■広報 おきなわ
4月号 NO.538
 

平成31年度 施政方針

 

 

 第402回沖縄市議会定例会にあたり、平成31年度の市政運営に関する所信を申し上げ、市民の皆さま並びに議員の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 本年度、沖縄市は、昭和49年のコザ市と美里村の合併から市制施行45周年を迎えます。誕生から半世紀へと思いを馳せれば、先人たちのご英断と市民の不断の努力が実り、本市の画期的な輝かしい発展が展望されます。
 中城湾港を臨む海浜部におきましては、長い歳月を経て、県内最大級のビーチが完成し、マリンレジャーで歓喜する風景とともに、アジア太平洋に拓く、滞在型リゾートのシルエットが描き出されます。
 一方、中心市街地を擁する内陸部におきましては、地域活性化の旗手として、スポーツと音楽を基調に、集い・にぎわう本市のランドマーク・沖縄アリーナが、内外からの誘客で躍動し、また、沖縄こどもの国では、つがいのホワイトライオンが逞しく成長し、そびえ立つ岩山から、日本一ユニークな動物園への号砲のごとく雄叫びをあげる、そのような光景が目に浮かんでまいります。
 私は、本市のこれまでの歩みを礎に、潜在能力をいかんなく発揮させ、地域活性化と雇用の創出で、豊かな暮らしを育むなど、夢と希望を抱き、住み続けたい沖縄市を実現させる決意で、市制施行45周年の節目の市政運営へ挑んでまいります。
 持続的な成長経路の実現に向け、国においては、幼児教育の無償化を始めとする一人ひとりの人材の質を高める「人づくり革命」の推進や、成長戦略の核となる「生産性革命」の実現に最優先で取り組むことが示されております。
 県内の景気が拡大していると言われる中、沖縄県は、国の経済政策と連動した、那覇空港第二滑走路の供用開始を見すえた内外からの航空路線の拡充や東京オリンピック・パラリンピック競技大会を好機と捉えた訪日外国人の誘客等への取組みを積極的に展開するとしております。
 また、こどもの貧困問題を改善するとともに、子育て環境の充実や沖縄の未来を担う人材育成の推進などに取り組むとしております。
 このような社会情勢の中、まちなかに立地し複合的な機能を組み合わせたスタジアム・アリーナを地域活性化の牽引役とし、好調に推移する観光関連産業の成長の機会を確実に捉え、企業や地域への波及効果を高める流れに繋げることと、市民一人ひとりが安心して暮らし活躍できる社会の実現に向け、福祉と教育の充実を図ることが、私の責務だと考えております。
 「観せるスポーツ」の可能性を最大限に引き出し、音楽やエンターテインメントなどの感動体験を共有する、沖縄アリーナが、忽然と輪郭を現し、その圧倒的な存在感は、このまちの活力ある将来を期待させます。
 人気選手が一堂に会する「バスケットボールBリーグ オールスターゲーム」が沖縄アリーナを会場として計画されており、夢の祭典が県内で初めて開催されることは、市民・県民が誇りや希望を持つものとなるでしょう。
 世界から注目される2023年FIBAバスケットボールワールドカップの成功に向け、地域企業や関係団体の強みを活かす取り組みを検討するとともに、中心市街地と連動し、相乗効果による地域の活性化を図ってまいります。
 昨年は、J3優勝とJ2昇格を決めたFC琉球、広島東洋カープのリーグ3連覇や、琉球ゴールデンキングスのチャンピオンシップ進出などの躍進が、まちに大きな活気をもたらしてくれました。
 そして、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が迫り、さらなる機運の盛り上がりが想定されることから、スポーツによる地域の活性化に取り組んでまいります。
 県内唯一の本格的な動物園「沖縄こどもの国」につきましては、施設区域の拡張を本格的にすすめるとともに、こどもたちの感性を刺激し、驚きや感動をあたえる施設整備に取り組んでまいります。
 間もなく完成するライオン舎におきましては、新たに仲間入りした2頭目のホワイトライオンなど、個性的な展示手法により、こどもたちの興味をかきたて、多くの人々の笑顔があふれると確信しております。
 また、動物展示の充実に向け、内外の動物園とのネットワーク構築をすすめるとともに、夜間における沖縄観光の新たなコンテンツの導入を図り、国内はもちろん、海外からも訪れる全国的にもユニークな動物園を目ざしてまいります。

