今月の人
公園で健康づくり交流しながら心身を磨く
293/仲宗根 雄三(ゆうぞう)さん(31)
ストリートワークアウトとは公園にある健康器具、鉄棒、平行棒、うんてい棒などを使用して体作りの基本となる動きの中にダンス、体操、パントマイムなどの様々なジャンルの動きが組み合わされた新しい運動方法であり、国際的なコミュニティスポーツだ。
今回は、市内の公園でストリートワークアウトを通した健康づくり、地域づくり、美化活動に取り組んでいる仲宗根雄三さんに話を聞いた。
仲宗根雄三さんは、登川で生まれ育ち、父親の影響で高校生の時に球技や空手、格闘技を習い始めた。
その後、20代前半の頃にインターネットで体を鍛える方法を調べていたところ、外国で公園の健康器具を使って今まで見たことのない動きで楽しそうに運動をしている人達の動画をみつけ、仲宗根さんも公園でトレーニングを始めた。
仲宗根さんが運動を始めていくと公園の色々な現状が見えてきた。
その頃の公園は、未成年者の喫煙や浮浪者が集まっての酒盛り、ゴミの不法投棄、草木の繁茂など、利用しづらい状況だった。
しかし、一緒に公園でトレーニングをする人が少しずつ増え、ウォーキングなどで公園を利用している人たちと顔見知りになり、互いに声をかけ合うことが多くなり、次第に公園の雰囲気が良くなってきたそうだ。
仲宗根さんが行っているトレーニングは、『ストリートワークアウト』といって、主に公園の鉄棒や平行棒、うんてい棒などを用いて体の使い方を自然と学べ、筋力や瞬発力、柔軟性を養うことができる運動方法だ。
ストリートワークアウトは費用がかからず解放感のある野外で自分のペースで体力作りができる利点があり、世界中で人気が広がっている。
日本を含む68か国が加盟している世界ストリートワークアウト連盟(WSWCF)では、毎年世界大会を開催しており、昨年の大会で仲宗根さんは日本人として初出場した。
昨年と今年の出場をきっかけに、海外の代表達からこれまでの活動が評価され、6月にストリートワークアウト指導者の育成やライセンスを付与することができるマスタークラスの資格を、日本国内では初、世界では4番目に取得した。
ストリートワークアウトジャパン(SWJ)も設立し、ストリートワークアウトの普及に尽力している。
現在は、来年秋に本市で開催予定のストリートワークアウトワールドカップの準備を進めており、多くのサポータ―企業や団体、協力者を募うため、日々奔走中だ。
同大会が日本国内で開催されるのも初となる。
仲宗根さんは「ストリートワークアウトは運動経験や運動レベルに関係なく誰もが気軽に公園で健康づくりをすることができる運動方法で、国や言語の違いを気にせず色々な人と交流することでお互いを尊重し、
譲り合う心が育まれ、心身が一緒に鍛えられ、自己の自信につながる。
難しく考えず、家族や友人と遊び感覚で、公園に足を運び、体作りや健康づくりを通して地域の公園を活用して欲しい」と話している。
仲宗根さんは、公園でストリートワークアウトを行う時には、利用する仲間とゴミを拾う。
「ストリートワークアウトを通して公園の在り方を考え、地域住民のコミュニケーションの場として有効に活用して欲しい」と話している。
戦後文化シアター 今月のヒストリート
今月は第6回世界のウチナーンチュ大会が行われます。ヒストリートⅡでも企画展「移民・引き揚げ・インヌミ そして…〜インヌミ収容所公式開設70周年〜」のなかで、第1回から5回大会の歓迎イベントなどの写真を紹介しています。
沖縄市からは明治37(1904)年に初めての移民をメキシコへ送り出し、昭和16(1941)年までに約3300人がハワイやペルーなどへ渡りましたが、敗戦を機に海外や日本の統治下にあった南洋群島や台湾、朝鮮など、また県外から沖縄へ引揚げ、インヌミや久場崎の収容所を経て帰郷することになります。
しかし、焦土と化した沖縄で待ち受けていたのは貧困や米軍統治などの厳しい現実でした。民政府の政策や呼び寄せにより1950年代から再び理想郷を求めてブラジルやアルゼンチン等へ移民として渡っていきました。
また同時期に、米兵と恋に落ち故郷を旅立つウチナーンチュも出てきます。「どうせ沖縄で苦労するよりは、誰も知らない遠くの地で苦労してもいいかなと思い、行くことにした。」移民調査で出会った、ある女性の言葉です。
彼、彼女らの勇気もまた、世界で40万人いるといわれるウチナーンチュのひとつの萌芽となっています。
企画展は今月30日までとなっております。ぜひお越しください。
第5回世界のウチナーンチュ大会沖縄市歓迎イベントの様子
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