カフンジャー由来(2) 島袋タケ(大正七年九月一日生)知花
これはね、あるところになかよく暮らしていた夫婦が、どうしたことか別れてしまい、女はお金持ちの人と再婚したらしいですねえ。だけど、男のほうは家々から物を貰うムヌクーヤー(物ごい・乞食)になってしまったそうなんですよ。 ある時、その男は先妻が再婚している家とはしらないで、物ごいに行くと、先妻は前夫だということに気付き、〈アキサミヨーウングゥトゥール ナトーガ ヤー(ああ、こんなかわりはてた姿になってしまって)〉とチムグルシク(気の毒)思い、暖まれるように着物と、その中にお金を入れて持たせてやりました。 包みを貰った男はカフンジャーのところに来ると〈おなかも空いたことだし、何が入っているのかな〉とあけて見ると着物が入っていたので〈ああ、これは私に着なさいといって入れてくれたんだな〉と〈カフーヤ チチヤー カフーシドー カフーシドー(果報がついたねえ、ありがたや、ありがたや)〉と感謝をしたので、その橋にカフンジャーという名がついたということなんだって。
注 1アキサミヨー・・・驚いた時や悲しい時、助けをもとめたりする時などに発する言葉。 |