 「潮乃森」として誕生した東部海浜開発地区につきましては、県内最大級の約1㎞におよぶ人工ビーチの供用開始に期待が高まる中、長年にわたる取り組みが広く周知され、市内企業による年末カウントダウン花火が打ちあげられております。
 東海岸の新たな魅力を創出する滞在型リゾートの構築に向けた土地利用計画をすすめるとともに、県内外の企業誘致に取り組んでまいります。
 モータースポーツの推進につきましては、回を重ねるたびに熱気を帯びるコザモータースポーツフェスティバルの盛況を背景に、(仮称)モータースポーツ多目的広場の工事着手がいよいよ視野に入ってまいります。モータースポーツに日常的に触れ合える拠点として、早期完成を目ざしてまいります。
 こどもたちを健やかに育む環境づくりにつきましては、子育て世代包括支援センターの設置による切れ目のない支援を強化するとともに、孤立している若年妊産婦に光を当て、居場所の設置に取り組んでおります。
 さらに、子育てやこども支援の充実を図るため、新たに産後の育児不安を和らげる支援や拠点型のこどもの居場所づくりを実施するとともに、保育所の定員拡大や保育人材の確保による待機児童解消に取り組んでまいります。
 未来を担う人づくりへの取り組みにつきましては、こどもたちがまちづくりに参加する機会の創出や、児童生徒の競技力・技術力の向上を図るため、県外でおこなわれるスポーツ・文化活動を支援するなど、本市のさらなる発展に向け、積極的な人材への投資に取り組んでまいります。
 すべての市民が健康で心豊かに暮らしていけるよう、生活習慣病の予防、認知症対策や高齢者の感染症対策の拡充に取り組むとともに、障がい者への合理的配慮をおこなうことや、地域での暮らしを担保し、自立を希望する方への地域生活支援を充実する取り組みをすすめてまいります。
 中心市街地の整備につきましては、商業・医療・住宅等が集積する複合施設「パーチェ山里」の完成により、地域の活性化が期待され、さらに周辺環境の機能向上を図るとともに、国道330号沿線の拡幅整備促進やセンター中央通り線の双方向通行整備をすすめ、地域資源を活用したまちの活性化に向け取り組んでまいります。
 また、戦後沖縄を象徴するまちと形容される本市にあって、歴史を刻むコザゲート通りに、歴史・文化を発信する沖縄市戦後文化資料展示館ヒストリートや、築き上げられた文化を次代へ着実に継承し地域の活性化を図るエイサー会館の設置など、これまで本市が培ってきた文化を活用した取り組みをすすめてまいります。
 中心市街地への交流人口の拡大を目ざし、まちなかへの回遊誘導、商店街の魅力を高める取り組みや、コザ十字路地域の活性化を推進するとともに、地域経済の活性化に資する人材の輩出や企業集積に向け、商店街における拠点施設において、創業・起業支援およびICT人材の育成に取り組んでまいります。
 昨年は、全国的に自然災害が発生し、災害への備えと迅速な対応の重要性を再認識させられたことから、市民の安全・安心な暮らしを守るため、地域の防災力向上を図るとともに、防災機能を有する公園整備に向けた取り組みをすすめてまいります。
 また、児童生徒を含む地域住民の安全性を確保するため、引き続き、幼稚園・小中学校のブロック塀改修等の取り組みをすすめるとともに、新たに通学路等におけるブロック塀の撤去などを支援してまいります。
 市内の回遊性や交通の利便性を高めるため、循環バスのルート拡充をおこなうとともに、引き続き、北部・東部の公共交通空白地域の解消に向けた持続可能な公共交通の取り組みをすすめてまいります。
 歩行者の安全確保や円滑な道路交通を図るため、市道の整備をおこなうとともに、沖縄北インターチェンジ交差点周辺の交通渋滞や登川クランク交差点の解消に向けた取り組みを促進してまいります。
 基地から派生する諸問題や市の振興発展に寄与する施策につきましては、防衛省、沖縄防衛局、市で構成する移設に関する協議会を活用して積極的に取り組んでまいります。また、三連協や軍転協等の関係機関と連携しながら、米軍や米軍属による事件・事故の未然防止、日米地位協定の抜本的見直しについて、日米両政府に求めてまいります。
 私は、国等との信頼関係をもとに、地方自治体の知恵と、ダイナミックな発想を源泉に、国から示されている魅力的な制度の活用など、あらゆる財源の確保に取り組み、エネルギッシュな行動で、わがまちの活力の創出に挑戦し続けます。
 以上、私の市政運営に対する基本的な考えを述べさせていただきました。市民の皆さま並びに議員の皆さまの一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 次に、平成31年度の主な施策の概要について申し上げます。

