○沖縄市火災調査規程
| (平成30年8月1日消本訓令第7号) |
|
目次
第1章 総則
第1節 通則(第1条-第5条)
第2節 火災の基準(第6条-第14条の2)
第3節 調査の体制及び執行(第15条-第19条)
第4節 調査上の心構え(第20条-第28条)
第5節 現場の保存(第29条-第31条)
第2章 原因調査
第1節 通則(第32条-第34条)
第2節 消防庁長官の調査(第35条・第36条)
第3節 調査の実行(第37条-第41条)
第4節 原因の判定(第42条)
第3章 損害調査(第43条-第46条)
第4章 調査資料(第47条-第52条)
第5章 調査書類の作成及び報告
第1節 書類の作成報告(第53条-第58条)
第2節 速報等(第59条-第61条)
第6章 り災証明及び情報開示
第1節 り災の証明(第62条-第64条)
第2節 情報の開示(第65条・第66条)
第7章 震災時の火災調査体制(第67条-第71条)
附則
第1章 総則
第1節 通則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「調査」という。)について必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 火災 人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。
(2) 爆発現象 科学的変化による爆発の一つの形態であり、急速に進行する科学反応によって多量のガスと熱とを発生し、爆鳴・火災及び破壊作用を伴う現象をいう。
(3) 建物 土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するもの、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物に設けた事務所、店舗、興行場、倉庫その他に類する施設をいい、貯蔵槽その他これに類する施設を除く。
(4) 収容物 原則として柱、壁等の区画の中心線で囲まれた部分に収容されている物をいう。
(5) 森林 木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹と、これらの土地以外で木竹の集団的な生育に供される土地をいい、主として農地又は住宅地若しくはこれに準じる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。
(6) 原野 雑草、灌木類が自然に生育している土地で人が利用しないものをいう。
(7) 牧野 主として家畜の放牧又は家畜の飼料若しくは敷料の採取の目的に供される土地(耕地の目的に供される土地を除く。)をいう。
(8) 自動車車両 次号の鉄道車両以外の車両で、原動機によって運行することができる車両をいう。
(9) 鉄道車両 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)における旅客、貨物の運送を行うための車両又はこれに類する車両をいう。
(10) 船舶 独行機能を有する帆船、汽船及び端舟並びに独行機能を有しない住居船、倉庫船、はしけ等をいう。
(11) 航空機 人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船等の機器をいう。
(12) 鑑識 火災原因の判定のため、専門的な知識、技術、経験及び機器を活用し、総合的な見地から具体的な事実関係を明らかにすることをいう。
(13) 鑑定 火災にかかる物件の形状、構造、材質、成分、性質及びこれに関連する現象について科学技術的手法により必要な試験及び実験を行い、その結果をもとに火災原因判定のための資料を得ることをいう。
(14) 欠陥 製造物責任法第2条第2項に規定する欠陥をいう。
(15) 関係者 法第2条第4項に定める者をいう。
(16) 関係のある者 関係者、火元責任者及び火気取扱者並びに火災の発見者、通報者、初期消火者をいう。
(17) 発火源 出火に直接関係し、又はそれ自体から出火したものをいう。
(18) 経過 出火に関係した現象、状態又は行為をいう。
(19) 着火物 発火源によって最初に着火したものをいう。
(20) 出火箇所 火災の発生した箇所をいう。
(調査の基本)
第3条 調査は、物的証拠を主体とし、関係者等の供述に基づいて検討を加え、科学的方法による合理的な事実の解明を図らなければならない。
(調査の対象)
第4条 調査の対象は、沖縄市内において発生したすべての火災とする。ただし、法に基づく調査権の行使できない地域、施設等の火災はこの限りではない。
2 前項の調査権の行使できない地域、施設等とは、外交特権を認められている者が勤務し、あるいは居住する公的施設であり、軍用機、軍艦、自動車等も含むものとする。
(調査の区分)
