更新日:2022年3月1日
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バレンタインにちなんで、ちょっとかわった見慣れない虫を紹介します。このシリアゲムシは、オスがお腹の先をうえに持ち上げているところから名前がついており、その様子がサソリに似ているため英語ではスコーピオンフライともよばれています。先端は毒針ではなく、ハサミになっていて、ケンカのときに使うと考えられています。
シリアゲムシの仲間はあまり種数の多いグループではなく、沖縄島からは2009年に新種として名前がついたオキナワシリアゲ1種類しか見つかっていません。オキナワシリアゲはちょうど今頃、寒さのピークがすぎたあたりから、山地の沢沿いでみかけます。やんばるの固有種とされており、刀禰は沖縄市でも見たような・・・。というのも、山の斜面から滑落しているときに飛んでいく姿をみたので、はっきりと確認できなかったのです。おとなり恩納村では見つかっているので、沖縄市にもいるんじゃないかな、と思っています。
なぜシリアゲムシがバレンタイン?
じつはこのシリアゲムシは、プレゼントをあげる虫として知られているのです!オスはメスにエサを渡して、それを食べているスキに交尾をするのです。プレゼントの渡し方は、『エサをつかまえてそのまま渡す』、『自分の食べたエサをはきもどして渡す』ほか、『プレゼントをせずメスがエサを食べているときに近づいて交尾する』など、種によって様々な行動パターンが知られています。オキナワシリアゲがどのパターンかはわかりませんが、やんばるの森でもひっそりと、愛のプレゼントがされているかもしれません。
オキナワシリアゲのオス(国頭村で採集)
オキナワシリアゲのメス(大宜味村で採集)
(2018年2月20日更新)
4月を過ぎ、気温が上がり始めると真っ先に出てくる虫がたくさんいます。オキナワトラフハナムグリも、やんばるの春の訪れを告げる虫の一つです。オレンジ・黒・黄色の模様がかっこいいでしょう?オレンジの部分が黒い、黒色型という模様のものもみつかります。南部では見られませんが、やんばるの森の南端にあたる沖縄市の北側では、この虫をみつけることができます。
2015年4月3日
沖縄市で撮影
(2017年4月18日更新)
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