 はじめに「平和を創り かおり高い文化を発信するまち」です。
 平和行政の推進につきましては、悲惨な沖縄戦の教訓を風化させぬよう、沖縄市民平和の日記念行事、平和大使の長崎県への派遣や平和月間における各種事業をおこない、平和を広く発信してまいります。
 沖縄市戦後文化資料展示館ヒストリートにつきましては、グッズの製作や企画展を充実するなど、戦後文化の発信に取り組んでまいります。
 文化の振興につきましては、市民が芸術文化に触れる機会を提供するため、おきなわ芸能フェスティバルや吹奏楽フェスティバル等を開催いたします。
 また、文化芸術を継承発展させるため、市内の文化活動団体等が実施する舞台公演や地域の芸術分野を担う若者が主体となる育成活動を支援してまいります。
 文化芸術の発信拠点となる沖縄市民会館の改修に向け取り組んでまいります。
 文化財の保存と活用につきましては、文化財に関する保護意識の向上を図るため、展示会や講座などを実施するとともに、文化財の歴史的価値の認識に向け、発掘調査概要報告書を作成いたします。
 市史資料の充実につきましては、本市の歴史認識を深めるため、「沖縄市史」第5巻移民編の発刊に向けた調査をおこなうとともに、新たに「沖縄市史」第5巻戦争編を発刊いたします。
 社会教育の推進につきましては、ビジネス書や郷土資料等の図書資料を充実するとともに、文化センターの改修に向け基本計画を策定いたします。
 また、青年会活動の充実に向け支援してまいります。
 国内交流の推進につきましては、兄弟・姉妹都市との市民交流を促進するため、東海市との姉妹都市締結10周年記念事業を実施するとともに、米沢市への伝統芸能団体の派遣や豊中市との相互訪問など、各種交流に取り組んでまいります。
 国際交流の推進につきましては、国際性を備えた人材の育成や市民主体の国際交流を促進するため、コザインターナショナルプラザにおいて、多言語による相談や各種語学講座などを実施するとともに、海外移住者子弟研修生の受入れおよび海外姉妹都市レイクウッド市との交流の推進を図るための留学支援をおこなってまいります。
 地域コミュニティの活性化につきましては、自治会の組織強化および加入率の向上を図るため、自治会加入促進協議会の活動を支援するとともに、軽貨物自動車の購入やこども達が集まりやすい環境づくりに向けた図書の充実など、自治会活動に必要な備品等の整備を支援してまいります。
 また、山里自治会公民館基本計画を策定するとともに、学習等供用施設等の消防用設備改修工事および泡瀬第二自治公民館の空調改修工事を支援いたします。