第5条 調査は、火災原因調査及び火災損害調査に区分する。
2 火災原因調査は、次に掲げる事項を究明するために行うものとする。
(1) 出火原因 発火源、経過及び着火物並びに出火箇所
(2) 火災の性状 煙の流動状況、延焼経路及び延焼拡大の要因
(3) 火災初期の対応 発見状況、通報状況及び消火状況
(4) 避難状況 火災現場における避難者、要救助者の行動及び救出救助状況等
(5) 消防用設備等の設置使用状況
(6) 死傷者の状況
(7) 前各号に掲げるもののほか消防行政上必要な事項
3 火災損害調査は、火災によって受けた損害のうち、直接的な損害をいい、次に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。この場合、休業損失、焼け跡の整理費、消火経費等の間接的な損害を除く。
(1) 焼き損害 火災の火炎、高熱等によって焼けた、こわれた、すすけた、変質したもの等の損害をいう。
(2) 消火損害 火災の消火行為に付随して発生する水損、破損及び汚損等のものの損害をいう。
(3) 爆発損害 爆発現象の破壊作用によって発生した損害のうち、焼き損害及び消火損害以外の損害をいう。
(4) 死傷者 火災による死者及び負傷者をいう。
第2節 火災の基準
(火災件数)
第6条 火災の件数は、一つの出火点から拡大したもので、出火から鎮火に至るまでを1件として計上するものとする。
2 飛火による火災が現場から消防隊が引上げた後に発生した場合は、当該火災は別件火災とする。
3 1つの消防対象物の火災で出火点が2箇所以上ある次に掲げる場合は、1件として取り扱う。
(1) 同一人又は共謀して2人以上の者が連続して行った放火又は火遊びと推定される火災
(2) 燃焼が合流したため、焼損部分の判別が決定できない火災
(3) 原因が同一の漏電に基づく同時出火の火災
(4) 爆発、地震又は落雷による火災
(火災の種別)
第7条 火災は、次の種別に区分する。
(1) 建物火災 建物又はその収容物が焼損した火災をいう。
(2) 林野火災 森林、原野又は牧野が焼損した火災をいう。
(3) 車両火災 自動車車両、鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災をいう。
(4) 船舶火災 船舶又はその積載物が焼損した火災をいう。
(5) 航空機火災 航空機又はその積載物が焼損した火災をいう。
(6) その他の火災 前各号に掲げる火災以外の火災をいう。
2 前項各号の火災が複合する場合の火災の種別は、焼き損害の大なるものによる。ただし、その態様により焼き損害の大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められる場合は、この限りではない。
3 前項の焼き損害額が同額又は算出されない場合は、火元の火災の種別による。
(焼損の程度)
第8条 建物の焼損の程度は、次のとおり区分する。
(1) 全焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の70パーセント以上のもの又はこれ未満であっても残存部分に補修を加えても再使用できないものをいう。
(2) 半焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント以上のもので、全焼に該当しないものをいう。
(3) 部分焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額が20パーセント未満のもので、ぼやに該当しないものをいう。
(4) ぼや 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額が10パーセント未満であり、焼損床面積が1平方メートル未満のもの、又は収容物のみ焼損したものをいう。
(焼損棟数の算定)
第9条 焼損棟数とは、焼損した建物の棟数をいい、棟とは、一つの独立した建物をいう。ただし、渡り廊下の類で2以上の棟に接続しているものは、その部分を折半してそれぞれの棟と同一棟とする。
(焼損面積の算定)
第10条 建物の焼損面積の算定は、原則として実測によるものとし、次のとおり区分する。
(1) 焼損床面積 建物の焼損が立体的に及んだ場合は、焼損したことによって機能が失われた部分の床面積をいう。
(2) 焼損表面積 建物の焼損が部分的である場合(立体的に焼損が及ばなかった場合)をいい、内壁、天井、床板等部分的なものをいう。
(り災世帯の算定)
第11条 り災世帯の算定については、次に掲げるとおりに区分し、国勢調査の例に準じて、り災世帯数を算出するものとする。
(1) 一般世帯 「施設等の世帯」以外の世帯をいう。
(2) 施設等の世帯 学校の寮・寄宿舎の学生・生徒、病院・診療所などの入院者、社会施設の入所者、自衛隊の営舎内・艦船内の居住者、矯正施設の入所者などから成る世帯をいう。
