今月の人

地域福祉の充実と若者の人材育成に尽力

264 名嘉 隆一(なか りゅういち) さん (77)

 今月は4月に行われた沖縄市社会福祉協議会(市社協)の理事会で新会長に就任した名嘉隆 一さんを紹介する。市社協は、市内の社会福祉事業の充実や社会福祉に関する活動の活性化など、地域福祉の推進を図ることを目的としている。今月は名嘉さんに、新会長としての抱負を聞いた。

写真

 沖縄市社会福祉協議会(市社協)の歴史は古い。昭和27年に越来村社協、美里村社協として発足し、昭和46年にコザ市社協が法人格を取得、昭和49年にコザ市と美里村の合併により沖縄市社会福祉協議会が誕生した。その市社協の7代目会長に就任したのが名嘉さんである。
 名嘉さんは、日本キリスト教団の牧師を22歳から52年間務めた。牧師をしながら、教会附属幼稚園の園長や、長男が入学するとPTA活動にも携わりPTA連合会の会長も3期務めた。その後、市の教育委員を4年務めるなど教育行政に積極的に関わってきた。現在も児童養護施設の理事長を務めており、こども達の健全育成に力を注いでいる。
 市社協は、地域福祉の充実のため様々な事業を展開している。介護を必要とする方やその家族を支援するための福祉サービスの提供をはじめ、生活福祉資金の貸付事業、誰もが安心して暮らせるまちづくりに向けた人と人との繋がりや地域の絆を大事にした福祉コミュニティづくりの活動支援など、自治会や民生委員、福祉施設の職員達と協力して日々活動を行っている。そんな市社協の事業の中でも他の社協にはない特別な事業が、次代を担う若い人材の育成を目的に開設されている「島マス記念塾」である。名嘉さんは平成8年よりその島マス記念塾の塾長も務めている。本市の誇る福祉の母「島マス」さんを冠に掲げた島マス記念塾は、毎年約25人の若者が1年を通して異業種間で交流し、市の歴史や自己表現方法など様々なことを学び巣立っていく。名嘉さんは、若い人材を育成することで地域が豊かになり、沖縄市の発展につながっていくと考えている。
 名嘉さんは、今後の社協は格差社会で取り残された人たちへのケアや、行政、関係機関、地域の人達とのより一層の連携が必要であると考え、また、これから財政的にも厳しくなると予想されることから社協会員の裾野を広げるべく尽力したいと、新会長としての抱負を話している。
 名嘉さんは、日課であるウォーキングをしながら、地域のお年寄りや登校途中のこども達と触れ合っている。実はウォーキングにはもう一つ理由があるようで「小学2年生の孫が20歳になって一緒にお酒を飲む日まで、元気でいないといけないからね」と笑った。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 今から約350年前の1666年のこと、越来間切(間切は現在の市町村にあたる)が分割され、美里間切が新設されました。それから約300年後の1974(昭和49)年に美里村とコザ市(旧越来村)が合併し、「沖縄市」が誕生したのです。 合併にあたり、新市名を公募した結果、公募総数は384通、新市名候補数は161種におよびました。一番多かったのが「コザ市」で65票でしたが、選定委員会が審議した結果、合併の基本方針が対等合併としていたこともあり、2番目に公募(62票)が多かった「沖縄市」に全会一致で決定したようです。
 募集結果の一覧を見てみると、コザ(古謝・胡差)や越来、美里から各1文字をとって市名としたものも20種ほどありました。愛着のある旧市村名を残したいという思いがあったのかもしれません。例えば越美、越里、美胡、美来、美越、古里などがそうです。他にも、国際文化観光都市を目指しているからでしょうか、国際という市名もありました。
 新市名の選定理由の一つに「名は体を表すで、新市の発展目標を大きくアピールするのにふさわしいこと」とあります。これからも本市の発展を願うばかりです。
*ヒストリートUでは、市制施行40周年記念特別展Part1を開催中(5月31日まで)。

写真
沖縄市誕生市民祭典 1974年11月3日

  • ■市史編集担当/TEL:929-4128(直通)
  • ■ヒストリート、ヒストリートU/TEL:929-2922

↑ ページトップ