 次に「未来に輝き 世界にはばたく こどものまち」です。
 こどもたちが、まちづくりに参画する場である沖縄市こども議会につきましては、こどもたちの主体的な活動を支援し、未来を担う人材の育成に取り組んでまいります。
 また、子ども・子育て支援制度にかかる提供体制の確保等を図るため、第二期子ども・子育て支援事業計画を策定いたします。
 発達の気になる子の支援につきましては、こども発達支援センターの機能整備に向けて新たに相談窓口を設け、適切な機関への移行支援をおこなうとともに、療育支援事業「きらきら」および児童発達支援事業所「つくし園」において、親子の愛着形成やコミュニケーション能力の発達などの促進に取り組んでまいります。
 ひとり親家庭の支援につきましては、生活の安定および経済的自立に向け、就職に結びつく資格取得等を支援するとともに、認可外保育施設および放課後児童クラブの利用料の負担軽減に取り組んでまいります。
 地域における子育て支援につきましては、ファミリー・サポート・センターにおいて、育児相互援助などの支援をおこなうとともに、つどいの広場の充実を図り、子育てしやすい環境づくりに取り組んでまいります。
 母子保健の推進につきましては、新たに産婦健診および産後ケア事業を実施し、産後うつや育児不安などの早期発見・早期支援に努めるとともに、子育て世代包括支援センター「結ぽ~と」において、妊産婦および乳幼児の全数把握や支援プランの策定など、切れ目のない支援に取り組んでまいります。
 また、若年妊産婦の支援につきましては、社会からの孤立化を防ぎ、安全・安心な環境での出産等を支援するとともに、生活指導や就学支援などをおこなってまいります。
 こども医療費助成につきましては、こどもの健やかな成長および子育て世代の医療費負担の軽減を図るため、中学校卒業までの入院医療費および小学校卒業までの通院医療費を助成し、未就学児については現物給付をおこなってまいります。
 待機児童の解消につきましては、私立保育所の施設整備を支援し、定員数の拡大に取り組んでまいります。
 また、保育人材の確保に向け、潜在保育士の復職応援や保育士試験対策講座をおこなうとともに、保育士の正規雇用化や年休・休憩取得を支援し、働きやすい環境づくりに取り組んでまいります。
 公立保育所の整備につきましては、泡瀬保育所の供用を開始するとともに、知花保育所の建替えにかかる基本実施設計をおこないます。
 認可外保育施設への支援につきましては、入所する児童の健全な発育および安全が確保されるよう、給食費などの運営費および施設改修費を支援するとともに、職員の資質向上の促進など、保育環境の充実を図ってまいります。
 児童館につきましては、(仮称)美里中学校区児童館の整備に向け取り組んでまいります。
 こどもの居場所づくりにつきましては、居場所を必要とするこどもの状況把握に努めるとともに、食事の提供や学習支援等をおこなう自治会および運営団体を支援してまいります。
 これまでの支援を通して、特に手厚い専門的支援を必要とするこどもおよび保護者を支援する居場所として、新たに「拠点型こどもの居場所」を設置し、生活支援やキャリア形成等の支援をおこなってまいります。
 放課後児童クラブにつきましては、民設放課後児童クラブの支援をはじめ、(仮称)美東小学校内公設放課後児童クラブの供用を開始するとともに、(仮称)高原小学校内公設放課後児童クラブおよび(仮称)越来小学校内公設放課後児童クラブの建築工事に着手いたします。
 公立幼稚園の給食につきましては、新たに高原幼稚園、諸見幼稚園および北美幼稚園において給食を開始いたします。
 また、越来幼稚園、コザ幼稚園、美里幼稚園および美原幼稚園の配膳室実施設計をおこないます。
 学力の向上につきましては、児童生徒一人ひとりに応じた学習指導の充実を図るため、小学校へ学習支援員等を配置するとともに、中学校において放課後学習支援教室を実施してまいります。
 また、学習意欲の向上を図るため、中学生の検定試験受験料の助成や科学に関する出前講座等をおこなってまいります。
 情報教育の充実につきましては、ICTを活用した教育活動を推進するため、教育情報化推進計画を改定いたします。
 国際理解教育の充実につきましては、国際化に対応できる人材を育成するため、小中学校へ外国語指導助手を配置するとともに、市内中学生を対象にサマーイングリッシュスクールをおこなってまいります。
 また、中学生海外短期ホームステイにつきましては、新たに派遣対象者を拡充して実施いたします。
 特別な支援が必要な児童生徒につきましては、障がいの有無にかかわらず、ともに学ぶことができるよう、特別支援教育補助者等の配置や合理的配慮支援コーディネーターによる巡回訪問など、一人ひとりの状況に応じた学習支援や教育相談に取り組んでまいります。
 外国籍の児童生徒につきましては、学校生活に適応できるよう、日本語指導員を配置し、日本語指導や教育相談等をおこなってまいります。
 教育相談の充実につきましては、困り感のある児童生徒の課題解決に向け、小学校においてスクールカウンセラーによる児童・保護者・教職員への相談支援をおこなうとともに、中学校において心の教室相談員による生徒の悩み相談や学校支援教育補助者による学習支援などをおこなってまいります。
 また、情緒的な要因により不登校になっている児童生徒につきましては、学校復帰に向けた支援をおこなうため、適応指導教室「すだち」等において、学習支援や教育相談を実施してまいります。
 大学等への進学促進につきましては、奨学金制度の実施や民間企業との連携をすすめる沖縄市育英会の活動を支援するなど、修学にかかる経済的負担軽減に取り組んでまいります。
 不登校児童生徒の支援および教員の質の向上に取り組む教育研究所につきましては、旧教育研究所の解体工事をおこなうとともに、今後のあり方について調査研究いたします。
 学校給食につきましては、老朽化した第2調理場の改築に向け基本実施設計等に取り組むとともに、安全・安心な給食を提供するため、食物アレルギー対応および調理機器の更新等をおこないます。
 また、多子世帯の経済的負担の軽減を図るため、引き続き同一世帯の3人目以降の児童生徒に対する学校給食費を助成してまいります。
 児童生徒の文化・スポーツ活動の促進につきましては、県外大会派遣の支援対象を拡充するとともに、東海市および阿智村とスポーツ交流をおこないます。
 また、全国高等学校総合体育大会や沖縄市高等学校野球県外招待交流試合を開催いたします。
 学校教育施設の整備につきましては、安慶田幼稚園の園舎新増改築工事および島袋幼稚園・美東幼稚園の新増改築に向けた基本実施設計に取り組むとともに、美原小学校の新増築に向けた実施設計、室川小学校の屋外運動場の改修工事、安慶田小学校のプール改築工事、美東小学校・越来小学校の校舎新増改築工事や宮里中学校の校舎新増改築に向けた基本計画の策定等をおこないます。
 沖縄こどもの国につきましては、魅力的な施設整備に向け、クマ舎周辺の整備に取り組むとともに、戦略的なマーケティングを推進し、内外からの誘客を図ってまいります。
 また、施設区域の拡張に向け、用地鑑定等に取り組んでまいります。
 青少年の健全育成につきましては、青少年指導員による巡回指導や青少年教育相談指導員による相談支援を実施してまいります。
 また、若者相談窓口において、社会生活を送ることが困難な若者の社会復帰に向けた支援に取り組んでまいります。