(世帯のり災程度)
第12条 世帯のり災程度は、次のとおり区分する。
(1) 全損 建物(その収容物を含む。以下半損、小損において同じ。)の火災損害額が、り災前の評価額の70パーセント以上のものをいう。
(2) 半損 建物の火災損害額が、り災前の建物の評価額の20パーセント以上で全損に該当しないものをいう。
(3) 小損 建物の火災損害額が、り災前の建物の評価額の20パーセント未満のものをいう。
(り災人員の算定)
第13条 一般世帯がり災した場合は、当該世帯の全ての人員をり災人員とする。ただし、共同住宅の供用部分のみり災した場合は、り災人員を計上しない。
2 施設等の世帯がり災した場合は、被害を受けた部屋に居住する人員又は実際に火災損害を受けた人員のみをり災人員とする。
(出火日時分の決定)
第14条 出火日時分の決定は、関係者又は関係のある者(以下「関係者等」という。)の火災発見状況、通報(覚知)時分及び消防対象物の構造、材質、状態並びに火気取扱い等の状況を総合的に検討し、合理的な時分とする。ただし、出火日時が推定困難な場合は、消防機関が最初に火災を覚知した時刻とする。
(事後聞知火災)
第14条の2 事後聞知の方法で覚知された火災(以下「事後聞知火災」という。)の調査は次の各号のとおりとする。
(1) 事後聞知火災における火災の認定は、調査員が火災現場(焼損又は爆発による損害物件)を現認することを原則とする。ただし、車両、船舶、航空機及びその他の火災に限り警察機関が撮影した現場の写真及び当該現場に関係のある者の供述があった場合は、火災として認定することができる。
(2) 事後聞知火災の鎮火時分は、焼損物件及び関係者等の供述から総合的に判断して、現場の最高指揮者が決定するものとする。
(3) 爆発の場合の事後聞知火災の鎮火時分は、現場の最高指揮者が出火又は再爆発のおそれがないと認定した鎮火時分とするものとする。
(4) 自然鎮火した事後聞知火災で出火時間の決定が困難な場合は、出火時分を不明とすることができる。
第3節 調査の体制及び執行
(調査の責任)
第15条 調査の実施責任者は、消防長又は消防署長とする。
(体制の確立)
第16条 消防長は、調査に必要な人員及び調査用資器材を整備し、調査体制を確立しなければならない。
(調査本部の設置)
第17条 消防長は、大規模火災、社会的影響又は大規模震災時における火災等の必要があると認める場合、機能的かつ効率的な調査の執行のため、調査本部を設置する。
2 前項の規定による調査本部を設置した場合は、消防長が調査の指揮統制に当たるものとする。
3 消防長は、調査が完了した場合は、調査本部を解散する。ただし、調査の状況により調査完了前であっても調査本部を解散することができる。
4 前項ただし書の規定により調査本部が解散した場合は、予防課長が継続して調査を行わなければならない。
(調査の実施区分)
第18条 調査の実施区分は、次に掲げるとおりとする。
(1) 消防署の調査区分
ア 建物火災で焼損面積が概ね20㎡以下のもの
イ 森林、原野又は牧場が焼損した火災
ウ その他の火災
(2) 予防課の調査区分
ア 放火と断定する火災又は死者が生じた火災
イ 法第11条第2項の規定により市町村長等の許可を受けて設置された製造所、貯蔵所若しくは取扱所において発生した危険物施設火災
ウ 車両火災及び船舶火災並びにその積載物が焼損した火災
エ 消防長が特に調査を命じた火災
オ 前号に掲げる以外の火災
2 特定防火対象物、出火原因が特異と推定される火災及び前項に掲げる区分のとおり実施し難いと認めるときは、協議して決定する。
3 車両火災及び製品火災が疑われるものに関しては、専門機関との原因調査を見据え、焼損物件の保管・保存に努めること。
(調査員の選任)
第19条 調査員は沖縄市消防査察証規則(昭和55年規則第4号)に基づく消防査察証(以下「消防査察証」という。)の交付を受けた消防職員とする。
2 前項に掲げる調査員の調査主任は、消防司令補以上の階級にある者を充てるものとする。ただし、消防司令補以上の階級にある者が不在の場合、直下の階級にある者を調査主任に命ずることができるものとする。
第4節 調査上の心構え
(調査員の心得)
第20条 調査員は、常に火災の現象、関係法令その他調査に必要な知識を修得するとともに、調査の適正を期せるよう調査技術を研究し、調査能力の向上に努めなければならない。
2 調査員は、調査に当たり次の事項を遵守しなければならない。
(1) 法その他関係法令を遵守し、調査上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
(2) 調査に当たり個人の民事的紛争に関与してはならない。
(3) 警察機関、海上保安本部その他関係機関(以下「警察等」という。)と緊密な連絡を保ち、相互に協力して調査に当たらなければならない。
