
▲絵画の解説をする嘉手川さんと多くの来場者が足を運んだ作品展示会
市内の泡瀬出身で埼玉県在住の画家・嘉手川繁夫さんの個展「哀愁と血の造形―嘉手川繁夫の世界」(主催・泡瀬復興期成会)が九月四日から七日までの間、泡瀬公民館で開かれた。嘉手川さんの創作活動の原点ともいえる「哀愁の沖縄」をはじめ、初期の代表作「島人」などの外、民具や江戸時代の鉄を使って制作された「鉄の造形」シリーズなど昭和四十年から平成二十年までの作品約六十五点が展示された。
個展は泡瀬復興期成会(嘉手川繁一会長)の創立六十周年記念事業の一環で開催された。
嘉手川さんの作品は、沖縄の土着的な赤と緑と黄色を使い、筆ではなくナイフを用いて描く独特な技法で、沖縄をテーマに風土と人間の感情を豊かに、太古の植物の息吹やマブイ(魂)の鼓動するさまとを重ね、生を素材にしている。そんな感を受けた人も多いのではないだろうか。
また、「鉄の造形」シリーズは刃物を輪の形をした平和が包み込んでいるような作品等があり、作者が見るものに人間の愚かさと賢さを知恵の輪のように突き出し、問い掛けている、そんな気さえしてくる。腕組みをし、じっと見つめたり、顔を近づけたり、その力強い作品一つ一つに参観者らは引きつけられるかのように見入っていた。