平和月間(8月1日〜9月7日)イベント報告

沖縄戦の体験を語り継ぐ

「語りつぐ『沖縄市の沖縄戦』」

 沖縄市出身の3人の方を語り部(かたりべ)として招き、沖縄戦当時の沖縄市の様子を講話する「語りつぐ『沖縄市の沖縄戦』」が8月24日に沖縄市役所で行われた。
 講演会の冒頭では、主催の市総務課市史編集担当から沖縄戦当時の沖縄市の戦没者数が約5,400人にのぼるなどの説明が行われ、講演者の登川重男(のぼりかわしげお)さん、中根章(なかねあきら)さん、島袋秀子(しまぶくろひでこ)さんがそれぞれの沖縄戦について体験談を語った。
 登川重男さんからは、米軍が上陸した際に北部に避難したときの様子や若くして亡くなった父親の無念さなどが語られ、中根章さんからは、日本軍が民家に駐留した様子や北部へ避難した時の助け合いや人の優しさなどが語られ、島袋秀子さんからは、幼い子供を連れ遠く宮崎県に疎開した様子や終戦後の厳しい時代を乗り越えた体験が語られた。


(左)戦争のみじめさを切々と語る登川重男さん
(中)戦後の厳しい時代の体験について声を振り絞り語る島袋秀子さん
(右)身振り手振りを加えて当時の様子を語る中根章さん

忘れたいけど忘れられない

宮森小ジェット機墜落事故写真展

 平和月間のイベントの一環として、8月31日から9月6日まで市役所1階市民ホールで『命の尊さを訴える会(NPO法人石川・宮森630会移動写真展)』が開催された。
 映画『ひまわり』の原点ともなっている1959年6月30日に起こった米軍のジェット戦闘機の墜落事故は、ジェット戦闘機が石川市(現うるま市)の民家を押しつぶしながら宮森小学校へ炎上したまま激突し、住民6人、学童11人の尊い命を一瞬で奪っただけではなく、200人余の重軽傷者を出す大惨事となった。
 写真展には、担架で運び出される負傷者の写真や病院で治療を受けるこども達の写真、当時の様子を説明した資料や新聞などが展示され、多くの市民が事故の悲惨さを目の当たりにした。


市役所を訪れた人も、思わず足を止め写真に見入る

母親の子を思う気持ちを伝える

「平和のつどい」ビデオ上映会と朗読会

 あげだ児童館では「平和のつどい」と題し、8月2日にアニメ「対馬丸」のビデオ上映会、8月16日に天願綾子(てんがんあやこ)さんを招いて絵本「マブニのアンマー」の朗読会を行った。
 「マブニのアンマー」は、戦争で息子を失った母親が息子の骨を探してマブニのガマまで何年も通う話で、その話から、母親の子を思う気持ち、戦争は大切な物や人も失う悲惨なことであることをこども達に語りかけた。また、天願さん自身も母親に大切に育ててもらったと語り、家族や友達に感謝し、お互いを大切に思い合い、優しい子に成長して欲しいと語りかけ、こども達も熱心に聞き入っていた。


天願綾子さんの話を熱心に聞くこどもたち

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