(4) 関係者等への聴取は、重複を避け効率的に行うものとする。
(関係者等の承諾及び立ち合い)
第21条 調査員は、調査に際し、関係者の承諾及び立合いを得て行うものとする。
2 調査員は、り災建物又は関係のある場所に立ち入る場合においては、消防査察証を携帯し、関係者等の請求がある場合は、これを示さなければならない。
(質問)
第22条 調査員は、法第32条第1項に基づき関係者等に対し質問をする場合は、時機を失することなく、正確な供述を得るとともに当該関係者等に迷惑をかけないように留意しなければならない。
2 調査員は、質問をする場合は、強制的手段を避け、場所、時間等を考慮し、被質問者の任意の供述を得るよう努め、みだりにその供述を誘導してはならない。
3 個人のプライバシーに関する事項の質問は、第三者が不在の場所で行うものとする。
(少年等に対する質問など)
第23条 調査員は、少年法(昭和23年法律第168号)第2条第1項に規定する少年並びに身体障害者福祉法(昭和24年法律283号)第4条に規定する身体障害者及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律123号)第5条に規定する精神障害者(以下「少年等」という。)の関係する火災で、前条に規定する質問を行う場合は、立会人を置いて行わなければならない。ただし、立会人を置くことで、真実の供述を得られないと判断される場合は、この限りではない。
2 前項の質問を行うに当たっては、少年等の心情を考慮して、充分な配意をもって行わなければならない。
3 少年等は、現場見分に立ち会わせてはならない。ただし、調査のため特に必要があると認める場合であって、年齢、心情その他諸般の事情を考慮して支障がないと認める場合は、この限りではない。
(氏名の公表禁止)
第24条 少年の放火又は失火による火災について、市民、報道機関に発表する場合は、氏名、年齢、住所その他本人を推知できるような情報を漏らしてはならない。
(児童に対する取扱いの特例)
第25条 調査員は、火災の発生に関係した児童(児童福祉法(昭和22年法律第164号)第4条に規定する満18歳に満たない者をいう。以下同じ。)に対し質問を行う場合には、親権者の立会いものとで行う等、特に配慮しなければならない。
2 前項に定める児童に関する調査に当たっては、児童の特性をよく理解し、言動に注意し、その心情を傷つけないように努めなければならない。
3 調査員は、児童に関する調査を行うに当たって必要がある場合は、警察署、児童相談所、学校、その他関係機関と連絡を密に行わなければならない。
(被疑者に対する質問など)
第26条 警察官に逮捕された放火又は失火の被疑者に対し質問をする場合は、法第35条の2第2項の規定に基づき、捜査に支障を及ぼさないよう留意しなければならない。
(任意供述の確保)
第27条 捜査員は、前4条の規定により、関係者等から供述を得る場合においては任意の供述を原則とし、関係者等が直接経験した事実の供述を得るよう努め、その供述を誘導してはならない。
(伝聞の排除)
第28条 調査員は、伝聞による供述を排除し、事実の供述を得るよう努めなければならない。
第5節 現場の保存
(消防活動中の現場保存)
第29条 現場指揮者は、出火場所と推測される場所及びその付近の消防活動に当たっては細心の注意を払うよう消防隊員に指示を行い、調査に支障のないよう原形の保存に努めなければならない。
2 現場指揮者は、残火整理のため、出火場所付近の物件を移動し、又は破壊しようとする場合は、消防隊員に写真撮影等の必要な指示を行い、調査に支障のないように努めなければならない。
(消防活動後の現場保存)
第30条 消防署長又は現場指揮者は、次の各号に定めるところにより火災鎮火後の現場を保存しなければならない。ただし、警察等によって現場保存がなされている場合は、この限りではない。
(1) 現場保存区域は、警察等と協議して決定する。
(2) 現場保存区域は、必要最小限度の範囲にとどめる。
(3) 現場保存区域は、縄張その他の方法で表示する。
(4) 現場保存区域は、必要と認める者のほか、みだりに出入させてはならない。
(5) 現場保存区域は、調査の進行に伴い順次縮小解除するものとする。
(焼死者等の取扱い)
第31条 調査員又は消防隊員は、現場において焼死者又はその他の死者を発見した場合は、直ちに現場指揮者に報告しなければならない。
2 前項の報告を受けた現場指揮者は、消防長及び消防署長に報告するとともに、所轄警察署に通報し、その現場保存に努めなければならない。
第2章 原因調査
第1節 通則
(調査の原則)
第32条 調査は、火災覚知と同時に着手し、火災時及び鎮火後にわたって行い、常に事実の確認を主眼とし、先入観又は個人的感情に走ることなく科学的な方法と合理的な判断により事実の究明に努めなければならない。
