すてきな仲間達 117

古謝獅子舞保存会

地域の伝統芸能を受け継ぐ

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古謝獅子舞保存会のメンバー

 今回は、小学生から60代まで約20人のメンバーが古謝に伝わる獅子舞の練習に励んでいる「古謝獅子舞保存会」(島袋悟(しまぶくさとる)会長)を紹介する。
 同保存会は地域の有志が古謝の獅子舞を芸能文化として継承し、地域の活性化や発展につなげようと平成17年に結成した。古謝の獅子舞は三線・太鼓・鉦(かね)などが音楽を奏で、獅子が演舞する。獅子は立ちあがったり、飛び跳ねたり、じゃれたり、座り込んで愛らしいしぐさをしたりとまるで生きているかのように動き回り、大きな口を開け俊敏に動く様は迫力満点だ。獅子は1体につき二人で演じられ、前方の演者が頭と前足、後方の演者が後ろ足としっぽを担当する。演者にはお互いの動きが見えないため、生き生きとした演舞を行うには日頃から練習を重ね、息をぴったり合わせる必要がある。
 古謝の獅子舞の起源は不明だが、現在、古謝の御神屋(うかみや)に奉られている獅子は大正時代に制作されたものだと地域のお年寄りは話しており、神獅子(かみじし)と呼ばれている。この神獅子は旧暦の七夕の日(7月7日)に行う虫干しと、旧暦の7月16日に厄払いと五穀豊穣の願いを込めて行う獅子舞の際にしか御神屋から出す事が許されていないため、普段の練習や催しに出場する際は保存会のメンバー手作りの踊り獅子を使っている。踊り獅子は赤い獅子と白い獅子、こどもが演じるための小さな獅子の3体で、すべてメンバーのひとりが作ったものだ。制作が本職というわけではないそうだが、そのできばえは驚くほど精巧に作られている。
 古謝の獅子舞は近年までは古謝や東部地域の行事で披露されていたが、平成20年に全島獅子舞フェスティバルに出演したことをきっかけに広く知られるようになった。市内外から出演の依頼が来るようになり、平成24年には韓国の麗水(よす)市で開催された国際博覧会に出演している。同博覧会では琉球國祭り太鼓、県立芸術大学琉球芸能専攻の学生と共演し、世界中の観客が注目する舞台で獅子舞を披露した。また、平成25年には長崎くんちまつりにも出演している。
 古謝から飛び出し活躍を続ける同保存会は、これからも腕を磨き、地域の伝統芸能を後世に継承していく。

※古謝獅子舞保存会への入会を希望する方は古謝自治会にお問い合わせください。
電話/938-3911

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勇壮な紅白の獅子

職人のWAZA vol.92

 今回は、沖縄市桃原にある名幸花鉢工場の名幸さんにお話を伺いました。
 名幸花鉢工場は、名幸さんの祖父の代から続く沖縄県内で唯一の花鉢工場で、名幸さん は三代目となります。もともとは瓦の製造で創業した工場ですが、現在は主に植木鉢を製 造しています。
 名幸花鉢工場の特徴は、鉢作りの「原土(げんど)」「製土」「成形(型)」「乾燥」「焼成(しょうせい)」の工程の全てを行っているところです。
 特に、鉢の型をとる「成形」は、他の工場では外注する工程ですが、同工場では独自で成形しており、この工場が県内で唯一続いているのはそのおかげだと名幸さんは話しています。
 名幸花鉢工場では植木鉢の他に、レンガや瓦なども製造しており、主な販売先はホーム センターや農協などです。みなさんの身近にある植木鉢も、名幸花鉢工場の鉢かもしれま せんね。

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事業所名 : 名幸花鉢工場
(なこうかばちこうじょう)
職種 : 窯業(ようぎょう)
代表者 : 名幸葆哲
   (なこうしげのり)

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住所:沖縄市字桃原254-1
TEL:098-937-9293

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