すてきな仲間達 89

琉球古典音楽を通じて老後を楽しく

・あかつきさんしんとものかい 暁三友会・

暁三友会のメンバー
▲暁三友会のメンバー

 毎週金曜日に沖縄市立中央公民館で琉球古典音楽の練習と研究に励んでいる「暁三友会(あかつきさんしんとものかい)」(山城清輝会長)。会員は主に教員退職者で、現在は二十一人のメンバーで活動している。活動内容は毎週行っている練習のほか、城跡・歌碑めぐりや福祉施設等からの依頼に応じて公演・慰問活動等を行っている。会長をはじめ数人のメンバーは八十歳を越えるが多趣味で若く元気だ。

メンバー達の練習風景
▲メンバー達の練習風景

 活動歴二十年を越える同会は、退職後は三線をやりたいと考えていた元教職員である山城会長や中石事務局長が退職後の平成元年二月に設立した。当初の名称は退職教員三友会だったが、数年後には退職教員以外の入会者が増えてきたため変更。山城会長の案で、琉球古典音楽の代表的な曲である「暁節」の「暁」を引用し、現在の名称である暁三友会となった。琉球古典音楽は琉球王朝時代に宮廷音楽として演奏されていた音楽の総称で、複数の曲を組み合わせて、琉球舞踊や組踊の楽曲として使用される事もある。歌詞は難解で、詳しい者でなければ何を歌った曲なのか分からない曲が多いため、暁三友会の練習では山城会長から歌の説明も行われている。同会では二か月毎に練習する曲目を変えていくが「御前風(ぐじんふう)」五曲は固定で毎週練習している。御前風は主に祝い事の幕開けで使われる曲だが「御前風」という名称を聞いた事が無い方も多いのではないだろうか。しかし、代表曲の「かぎやで風」であれば沖縄県民なら誰もが知っているだろう。その御前風曲を、暁三友会は活動当初から二十年以上毎週欠かさず練習しているため、演奏の腕前は見事である。御前風曲の歌詞を、人生の目標としている中石さんは「琉球古典音楽の良さは、実際に曲を弾き、研究する事で分かってくる。暁三友会は入退会自由で、遅刻・欠席もオーケー。間違えてもいい。力まず楽しくやればいい。皆、始めは調弦もできない素人。ゆっくり上達していけばいい。趣味を通じて老後を元気に楽しく幸せに過ごしたい」と話す。暁三友会のメンバー達は肩の力を抜いて楽しく活動している。

職人のWAZA Vol.64

タイガーエンブ
事業所名:有限会社タイガーエンブ
職 種:刺繍製品製造業
代表者:安里 哲雄

タイガーエンブ
住所 沖縄市中央4‐10‐3
電話/Fax 098‐937‐8234
http://tiger-emb.net/shop/

【沖縄市から世界へ】

 今回は、昭和三十九年より刺繍製品製造業を営み、現在は、五年前から沖縄市のパークアベニューに店舗を移し、今年で創業四十七年目になる有限会社タイガーエンブの代表取締役 安里哲雄氏にお話しを伺いました。店内の壁面に所狭しと並ぶ刺繍ワッペンは、実はすべて、これまでお客さんがオーダーに持ち込んだデザインで、四千〜五千種類程あるなかの一部だそうです。デザインは、100%オーダーメイドで、アメリカや中東、NASAからも注文が入るそうです。刺繍は、糸の密度や向きで仕上がりの雰囲気が全く変わるため、針の落ちる位置を打つデータ作りが最も大変な作業です。業種柄、機材やコンピュータの進化に対応していく事や、お客さんの九割が外国人であるため、近年のドル安でかなり影響を受けますが、刺繍作りは文化だと思っているし、一番のやりがいは、お客さんが、刺繍の仕上がりに十分満足し、喜んでもらう事ですと話す安里さん。TIGER EMBの刺繍ワッペンは、県産品として県外へも出展を行い、県外のファンも増えているそうです。