戦跡を訪ね平和を考える

沖縄市戦跡めぐり

 市では、沖縄戦の実相や歴史的背景を伝える手法の一つとして戦跡をめぐり、改めて平和について考える機会を創出することを目的に沖縄市戦跡めぐりを実施している。今年度は7月28日に、市民や平和大使などが参加し、嘉手納空軍基地内の沖縄戦降伏調印式の碑や旧日本軍中飛行場(なかひこうじょう)格納庫跡、旧日本軍野戦病院跡、美さと児童園内にある市指定文化財の奉安殿や忠魂碑、北谷のクマヤーガマと米軍の沖縄本島上陸地点、市戦後文化資料展示室ヒストリートを訪ねた。嘉手納空軍基地内の戦跡は、普段、目にする機会が少ないこともあり、参加者は興味深そうに見入り、同基地の渉外担当者の説明に耳を傾けた。沖縄戦降伏調印式の碑は旧越来村森根に位置し、米軍と南西諸島の日本軍の間で降伏調印が行われた場所に建てられている。降伏調印の行われた9月7日を市では市民平和の日としている。奉安殿は天皇皇后両陛下の写真「御真影」や教育勅語(ちょくご)を保管した建物で、忠魂碑は戦死した日本軍人を慰めるために建立された。奉安殿と忠魂碑は明治時代から全国に建立されていったが、戦後、大半が取り壊された。

降伏調印の碑について説明を受ける参加者
降伏調印の碑について説明を受ける参加者

北谷町の米軍上陸地点付近にあるクマヤーガマ
北谷町の米軍上陸地点付近にあるクマヤーガマ

被爆地で戦争の惨さを学ぶ

平和大使が県外研修で長崎へ

 戦争の悲惨さや平和の尊さ、生命の大切さを学んでいる沖縄市平和大使が、8月7日から10日までの日程で県外研修として、福岡と長崎を訪れた。
 初日は福岡県筑前町の大刀洗(たちあらい)平和祈念館を見学し、地元の中学生と平和交流した。2日目は原爆落下中心地の碑や被爆当時の地層、外国人犠牲者の碑、山王神社の一本柱鳥居と被爆クスノキ、長崎大学医学部門柱などの被爆遺跡をめぐり、長崎原爆資料館を見学した。また、青少年ピースフォーラムに参加し、被爆体験者の講話を聴き、平和学習を行った。3日目は松山町の平和公園で挙行された長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参列し、献花した。最終日は恵の丘長崎原爆ホームを訪ね、被爆体験者から原爆投下時の惨状を聴いた。
 市では、被爆地である長崎と広島に毎年交互に平和大使を派遣している。

長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で献花する沖縄市平和大使
長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で献花する沖縄市平和大使

沖縄市から平和を発信

平和月間開始セレモニー

 本市では8月1日から9月7日までを「平和月間」と定めており、市民団体とともに様々な企画を実施して平和の尊さを市民に伝えている。
 月間の開始にあたり、7月31日に市役所でセレモニーが行われ、桑江市長が平和月間の開始を宣言し、沖縄市平和大使と、平和学習のため訪れていた姉妹都市の米沢市訪問団が紹介された。また、沖縄市平和大使を代表して越来中学校の喜友名寧々(ねね)さんがあいさつし「平和月間は戦争を知らない世代にとって大切な取り組み。平和について考える機会にしたい」と語った。セレモニーの最後には、平和大使ソング「時代(とき)の語り部」を沖縄市平和大使が合唱した。
 9月7日の「市民平和の日」には市民会館大ホールで記念行事が開催され、平和大使による紙芝居朗読や平和クイズ、HYのコンサートが行われる。

手話を交えて平和大使ソングを歌う大使達
手話を交えて平和大使ソングを歌う大使達

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