今月の人

エイサーと若者力で地域活性化

291/奥村 幸博さん(31)

 市青年団協議会は、市の様々なイベントに参加・協力し、若い力で市の発展に貢献している。
 第39回市青年団協議会の定期総会で、第18代会長に就任した奥村幸博さん。今月はこれからの青年団協議会について話を聞いた。

奥村 幸博さん

 奥村幸博さんは、16歳から池原青年会でエイサーを始め、18歳から3年間同青年会長を務めた後、エイサーで北部地域の活性化を図るため美里中学校区にある明道、池原、知花、登川、松本、美里自治会青年会で、「美ら里の会」を起ち上げた。また、市青年団協議会の副会長を3年務め、今年の4月に開催された同協議会の総会で第18代会長に就任した。
 市青年団協議会とは、各自治会青年会の連携協調を図り、親睦交流を図りながら様々な活動を通して地域の発展と街づくりに貢献することを目的に活動を行っており、現在22団体が所属している。主な活動は、全島エイサーまつりや市内各地域で行われるエイサーまつり、成人式の運営などで、その他にも比謝川清掃や国際カーニバル、生涯学習フェスティバル、産業まつり、クリーンデー、おきなわマラソンなど様々な催しに参加・協力し、支えている。また、市青年団協議会の役員や会員向けに、青年リーダ―宿泊研修や青年フォーラム、スポーツ交流事業を開催し、会員のスキルアップを図っている。
 市青年団協議会長として奥村さんは「歴史ある協議会なので、昔からの伝統を守りながら、各青年会のエネルギッシュな若者が存分に力を発揮できるよう舵取りできる会長でありたい」と話しており、これからの協議会の取り組みについては「本市はエイサーのまち宣言をしており、各青年会はエイサーによるまちおこしに日々奮闘している。地域は若者で守り、盛り上げていかなければいけない。各青年会は会員不足で悩んでいるが、若者がお互いの関わりを失わないように『絆』をしっかり結んでいく努力をしなければならない」と語っている。
 奥村さんは仕事に従事しながら、地元地域の活動や市青年団協議会の運営をこなすなど、多忙である。「毎年夏になると、各青年会ではエイサーの練習に一生懸命励んでいる。地元地域の皆さんの理解と協力があるなかでの青年会活動なので大変感謝している。各青年会も会員を増やし、地域の皆さんに色々なことで頼られる存在にならないといけない」と話している。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 今年10月は、第6回世界のウチナーンチュ大会が開催されますが、これに合わせて「ヒストリートⅡ」でも戦前・戦後の移民や沖縄への引き揚げなどを紹介していきます。今回は「インヌミ収容所」を紹介しましょう。
 戦争が終わると、移民や兵役、疎開などで県外・海外にいた人々が沖縄へ引き揚げてきます。その数17万人。その多くは中城村久場崎で船を降り、トラックでインヌミ収容所に運ばれます。収容所で名簿の確認と帰村手続きを受けて帰村を待ちますが、1日~数日のうちに収容所を出てそれぞれの地域に帰ることができた人もい れば、1ヵ月待つ人もいるなどさまざまです。
 引き揚げてきた人々の目には、沖縄はどのように映ったのでしょうか。例えば疎開先から帰ってきたある児童は、沖縄が「何もない」と聞き、九州で食器や鍋などの日用品を購入して持ち帰ってきたと言います。またある人は、船から見える夜の沖縄の明かりを見て 「戦争に勝った」と喜び、実際に上陸して現状を目の当たりにして絶望したという方、テニアンでの戦闘で家族を失い、悲しみの中ただ一人生きて帰って来たという方もいました。
 彼らがインヌミに滞在した時間はそう長くありません。しかしその名は彼らの記憶に留まり続けています。その意味を展示を通して考えてみませんか。

インヌミ収容所のようす(『琉球人引揚げ計画の最終報告書』より)
インヌミ収容所のようす
(『琉球人引揚げ計画の最終報告書』より)
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