1日で市制40周年を迎えた沖縄市。本市は県内で初めて、日本国の「地方自治法」が適用されて誕生しました。1972(昭和47)年の日本復帰から2年後、早々に美里村とコザ市は対等合併を叶え、県下第2位の人口を擁(よう)する大きな都市となったのです。
 「新生・沖縄市」。あっという間に40歳となりました。誕生当時「基地の街」のイメージから脱却し、全国的にも親しみやすい新市名として採用された「沖縄市」というビッグネームも、最近はだいぶ似合うようになってきたと思いませんか?
 この記念すべき年、ヒストリートUでは沖縄市市制施行40周年記念特別展『沖縄市40年の横ス ケッチ顔 PART1』を開催いたします。第一弾となる今回は、沖縄市誕生から現在までのあゆみを、歴代市長の市政や社会背景とともに振り返ります。
 諸資料を通して、本市40年間の様々な表情を、改めて見つめ直してみませんか?現在のまちのあり方がわかり、将来のまちを創るためのヒントが得られるはずです。みなさまもぜひ、ヒストリートUへお越し下さい。

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今ではなつかしい沖縄市役所旧庁舎【1993年撮影】

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