(調査の引き継ぎ)
第33条 現場指揮者は、消防署が行うこととされた火災以外の火災であっても必要な調査を行い、予防課調査員が火災現場に到着した場合は、速やかに調査の状況を引き継がなければならない。
(安全管理)
第34条 現場調査における安全管理上必要な事項は、次のとおりとする。
(1) 高所における転落防止措置
(2) 落下防止措置
(3) 頭、腕、足部等の身体保護措置
(4) ガス、煙、粉じん等の環境内における防塵マスク等の防護措置
(5) 重量物搬送時の危険防止措置
第2節 消防庁長官の調査
(消防庁長官への要請)
第35条 消防長は、次に掲げる火災で必要と認める場合は、法第35条の3の2の規定により、消防庁長官に対して調査を求めるものとする。
(1) 多数の死者が発生するなど社会的影響が極めて大きい火災
(2) 燃焼の性状が特殊である火災であって、通常の原因調査ではその原因究明が困難と認められるもの
2 前項の長官調査を求める場合、まず口頭で行い、次に火災原因の調査依頼書(様式第1号)により要請するものとする。
(消防庁長官の火災の原因調査に伴う連携)
第36条 消防長は、前条の要請又は調査の実施について通知があった場合は、速やかに次の各号に掲げる事項について対処するものとする。
(1) 消防庁長官による火災原因調査実施通知書(様式第2号)により沖縄県警察本部長に通知する。また、必要に応じ、沖縄県知事公室長に通知する。
(2) 合同捜査本部の設置
(3) 消防庁長官及び警察機関との調査の実施にかかる調整
(4) その他必要事項
第3節 調査の実行
(火災出動時の見分)
第37条 火災に出動した消防隊員は、出動途上、現場到着時及び消火活動において火煙の状況、燃焼の状況及び推移、施錠の状況、消防用設備等の使用及び作動状況、関係者等の言動等その他原因の究明に必要と認められる事項を把握しなければならない。
2 火災に出動した消防隊員は、前項の規定により把握した事項を集約して、別に定める見分調書を作成しなければならない。
(実況見分)
第38条 調査員は、火災現場の燃焼度合、建築物各部分及び機器等の焼き状況を綿密詳細に見分しなければならない。
2 前項の実況見分を行った調査員は、実況見分調書(様式第4号)を作成するものとする。ただし、火災の状況により調査の責任者がその必要がないと認めた場合は、その限りではない。
3 前項の実況見分調書の作成要領は、別に定める方法とする。
(図面及び写真)
第39条 調査員は、火災原因調査に必要と認める場合は、火災調査図面用紙(様式第5号)を用い図面を作成し、又は火災現場の現況及び見分の内容を明らかにするため、写真による記録を行うものとする。なお、写真撮影用カメラは、35ミリメートルフィルムカメラ又はデジタルカメラを用いるものとする。
2 前項により記録した写真は、火災現場記録写真台紙(様式第6号、様式第7号)に添付又は印刷し、必要な説明を記入するとともに、記録媒体により整理し、保存しなければならない。
3 デジタル写真を用いる場合、原則として実況見分時に撮影した写真とし、これをパソコン等により補正及び修正を加えてはならない。
(質問調書)
第40条 調査員は、第22条、第23条及び第26条に定める質問をした場合は、質問調書(様式第8号)を作成するものとする。この場合においては、聴取した内容を被質問者に読み聞かせるなどし、記載事項に誤りがないこと等を確認し、質問調書に署名を求めることができる。
2 児童等に関する質問調書には、前項に定める調書により立会者の署名を求めることができる。
3 パソコン等により作成する場合は、書式中の罫線を省略することができる。
(防火管理の状況)
第41条 調査員は、法第8条第1項又は法第17条第1項に規定する防火対象物(建物に限る。)については、防火管理等調査書(様式第9号)を作成しなければならない。
第4節 原因の判定
(原因の判定)
第42条 火災原因は、火災出動時における見分調書、実況見分調書、質問調書及びその他関係資料を総合的に検討し、科学的かつ合理的に考察して次の各号により判定しなければならない。
(1) 断定 信憑力の多い各資料を総合することによって全く疑う余地がなく、その原因が具体的かつ科学的に確定せられ何らの推理を必要としない場合
(2) 判定 信憑力の多い各資料を総合することのみによっては具体的かつ科学的にその原因を断定することができないが、多少の推理を加えることによって疑う余地を残さない場合
(3) 推定 信憑力の少ない資料によって直接判定できないが、推理すれば合理的に一応その原因が推定できる場合
(4) 不明 原因決定の基礎となる資料がないか、若干の資料があっても、その資料の信憑力が少なく、多少の推理を加えても合理的にその原因を推定することができない場合
