今月の人

地元のイラストレーターが記念ロゴマークを作成

268 仲地(なかち) のぶひで さん (60)

 今月は、本市の兄弟都市である大阪府豊中市との兄弟都市提携40周年記念ロゴマークを作成した仲地のぶひでさんを紹介する。仲地さんは沖縄の精霊を題材にしたイラストや首里城、海洋博記念公園のイラストなどで知られている。今月は仲地さんにロゴマーク制作や地元沖縄市に対する思いを聞いた。

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 仲地さんは絵が好きだった父親の影響で自然と絵を描くようになり、小学生の頃には数多くの賞を取るほど上達していたそうだ。周りから褒められることが嬉しく、さらに絵を描くことに夢中になり高校に進学する頃には、将来は画家かデザイナーになると決めていたという。そして、22歳でイラストレーターとして広告代理店に就職し、働き始めた。
イラスト  当時、仕事の後に毎日のように通っていたライブハウスで趣味のライブ演奏をしていたところ、東京のレコード会社からスカウトされCDデビューをする。のちに、BEGINのCDに収録された「山原(やんばる)や」という曲は仲地さんの作った曲だ。紆余曲折(うよきょくせつ)を経て歌の世界ではなく、イラストレーターとして働き、30歳の時に独立しフリーとなった。その頃、コザで旗揚げした「笑築歌劇団(しょうちくかげきだん)」に設立時のメンバーとして参加し、伝統的なウチナー芝居やテレビ、映画に出演するかたわら、宣伝・舞台美術も担当した。仲間と一緒に一から作り上げていくことが楽しく毎日が充実していたという。
 仲地さんの作品には、沖縄海洋博記念公園ポスターや首里城のイラストなどがあり、沖縄県民なら誰もが目にしたことがあるのではないだろうか。他にも沖縄の精霊や魚を題材にしたイラストが有名である。
 今回、仲地さんは沖縄市の兄弟都市である大阪府豊中市との兄弟都市提携40周年記念ロゴマークを作成した。緑豊かな豊中市と青い空が特徴的な沖縄市が「ちょーでー・ちゃんぷるー」で交じり合うハートと、豊中市の特色である高校野球発祥の地や伊丹空港、沖縄市の三線、ハイビスカスなど両市の魅力を描き、これまで以上の温かなつながりが表現されている。
 仲地さんは「ロゴマークの作成は、久しぶりに地元『沖縄市』との仕事だったので楽しみながらできた。エイサーや若いアーティストなど素晴らしい素材はたくさんあるので、その魅力を活かして昔のような活気を取り戻して欲しい。これからも沖縄市に関わっていきたい」と語った。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 1950年、本格的な米軍基地の建設とともに、純農村地域であったコザの街は一変します。県内外から、職を求め多くの人々が集まり、急激な都市化が進んで行きました。その一方で、戦争孤児や浮浪児、青少年の非行問題が深刻化していました。米軍に捕まった子ども達は、大人同様に軍事裁判にかけられ刑務所へと送られていきました。この状況を改善すべく群島政府は児童福祉司をコザ警察署へ配置します。その役を担ったのが、越来村の厚生員だった島マス女史です。女史は、軍事裁判にかけられた子ども達を一時的に保護し、親元へ帰すだけでなく、後に女子教護施設「コザ女子ホーム」を開設します。売春や窃盗で保護された少女たちが社会へ復帰できるよう、彼女らと共に生活し、子ども達の更正に力を注いだのです。島マス女史とその活躍した時代を写した写真は、現在、ヒストリートUで開催している企画展「沖縄市の沖縄戦―そして戦後へ」において紹介しています。みなさまもぜひ、ヒストリートUへ足をお運びください。

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琉球政府 コザ福祉事務所
谷本トーマス氏撮影

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