 次に「心がふれあい 安心の輪でつながるまち」です。
 人権教育および人権啓発の推進につきましては、人権講演会を開催するとともに、人権教室や人権困りごと相談所の開設を支援してまいります。
 男女共同参画社会づくりの推進につきましては、すべての人が個性および能力を十分に発揮できる社会の実現に向け、啓発紙「きらめき」の発行やパネル展の開催などをとおして、普及・啓発を図ってまいります。
 高齢者の福祉につきましては、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、地域型地域包括支援センターにおいて、高齢者や家族の相談支援に取り組むとともに、生活支援コーディネーターを配置し、地域で高齢者を支える体制づくりに取り組んでまいります。
 また、住民主体による介護予防の活動を支援するため、新たに介護予防ポイント制度を導入いたします。
 認知症高齢者等の支援につきましては、新たに地域型地域包括支援センターに認知症地域支援推進員を配置し、認知症の早期発見・支援の体制づくりに取り組むとともに、金銭管理等に関する相談支援や成年後見制度の普及を促進してまいります。
 福祉コミュニティにつきましては、自治会を単位とした小地域における福祉ネットワーク形成の充実を図り、民生委員児童委員の活動を支援してまいります。
 障がい者の福祉につきましては、障がい者が地域で安心して生活し、必要なときに適切な支援が受けられるよう、障がい者基幹相談支援センターを中心に、関係事業所との連携・調整を図りながら、地域生活支援拠点の整備に向けた取組みをすすめてまいります。
 市民の健康増進につきましては、ウォーキングフェスやおきはくん健康ポイント事業、食育に関する料理教室を開催するなど、市民の意識づけ、動機づけを図ってまいります。
 また、市民が楽しみながら健康づくりに取り組んでもらえるよう、新たにスマートフォンアプリを活用した試行事業を実施いたします。
 生活習慣病対策につきましては、特定健康診査未受診者への受診勧奨および特定保健指導実施率の向上を図るとともに、生活習慣病の発症・重症化予防に向け、CKD(慢性腎臓病)登録医数の増加を図ってまいります。
 予防接種につきましては、新たに65歳から100歳まで5歳ごとの市民を対象に、定期の肺炎球菌ワクチン接種を無料化するとともに、引き続き高齢者インフルエンザの定期ワクチン接種を自己負担なく受けられるよう取り組んでまいります。
 また、乳幼児等の定期予防接種の勧奨に引き続き取り組んでまいります。
 国民健康保険事業につきましては、収納率の向上を図るため、保険料を納付しやすい環境を整えるとともに、医療費の適正化に向けジェネリック医薬品の利用促進に取り組んでまいります。
 就労支援につきましては、子育て世代や障がい者等に対する個別相談や定着支援等を実施するとともに、就労支援講座等の開催により、若年者の就業意識の向上に取り組んでまいります。
 後期高齢者医療につきましては、脳ドッグ費用、はり・きゅう・あん摩マッサージ施術費用および葬祭費を助成してまいります。
 生活困窮者の自立支援につきましては、沖縄市就職・生活支援パーソナルサポートセンターにおいて、個々の状態に沿った支援計画を作成し、就労支援や住居の確保など、生活保護受給に至る前段階での自立支援に取り組むとともに、中学生の高校進学に向け、個々のレベルに応じた学習支援を実施してまいります。
 また、生活保護につきましては、要保護者の状況に応じた適正な保護の実施に取り組んでまいります。
 消費税率引き上げへの対応につきましては、地域における消費を喚起するとともに、市民生活への影響を緩和するため、低所得者および3歳未満の子がいる世帯を対象にプレミアム付商品券を発行・販売いたします。