2 調査員は、前項に定める火災原因を判定した場合は、火災原因判定書(様式第10号)を作成するものとする。なお、火災原因判定書には、判定に必要とした書類を添付しなければならない。
第3章 損害調査
(り災物件の調査)
第43条 調査員は、第5条第3項に定める火災の損害を調査し、正確な損害の把握に努めなければならない。
[第5条第3項]
(り災物件の申告)
第44条 調査員は、火災損害調査に必要と認める場合は、り災した消防対象物の関係者に対し次の各号に掲げる火災損害届出書により申告を求めるものとする。
(1) 火災損害届出書(動産・不動産)(様式第11号)
(2) 火災損害届出書(車両・船舶・航空機・その他)(様式第12号)
2 関係者からの火災損害届出書は、これを審査して受理するものとする。審査結果、現場における消防対象物のり災状況調査の内容と当該り災申告内容が著しく異なる場合は、質問等によりその矛盾を明らかにし、訂正を求めた後、受理するものとする。
(損害額の算出)
第45条 調査員は、調査により把握したり災物件及び火災損害届出書を総合的に検討し、損害額を算出しなければならない。
2 前項の損害額は、り災した当時の時価とし、算出基準については火災報告取扱要領の全部改正について(平成6年消防災第100号)により算定し、火災損害調査書(様式第13号から様式第15号)を作成しなければならない。ただし、これにより難い場合は、この限りでない。
3 前項の損害額を査定する場合は、別に定める損害査定書により算定するものとする。
(火災による死傷者)
第46条 調査員は、火災に起因して死傷者が発生した場合は、その状況を調査し、死傷者調査書(様式第16号)を作成しなければならない。
(1) 死者又は負傷者とは、火災現場において火災に直接起因して死亡した者(病死者を除く。)又は負傷した者をいう。ただし、消防職員及び消防団員については、火災を覚知した時より現場を引き揚げる時までの間に死亡した者又は負傷した者をそれぞれ死者又は負傷者とする。
(2) 火災により負傷した後48時間以内に死亡した者は、火災による死者とする。
(3) 負傷者のうち火災に起因する負傷により48時間を経過して30日以内に死亡したものは、30日死者として取り扱う。
(4) 死者及び負傷者は、消防職員、消防団員、応急消火義務者、消防協力者、その他の者に区分する。負傷の程度は、重症、中等症及び軽傷の3種に区分し、その基準は、救急事故等報告要領(昭和39年自消甲教発第18号消防庁長官通知)に定めるところによる。
第4章 調査資料
(資料の提出)
第47条 消防長又は消防署長は、調査のため必要と認める場合は、関係のある者に対して質問し、資料の任意提出又は報告を求めるものとする。
2 消防長又は消防署長は、前項の規定により難い場合、法第32条第1項又は第34条第1項の規定に基づき、関係のある者に対して火災調査関係資料提出命令書(様式第17号)により、必要な資料の提出を命じ、若しくは報告を求めるものとする。
(所有権の確認)
第48条 消防長又は消防署長は、前条の規定により資料が提出された場合は、火災調査関係資料提出書(様式第18号)により所有権放棄の有無を確認しておかなければならない。
(資料の受領及び処分)
第49条 消防長又は消防署長は、資料を受領した場合、火災調査関係資料受領書(様式第19号)に必要事項を記載し調査が終了するまで保管しなければならない。
2 資料提出者が資料の返還を求める場合は、調査終了後、火災調査資料返却確認書(様式第20号)により返還するものとする。
3 資料提出者が資料の所有権を放棄した場合は、調査終了後適宜処分するものとする。
(鑑定の依頼)
第50条 消防長又は消防署長は、調査のため必要がある場合、学識経験者又は官公署に対し、資料の鑑定を依頼することができるものとする。
2 前項の規定により鑑定を依頼する場合は、鑑定依頼書(様式第21号)によるものとする。
(鑑定処分の承諾)
第51条 消防長又は消防署長は、第46条により提出された資料について鑑定を行う場合は、あらかじめ関係者から鑑定処分承諾書(様式第22号)を徴収しなければならない。だたし、関係者が所有権を放棄した場合は、この限りでない。
[第46条]
(試験及び実験)
第52条 調査員は、調査をするため必要があると認める場合は、試験又は実験を行うことができる。
2 調査員は、前項の規定による試験又は実験を行った場合は、試験(実験)記録書(様式第23号)を作成しなければならない。
第5章 調査書類の作成及び報告
第1節 書類の作成報告
(書類作成の原則)
第53条 調査書類の作成は、その事実をありのまま明瞭に表わし、誇張を避け平易にして簡明に表現するよう努めなければならない。
(調査結果報告)
