更新日:2022年3月1日

ここから本文です。

浜下り由来(蛇婿入り)

『カマンタ(大なべの蓋)を地面に置いて、その下でアカマター(蛇の一種)が7回孵化すると人をだますので、カマンタは地面に置かないで、木にさげなさいね』と言われていた。

ところが、ある女がアカマターにだまされてしまった。アカマターが人に化けて、赤いティーサージ(手拭)をかぶり女のもとへ来るのを隣の人が見て、「ねえ、あなたたちに来る人を、あなたは男と思っているのですか」と聞くと、女は「はいそうです。私の恋人だもの、男ですよ」と言ったので、「あれは人間ではないよ」と教えてあげた。すると、「どうして、そういうことを言うのですか」と言うので、「あなたはたくさんのウー(芭蕉)を紡いであるので、男が来たら針にウーを通して頭に刺し、あとでそのウーをたどってみなさい。そうすると行き先がわかるはずだから」と言われた。

その通りにすると、ウーバーラ(芭蕉の糸を入れる竹のカゴ)に一杯紡いであったウーは、アカマターのガマに全部ひっぱられていたんだって。

ガマの中では人間に化けたアカマターが、「わたしは人間の女を妊娠させたよ」と自慢していると、別のアカマターが「なあ、人間というものは物知りだからダメになるよ」というので、「それなら、どうしておろすことができるのか」と聞くと、「(旧暦)3月3日に海の砂を踏むと、サラサラとおりてしまうよ」と話していた。
それを聞いた女は、(旧暦)3月3日に海へ行き砂を踏むと、たくさんのアカマターの子がおりてきていたんだって。それから、(旧暦)3月3日は浜下りをするようになった。

沖縄市文化財調査報告書第26集『むかしばなしⅠ』
2002年沖縄市教育委員会

お問い合わせ

教育部市立郷土博物館 

〒904-0031 沖縄県沖縄市上地2丁目19番6号

電話番号:098-932-6882

ファクス番号:098-933-6218