 次に「人と資源を活かし 産業の力づよい成長を支えるまち」です。
 観光の振興につきましては、観光ポータルサイト「KOZA WEB」をはじめ、さまざまなメディア、SNSの活用やイベントの開催等により、本市の観光情報を効果的に発信することで、「沖縄市」の知名度の向上に取り組むとともに、修学旅行や広域連携によるクルーズ船の誘致など、内外からの観光誘客をおこなってまいります。
 また、本市の観光施策を考える上での課題把握や事業効果分析の基礎資料とするため、観光に関する実態調査をおこないます。
 沖縄アリーナの整備につきましては、引き続き建設工事をおこなうとともに、指定管理者を選定し、大型イベントの誘致など供用開始に向けた準備をすすめてまいります。
 (仮称)沖縄サーキットの整備につきましては、モータースポーツの認知度向上に向け、引き続きコザモーターフェスティバルを開催するとともに、本格的なサーキット建設の実現に向けた段階的な取り組みとして、(仮称)モータースポーツ多目的広場の整備をすすめてまいります。
 エイサーのまちの推進につきましては、エイサー文化の継承発展に向け、沖縄全島エイサーまつりをはじめ、エイサーナイトや地域のエイサーまつりの開催およびエイサー団体の県外派遣を支援してまいります。
 また、県内外エイサー団体とのネットワーク構築に取り組むとともに、エイサー文化の発信拠点となるエイサー会館の展示内容や情報発信の充実を図ってまいります。
 スポーツコンベンションシティの推進につきましては、本市で春季キャンプをおこなっている広島東洋カープ、本市をホームタウンとするFC琉球および琉球ゴールデンキングス、サブホームタウンとするパナソニック・パンサーズの活動を支援するため、公式戦開催時の環境整備や市内の応援機運醸成を図るイベントの開催等をおこなうとともに、スポーツ合宿の誘致や大会開催の支援に取り組んでまいります。
 また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、オリンピアン・パラリンピアンによるスポーツ教室などを開催し、受け入れに向けた機運醸成をすすめるとともに、ホストタウン活動をとおして継続的な交流に取り組みます。
 音楽によるまちづくりの推進につきましては、音楽のまち沖縄市のブランド力向上を図るため、音楽月間を開催するとともに、多彩な音楽イベントへの支援およびミュージックタウン音市場における音楽による賑わい創出や人材育成等に取り組んでまいります。
 また、音楽産業の可能性を調査する業務に取り組むとともに、沖縄市音楽資料館「おんがく村」において、本市の豊富な音楽資料を整理収集し、常設展示および企画展を開催してまいります。
 中心市街地につきましては、中心市街地における戸建や共同住宅など新たな住宅整備にかかる除却費用を支援し、定住を促進してまいります。
 商店街の活性化につきましては、商店街等の基礎調査を実施するとともに、店舗改修および近隣駐車場の利用を支援し、商店街の賑わいおよび魅力向上を図ってまいります。
 また、銀天街の活性化に向け、商業者や周辺住民等の意見聴取をおこないます。
 創業支援につきましては、創業・起業を志す方々の相談に対応するワンストップ窓口を設置するとともに、創業セミナー等の開催によりスタートアップを支援してまいります。
 また、プログラミングスクール等の実施によるICT人材の育成や人的ネットワークの構築に向け取り組んでまいります。
 企業誘致の推進につきましては、情報関連産業や宿泊施設等、本市の産業振興に寄与する業種を中心に、関係機関と連携し誘致活動に取り組むとともに、沖縄市雇用促進等施設「BCコザ」や本市IT施設等への企業誘致をすすめてまいります。
 工芸によるまちづくりの推進につきましては、国の伝統的工芸品である知花花織の担い手育成や沖縄市工芸フェアの開催による各種工芸の振興を支援してまいります。
 ものづくり産業の振興につきましては、沖縄市産業まつりの開催を支援し、生産者の意欲の高揚および市民の市産品に対する意識の啓発を図ってまいります。
 中城湾港新港地区につきましては、物流の促進や定期航路の開設に向け、関係機関と連携し取り組んでまいります。
 農業の振興につきましては、地域農業の中心となる担い手に対する支援や遊休地の有効利用を促進するとともに、農民研修センター周辺の活性化に向け取り組んでまいります。
 畜産業の振興につきましては、農家相互の交流や技術提供等の促進を図るため、畜産共進会を開催してまいります。
 また、畜産環境の保全に向け、悪臭や病害虫の発生抑制および堆肥化設備の整備を支援してまいります。
 水産業の振興につきましては、漁家経営の安定化に向け、浮魚礁の設置や漁船装備品の近代化を支援してまいります。
 また、稚貝・稚魚の種苗放流を支援することにより、水産資源の回復を促進してまいります。

