更新日:2023年6月26日
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「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が令和3年5月に改正され、令和6年4月1日に施行されます。これにより、事業者の合理的配慮の提供は「義務」になります。
行政機関等と事業者においては、事務・事業を行うに当たり、障がい者から何らかの配慮を求められた場合、「過重な負担」がない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要かつ合理的な配慮(合理的配慮)を行うことが求められます。
1.(視覚障がい者の場合)列に並んで順番待ちをする場合には並ぶべき列の場所などがわからない。
対応例⇒店員が順番について把握しておき、順番となるまで列とは別のところで待機できるようにした。
2.盲導犬を連れたお客が来店したところ、他のお客から犬アレルギーだという申し出があった。
対応例⇒双方にご了解いただいた上で、お互いが離れた位置になるよう席を変更した。
3.注文がタッチパネル式になっていると操作できない。
対応例⇒店員が操作を代行した。
4.メニューを読みたいのだが、平仮名しか読むことができないので、振り仮名を付けてほしい。
対応例⇒出来るだけ振り仮名を付すこととした。
※どのような対応が合理的配慮の提供になるかは、個々のケースでその都度判断しなければなりません。障がい種別や特性によって一律に定めることはできませんので、対応策への理解を事業主や従業員それぞれが深める必要があります。
「過重な負担」の有無については、個別の事案ごとに、以下の要素を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要です。
☆≪過重な負担(人的・体制上の制約)の観点≫
例えば、次のような例は合理的配慮の提供義務に反しないと考えられます。
小売店において、混雑時に視覚障がいのある人から店員に対し、店内を付き添って買い物を補助するよう求められた場合に、混雑時のため付き添いはできないが、店員が買い物リストを書き留めて商品を準備することを提案すること。
※上記はあくまでも考え方の一例であり、実際には個別に判断する必要があります。
・合理的配慮の提供に当たっては、社会的なバリアを取り除くために必要な対応について、障がいのある人と事業者が対話を重ね、共に解決策を検討していくことが重要です。このような双方のやり取りを「建設的対話」と言います。
・合理的配慮は、具体的に目の前にあるバリアを解消するために提供されるべきものです。
そのため
▷前例がないので出来ません。
▷万が一のことがあっては困るので、認められません。
▷特別扱いはできません。
といった理由で一律に判断することなく、個別に検討する必要があります。
・障害者差別解消法では障がいを理由とする「不当な差別的取り扱い」を禁止しています。
1.保護者や介助者がいなければ一律に入店を断る。
2.障がいのある人向けの物件はないと言って対応しない。
3.障がいがあることを理由として、障がいのある人に対して一律に接遇の質を下げる。
「障がいがある」という理由だけで財・サービス、各種機会の提供を拒否したり、それらを提供するに当たって場所・時間帯等を制限したりするなど、「障がいのない人と異なる取扱い」をすることにより障がいのある人を不利に扱うことのないようにしなければなりません。
「不当な差別的取扱い」をしないようにするにはどうすればよいのか、「合理的配慮の提供」を求められたが、どのように対応すればよいのかわからない…など、障害者差別解消法に関し困りごとがあれば下記の相談窓口にご相談ください。
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