更新日:2022年3月1日
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「緑の基本計画」とは、都市緑地保全法第2条の2に規定された「市町村の緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画」のことで、市町村が策定、市民に公表していく計画です。
また、緑地の保全、公園緑地の整備、公共公益施設及び民有地の緑化の推進まで、その都市の緑全般について将来のあるべき姿とそれを実現するための施策を明らかにする計画でもあります。
「緑の基本計画」が対象とする「緑地」は、公園に加え、樹林地、草地、水辺地、岩石地等自然的環境を形成しているオープンスペース、さらに住宅の庭や生垣等に至る緑まで幅広く捉えることができます。
「緑の基本計画」では、以下の様な項目が定められています。
緑地の保全及び緑化の目標
緑の基本計画に定められた施策が計画的かつ効率的実施を図るための指標、目標水準を定める。
緑地の保全及び緑化の推進のための施策に関する事項
目標を達成するための各種の施策とその展開方針を定める。
さらに、市町村の実情に応じて
緑地の配置の方針に関する事項、緑地保全地区内の緑地の保全に関する事項、緑化の推進を重点的に図るべき地区、及び当該地区における緑化の推進に関する事項を定める。
沖縄市の「緑の基本計画」は、平成12年(2000年)をスタート時に平成27年(2015年)を目標年次とします。
樹林地や水面は、それ自体が緑地として存在するだけではなく、様々な動植物の生息・生育環境の場として重要な役割を持っています。また、気温や風など都市の微気象を調整したり、Co2の吸収源として効果があるなど、都市の環境改善に役立っています。
一方、公園に代表されるオープンスペースは、レクリエーションを通じて市民に心身ともに健康な暮らしをもたらすとともに、コミュニティ活動などのふれあい・交流の場となっています。また、災害時の避難場所や避難路としての機能、火災の延焼をくい止める効果があります。
さらに、古来から緑と水が生活に密着し、風土に根ざした生活様式を色濃く残す沖縄では、これらの緑を継承することで発達した都市の人工感を和らげるとともに、沖縄らしい都市の風景をつくることにつながります。
沖縄市の都市の概況や緑の現状、市民意識などを踏まえ、以下の6つの緑の役割を設定し、緑のまちづくりの課題を検討します。
緑被面積
市域面積 2,261.7ha / 4,899.1ha
46.1%
6つの緑の役割 | 役割別緑のあり方(課題) |
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1.健康・レクリエーションの場の提供 |
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2.美しくやすらぎのある風景の形成 |
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3.都市災害の防止 |
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4.歴史的風土の継承 |
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5.都市環境の維持・改善 |
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6.生物の生息・生育環境の維持 |
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丘の自然ゾーン | 沖縄市の貴重な自然の背景となる緑として、開発等の制限など、その環境を守り育てていくゾーン |
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緑のスクエア 緑のトライアングル |
大規模公園や公共施設等を活かした市街地の骨格となる緑づくりに取り組んでいく拠点とネットワーク |
.中心の市街地ゾーン | 沖縄市の中心市街地として、拠点となる施設や軸となる道路、斜面緑地を活かして、ゆとりある都市的な緑の環境づくりに取り組んでいくゾーン |
.丘の住宅地ゾーン | 地区毎での歴史や自然の資源を活かし、潤いある緑の居住環境づくりに取り組んでいくゾーン |
.海辺のゾーン | 海辺の貴重な自然環境を守り、楽しむとともに、整った都市基盤を活かして潤いある緑の環境づくりに取り組んでいくゾーン |
水辺の回廊軸 | 親水性の向上、水質、周囲の自然環境の保全など、貴重な水辺の空間としてその保全・活用を図る骨格軸 |
緑の環境軸 | 市街地の地形を特徴づける斜面緑地からなる緑の帯軸 |
緑の回廊軸 | 市街地を貫き結ぶシンボル空間としての道路の骨格軸 |
平成12年現在、沖縄市の緑の量は1108.7haで市域に対して36%です。その大部分は農用地や斜面地、嶽山原の森林等の保全系の緑で、4割を占めています。一般に市街地の緑の量については、その30%以上が望ましいと言われており、沖縄市はまだその水準を上回っています。しかし、都市化傾向が強い沖縄市においては、平成27年の将来人口が15.0万人と推計されており、今後も農地、森林等を削っての市街地開発が進むことは必至です。このまま緑の保全や創造に努めなければ、平成17年には市域の30%程度にまで減少すると予想されます。
そこで本計画では、目標とする「うるおいを感じる緑と水のまち」を達成するために、市街化の進行する中で可能と思われる1人あたり13.0平方メートルを目指した公園や街路樹等の公共の緑を積極的に創出すると同時に、住宅地や工場などの民有地の緑化を進めていきます。さらに、沖縄市の貴重な緑である斜面地や嶽山原の緑、水辺の緑を担保性を持って保全し、次世代へと引き継いでいきます。
平成12年 36.0% → 平成27年 36.6%
平成12年 現況 | 平成27年 目標 | |||
項目 | 緑被量 | 緑被量 | ||
---|---|---|---|---|
保全系の緑 | 農用地 | 595.9ha | ⇒ | 381.2ha |
森林 | 211.6ha | 151.1ha | ||
原野 | 78.8ha | 46.1ha | ||
水面・河川等 | 55.8ha | 72.9ha | ||
創出系の緑 | 道路 | 緑被率2.9%(14.1ha) | 緑被率11.4%(69.1ha) | |
住宅地 | 緑被率1.5%(17.2ha) | 緑被率15.0%(202.7ha) | ||
工場用地 | 緑被率3.0%(2.8ha) | 緑被率20.0%(46.2ha) | ||
事務所店舗等 | 緑被率3.0%(3.4ha) | 緑被率20.0%(28.4ha) | ||
公共・公用施設 | 緑被率5.0%(9.9ha) | 緑被率20.0%(40.0ha) | ||
公園 | 市民一人当たりの面積 9.7平方メートル/人(119.2ha) |
市民一人当たりの面積 13平方メートル/人(198.9ha) |
||
合計 | 緑被率36.0% (1108.7ha) |
緑被率36.6% (1236.6ha) |
STRONG>基本方針 | 施策の展開方向 |
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骨格となる自然の緑を守り伝える | 1.樹林地、斜面緑地の保全
|
2.水辺の緑地の保全と活用 | |
3.自然との共生の空間づくり | |
4.農地の保全 | |
緑の拠点ネットワークを創る | 1.緑のスクエア・トライアングルの形成 |
2.緑と水辺軸の形成 | |
3.海辺の緑地の活用 | |
4.道路緑化の推進 | |
風土に根ざした身近な緑を育む | 1.嶽山原、チンマーサー湧水の保全と活用 |
2.都市公園の整備 | |
3.公共公益施設の緑化 | |
4.民有地の緑化 (住宅地、商業地、工業地) |
|
5.ポケットスペースの増加 | |
市民と行政の協働による緑づくり | 1.緑化気運の醸成 |
2.維持管理の仕組みづくり | |
3.緑化推進体制の強化 |
沖縄市では前に示した大規模公園とそれらのネットワークにより形成される「緑のスクエア」を中心に緑化を進めていきます。
その中から、多くの市民に関係するところ、緊急性の高いところ、貴重な緑を有するところ、市全体の緑化を先導できるところなどの視点を持って以下の5地区を「緑化重点地区」の候補地とします。
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