第54条 予防課長又は警防課長は、調査が終了した場合は、火災調査報告書(様式第24号)に次の各号に掲げる順に書類を添付し整理編冊し、消防長に報告するものとする。ただし、火災の種別、規模及び被害程度により、別表に定めるところにより書類の一部を省略することができる。
(1) 火災調査書(様式第25号の1~2)
(2) 火災原因判定書
ア 鑑定書
イ 火災調査関係事項照会書に対する回答文書
ウ その他原因判定上の参考書類
(3) 実況見分調書
ア 図面(見取図、平面図、出火箇所図、その他必要な図面)
イ 火災現場の写真(外観、焼損状況、出火元詳細、その他必要と認められる写真)
(4) 火災出動時における見分調書
(5) 質問調書
(6) 防火管理等調査書
(7) 火災損害届出書
(8) 火災損害調査書
ア 損害額の認定の根拠となった資料等
(9) 死傷者調査書
(10) その他必要と認められる資料等
2 前項の調査書類の作成に当たっては、必要に応じ継続用紙(様式第26号)を使用するものとする。
3 調査書類及び資料等の作成は、次に掲げる調査を実施した者が作成する。
(1) 火災調査書及び火災原因判定書にあっては、消防士長以上
(2) 火災出動時における見分調書にあっては、現場に到着した各隊の指揮者
(3) 実況見分調書にあっては、消防士長以上
(4) 質問調書にあっては、消防士以上
(5) 現場図面、現場写真にあっては、消防士以上
4 第4条に定める調査権の行使できない地域、施設等の火災は、火災件数その他判明している事項のみ記入し、不明の事項については、その旨を明記して火災調査書を作成すること。
[第4条]
(報告の期限)
第55条 前条の報告は、次に掲げる日までに行うものとする。ただし、当該期日までに報告ができない場合は、その状況を消防長に報告するものとする。
(1) 建物火災以外の火災は、その覚知の日から起算して概ね20日
(2) 焼損程度が半焼以下の建物火災(出火原因が不明の場合の建物火災を除く。)は、その覚知の日から起算して概ね30日
(3) 前号に掲げる以外の建物火災又は第18条第2項に掲げる特異な火災は、その覚知の日から起算して概ね60日
[第18条第2項]
(調査書の訂正)
第56条 火災調査書の提出後において、原因の決定又は立証等について新事実が判明した場合は、速やかに火災調査書の訂正報告書(様式第27号)により訂正しなければならない。
2 前条の火災調査書の提出後において、火災の原因を調査中とした火災事案は、出火日から1年を経過しても原因に結びつく新事実が判明しない場合は、火災調査書の訂正報告書により不明として訂正しなければならない。
(製品火災の報告)
第57条 消防長又は消防署長は、製品火災又は製品火災と疑われる火災が発生した場合は、平成21年消防予第154号「製品火災に係る報告について」に基づき消防庁に報告しなければならない。
(調査書類の保存)
第58条 この訓令に基づき作成した調査書類は、消防長への報告後に火災調査記録簿(様式第28号)に記載し、別に定めるとおり保存するものとする。
第2節 速報等
(火災速報)
第59条 消防署長は、管轄内で火災が発生した場合は、必要に応じて火災の概要を火災速報(様式第29号)として消防長に報告するものとする。
2 消防長は、前項により報告があった場合は、必要に応じて市長に報告するものとする。
(火災・災害等即報)
第60条 消防長は、火災概要が次の各号のいずれかに該当する場合は、火災・災害等即報(昭和59年消防災第267号)を作成し、第1報を原則として30分以内に可能な限り早く、分かる範囲でファクシミリ等により関係機関に報告すること。
(1) 死者が3人以上を生じたもの
(2) 死者及び負傷者の合計が10人以上生じたもの
(3) 建物火災のうち、次のいずれかに該当するもの
ア 特定防火対象物で死者の発生したもの
イ 高層建築物の11階以上の階、地下街又は準地下街において発生した火災で利用者等が避難したもの
ウ 国指定重要文化財又は特定違反対象物の火災
エ 建物焼損延べ面積3,000平方メートル以上と推定されるもの
オ 損害額1億円以上と推定されるもの
(4) 林野火災のうち、次のいずれかに該当するもの
ア 焼損面積10ヘクタール以上と推定されるもの
イ 空中消火を要請したもの
ウ 住宅等へ延焼するおそれがある等社会的に影響度が高いもの
(5) 交通機関の火災で、次に掲げるもの
ア 航空機火災
イ タンカー火災の他社会的影響度が高い船舶火災
(6) 石油コンビナート等特別防災区域内及び危険物施設、高圧ガス施設等の火災又は爆発事故
ア 危険物、高圧ガス、可燃性ガス、毒物、劇物等を貯蔵し、又は取り扱う施設の火災又は爆発事故
イ 特定事業所内の火災
(7) 前各号に掲げるもののほか、社会的に影響度の高いもの又は特殊な原因による火災、特殊な態様による火災等消防上参考になるもの。
2 前項に基づき報告を行う関係機関は、原則として沖縄県とし、直接即報基準に該当する場合は、第1報を沖縄県に加え、消防庁へも報告を行うこと。