 次に「地球にやさしく 安全で安心なくらしができるまち」やさしくです。
 環境にやさしいまちづくりにつきましては、ごみの減量化および資源化を推進するため、新たに草木類の分別回収を実施してまいります。
 防災対策につきましては、総合的かつ計画的な防災行政の推進を図るため、地域防災計画の見直しをおこないます。
 また、地域の防災力向上を図るため、与儀地区の里道を活用した緊急避難通路を整備するとともに、自主防災組織の結成促進および活動支援に取り組みます。
 消防・救急体制につきましては、市民の安全・安心を確保するため、高規格救急自動車を更新いたします。
 また、コンビニエンスストアへのAEDの設置拡充や応急手当講習会を開催し、市民の自主救護能力向上に取り組んでまいります。
 防犯対策につきましては、夜間における市民の安全を確保するため、保安灯の新設・LED化および台帳データをシステム化するとともに、自治会が負担する保安灯電気料金を支援し、防犯環境づくりを推進してまいります。
 消費者行政につきましては、消費者トラブルの未然防止に向け、消費者相談をおこなうとともに、市民の意識啓発および消費者教育を推進するため、消費者月間パネル展や出前講座などを継続的に実施いたします。

 次に「うるおいある 快適な空間を将来につなぐまち」です。
 中の町地区土地区画整理事業につきましては、仮換地指定に向け換地設計を実施し、良好な市街地の形成を促進してまいります。
 また、中の町地区を含む胡屋十字路周辺において、既存ストックおよび地域資源を活かしたリノベーションまちづくりの推進に取り組んでまいります。
 安慶田地区土地区画整理事業につきましては、物件移転補償や道路整備工事等をすすめ、良好な住環境の創出によるまちなか居住を促進してまいります。
 国道330号沿線につきましては、交通渋滞の解消を図るため、国と連携し国道の拡幅整備を促進してまいります。
 また、残地の活用を担う民間活力の導入に向け取り組んでまいります。
 美里第二土地区画整理事業につきましては、物件移転補償や区画道路工事等を実施し、安全で快適な市街地の形成および宅地の利用価値の向上を図ってまいります。
 キャンプ瑞慶覧ロウワー・プラザ住宅地区につきましては、返還後の円滑な土地利用を見すえ、公有地確保のため先行取得に取り組んでまいります。
 上水道事業につきましては、配水管等の水道施設の耐震化を推進し、災害に強い施設の整備に取り組んでまいります。
 下水道事業につきましては、快適で衛生的な生活環境の促進および公共用水域を保全するため、大里地区および山里・久保田地区の汚水整備を実施するとともに、東部海浜汚水幹線の実施設計をおこないます。
 また、未接続世帯に対し公共下水道への接続を促進するとともに、下水道施設全体を計画的かつ効率的に管理するため、ストックマネジメント計画の策定に向け取り組んでまいります。
 浸水対策につきましては、松本地区における雨水排水施設の整備や雨水管理総合計画の策定をおこなうなど、浸水被害の軽減を図ってまいります。
 また、適正な維持管理および地域における健全な土地利用の促進を図るため、水路の境界確定復元測量をおこなってまいります。
 市営住宅の整備につきましては、多様な住居の供給に向け、泡瀬市営住宅の第1期外構工事や第2期工事にかかる実施設計をおこなうとともに、美里市営住宅の基本設計を実施いたします。
 空き家対策につきましては、安全・安心な住生活の促進に向け、管理が適切におこなわれていない空き家の対策計画を策定いたします。
 また、住環境の向上を促進するため、市民が居住する住宅のリフォームを支援するとともに、新たに通学路等におけるブロック塀の撤去などを支援してまいります。
 民間建築物におけるアスベスト対策につきましては、建物の吹付アスベストによる健康被害を防止し、健康で安全な生活が確保できるよう、新たに民間建築物アスベスト台帳を整備し、アスベストの除去を促進いたします。
 東部海浜開発地区につきましては、ビーチフロント観光拠点の創出を含め、土地利用のあり方について取り組むとともに、PRイベントによる事業の周知を図ってまいります。
 また、企業誘致を推進するため、企業ヒアリングの実施や企業誘致PR動画を制作するとともに、東部大花火を開催いたします。
 緑化推進につきましては、市民の緑化意識の高揚および緑の創出を図るため、花いっぱい推進運動をおこなうとともに、新たに市道こどもの国線にハイビスカスを植樹したプランターを設置し、緑と花あふれるガーデンシティーに向け取り組んでまいります。
 公園整備につきましては、地域に親しまれ、誰もが利用しやすい憩いの場を目ざし、美里第五公園および海中道路跡都市緑地の整備工事を実施いたします。
 また、(仮称)比屋根公園および(仮称)古謝公園の整備に向け調査等をおこなうとともに、防災機能を有する公園施設の計画を策定いたします。
 市北部地域の道路および公園の整備につきましては、池原公園再整備の第2期工事および馬場都市緑地園路整備工事をおこなうとともに、安全で円滑な道路交通を確保するため、登川4号線および登川38号線の整備に向け取り組んでまいります。
 公共交通につきましては、循環バスの中部ルートおよび西部ルートの拡充をおこなうとともに、北部および東部地域への公共交通の導入に向けた取り組みをすすめてまいります。  都市の健全な発展等を目的とする都市計画につきましては、その基本方針である沖縄市都市計画マスタープランの改定に取り組んでまいります。
 道路整備につきましては、諸見里山里線、諸見里桃原線およびセンター中央通り線の物件移転補償等に取り組むとともに、東南植物楽園線や安慶田中線等の道路改良工事等に取り組んでまいります。
 道路の適正な維持管理につきましては、里道の境界確定復元測量を実施するとともに、照屋1号線道路占用物である銀天街アーケードの解体工事にかかる実施設計をおこないます。

