今月の人

女性の力と感性でまちおこしを

256 宮城 枇呂(ひろ)さん(59)

 今月紹介するのは沖縄市のまちおこし活動を積極的に取り組んでいる宮城枇呂さん。宮城さんは自身で会社を経営し、さまざまな組織に属するかたわら、女性企業家に呼びかけ、女性ならではの視点や感性で地域発展に貢献しようと「コザ・レディース会」を立ち上 げた。今月は宮城さんに活動内容や今後の展望について話を聞いた。

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 宮城さんは那覇市出身で、本市美里にある大型車の部品販売を生業 (なりわい)としている実家の営業担当として働いていたが、何か新しいことに挑戦したいと思い、平成13年よりミネラルウォーターと浄水器材の販売を行う会社を立ち上げた。
 起業家として会社を経営しながら、女性のための国際的な社会福祉団体であるソロプチミスト沖縄・球陽や沖縄市女性団体連絡協議会等に参加し、さまざまな活動を行い、現在は沖縄商工会議所女性会会長、台湾の経済界と交流を行う中琉婦女交流協会副会長を務めている。
 那覇市で生まれ育った宮城さんから見た沖縄市は、いろいろな文化が混ざるチャンプルー文化として、すべての事を受け入れる素晴らしさのある反面、自分達から情報を発信する力が弱いと感じている。コザに対する強い思いがあるからこそ、もっと積極的に地元コザの魅力を発信していくことが必要だと考える。また、女性独自の視点や感性も大事だと考えている。例えば、家を建てキッチンを作るときに、見た目重視ではなく、実際に使う女性の目線で機能的なものを選んだ方がいいし、同じようにまちづくりも、子供や赤ちゃんを連れて足を運ぶ母親や家族連れが、安心して過ごせる環境を整備するなどの工夫が必要なのだ。女性ならではの視点を加え、より良い沖縄市になるよう一緒に考えていく事が重要だと考えている。
 沖縄市には頑張っている女性が大勢いる。「まちを変えたい」「良くしたい」という同じ思いを持った各分野で活躍している仲間たちと一緒に今年3月「コザ・レディース会」を立ち上げた。メンバーは15人で構成され、毎月1回の会議には東門市長も参加して活発な意見交換を行っている。
 コザ・レディース会は、『沖縄市に新たな何かを提案したい』という思いで活動しており、今年はキジムナーフェスタを応援しようとTシャツや缶バッジ、お菓子などを販売し同フェスタを盛り上げた。今後も全島エイサーまつりや産業まつりなどで、新しい事を提案していきたいと考えている。尽きることのないアイディアで、これからも同じ思いを持つ仲間たちと沖縄市のために邁進(まいしん)していく。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 米軍は沖縄戦中、本島北部を中心に12カ所余の収容地区を設置し、住民の保護に努めま した。収容地区のひとつ、「キャンプコザ」は越来村(現、沖縄市)嘉間良を中心として越来・室川・安慶田などにまたがって形成されました。落ち着きを取りもどした人々は米軍から物資の配給を受け、軍作業に従事し、収容所の生活を中心にしながらも「戦後生活」へと動き始めていきます。
 嘉間良での配給物資ですが、米・豆・ミート・缶詰などといった食糧だけでなく、毛布・洋服・蚊帳・靴・寝台など日用の品も含めて配給品の種類は実に豊富で、本部配給所では食糧が途切れることがなかったそうです。そして、ほぼ2日に1度の割合で物資が人々の手に渡っていました。
 戦争で家屋や仕事を失い、明日をも知れない沖縄の人々にとって、たとえ不足がちであっても米軍からの配給は、まさに命綱であったことだろうと思います。  人々の命をつないだ物資がどれだけの頻度で配給されていたのか。企画展「沖縄市の沖縄戦―そして戦後へ」では、物資の配給頻度表も展示されています。ぜひ、ご覧になって下さい。

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食糧配給所の職員一同
住民は、米軍将兵とともに配給所の運営にあたっていました。1946年、嘉間良

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