(火災四半期報告等)
第61条 消防長は、四半期分の管内の火災発生状況を取りまとめ四半期報告総括表を作成し、指定された日までに報告しなければならない。
2 消防長は、消防庁長官から報告を求められた場合は、火災詳報(火災報告取扱要領(平成6年消防災第100号)第2号様式)を作成し、指定された日までに沖縄県を通じ消防庁長官に報告しなければならない。
第6章 り災証明及び情報開示
第1節 り災の証明
(り災の証明)
第62条 消防長は、火災のり災者又は関係者からり災証明交付申請書(様式第30号)により、火災による被害の証明の申請があった場合は、り災証明書(様式第31号)を交付するものとする。
(証明事項)
第63条 り災証明書で証明できる事項は、火災損害調査の結果及び第44条に規定する火災損害届出書の内容に基づき、火災によってり災した関係者の物件に関する事項とする。ただし、証明には、次の各号に掲げる事項を含めてはならない。
[第44条]
(1) 火災原因に関する事項
(2) 火災損害額に関する事項
(3) 職務上の秘密に属する事項
(4) 法令等又は公序良俗に反する事項
(り災証明の処理)
第64条 り災証明書を交付した場合は、り災証明処理台帳(様式第32条)に記載し交付の状況を明確にしておかなければならない。
第2節 情報の開示
(照会の回答)
第65条 捜査機関その他関係機関から照会があった場合は、消防長が回答を行うものとする。
(情報開示の請求)
第66条 調査書類の開示請求に対する取扱いについては、沖縄市情報公開条例(平成13年沖縄市条例第18号)、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び沖縄市個人情報保護法施行条例(令和5年沖縄市条例第6号)並びに火災原因等調査書類の開示に際しての取扱いについて(平成7年消防予第144号)に定めるところによるものとする。
第7章 震災時の火災調査体制
(情報の収集)
第67条 予防課長は、地震の発生直後から災害状況の記録及び調査のための情報収集等に努めなければならない。
(震災に伴う火災の指定)
第68条 消防長は、調査を円滑に実施するために、震災時に発生した火災のうち、期間及び地域を限定した火災を指定するものとする。
(火災調査活動)
第69条 署長は、震災に伴う火災の指定を受けた火災の調査については、り災証明発行のための損害状況調査を優先するとともに、出火原因、延焼拡大状況等の記録に重点をおいた震災時の調査活動を実施するものとする。
2 前項の震災時の調査活動要領については、別に定めるものとする。
(火災件数等の取扱い)
第70条 震災時における火災件数は、次のとおりとする。
(1) 同一の消防対象物において、同一の震災により、同時期に発生した火災は1件とする。
(2) 1又は複数の火のついた消防対象物が津波等により移動し、延焼拡大した一連の火災は、全体を捉えて1件とする。(津波等により消防対象物が移動した後に、1又は複数の火災が発生し、延焼拡大した一連の火災も同様とする。)
2 火災の焼損範囲等の取り扱いは、震災に伴い発生した複数の火災(出火点が特定ができるもの)で、一連の広域的な焼損を生じた場合においては、それぞれの火災の焼損面積は、街区又は道路等により便宜的に区分して評価する。
3 火災種別等の取り扱いは、次のとおりとする。
(1) 建物については、当該消防対象物がもともと存した場所で焼損している場合(津波等により消防対象物が移動した場合を除く)、倒壊後に出火したか、出火後に倒壊したかに関わらず、「建物火災」とする。車両、船舶、航空機についても同様とする。
(2) 津波等により移動した消防対象物の火災の種別は、「その他の火災」とする。
4 火災による死者の取り扱いは、次のとおりとする。
(1) 火災現場(津波火災を除く)から発見された焼死体については、その死因が特定できない場合(火災に直接起因するものか、建物の倒壊等によるものかが判明しない場合)、火災による死亡として計上する。
(2) 津波火災の現場において発見された焼死体ついては、その死因が特定できない場合、火災による死者として計上しない。
(補則)
第71条 この訓令の施行に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
附 則
この訓令は、平成30年8月1日から施行する。
附 則(令和3年9月10日消本訓令第8号)
|
|
この訓令は、令和3年9月10日から施行する。
附 則(令和4年2月17日消本訓令第1号)
|
|
この訓令は、令和4年2月17日から施行する。
附 則(令和5年3月31日消本訓令第4号)
|
|
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。
様式第3号
削除