 以上、平成31年度の主な施策の概要を申し上げました。
 これらの施策をはじめとする諸事業を推進するために、平成31年度の予算編成にあたっては、一般会計において812億600万円、特別会計において300億9853万5千円、企業会計において45億6717万7千円の規模となっております。

 我が国の経済は、長期にわたり穏やかな景気回復が続いており、雇用・所得環境の改善などが進んでいるとされております。一方、国の財政は依然として厳しい状況にあり、社会保障の安定財源の確保と財政健全化に向けて、消費税率の引き上げをおこなうとしております。
 本市の財政状況につきましては、歳入において、市税が増加傾向にあるものの、歳出では、福祉や医療等の義務的経費が毎年増加するなど、厳しい財政見通しとなっております。このような中、時代や市民ニーズに即した行政サービスのあり方について検証を重ねながら、最小の経費で最大の効果をあげていくことが重要となります。
 効率的で利便性の高い行政システムの構築に向け、情報通信技術(ICT)による事務の効率化や業務のアウトソーシングなど、さらなる民間能力の活用をすすめてまいります。
 公の施設の指定管理者につきましては、多様化する市民ニーズに効果的・効率的に対応する民間事業者等を選定し、なかでも、沖縄アリーナにつきましては、プロフィットセンターへの転換を目ざしてまいります。
 下水道事業につきましては、経営の健全化とさらなる透明性の確保に向けて地方公営企業法を適用するとともに、2020年4月の上下水道事業組織統合に取り組んでまいります。
 市役所は市民へのサービス産業という認識のもと、市民の利便性の向上を図るため、昼食時間帯の窓口業務を全庁で本格実施するとともに、市民の目線に立った施策の展開の一つとして、変化する社会情勢の対応やスポーツと観光を融合した取り組みに向け、柔軟で機能的な組織づくりをおこなってまいります。
 職員力や組織力の向上につきましては、一人ひとりの持つ能力や組織マネジメント力を高めるため、職員研修や人事評価などをおこなうとともに、非常勤等職員の任用根拠の明確化に向け、新たに会計年度任用職員制度の導入をすすめてまいります。
 時代の潮流を見すえた新たなまちづくりの指針として、2021年度からスタートする第5次沖縄市総合計画の策定に向け取り組んでまいります。
 私は、市制施行の節目を迎え、このまちを創り上げてきた先人たちへ敬意と感謝を表すとともに、本市の輝かしい平成の次の時代を市民の皆さまと力強く、そして着実に歩んでまいります。
 市民の皆さま並びに議員の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。

 平成31年2月19日


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