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◆ 広報おきなわ5月号(No.407)

特集 施政方針 ひと輝く、元気な沖縄市

東門市長・施政方針(要旨)

 第三百十七回沖縄市議会定例会にあたり、平成二十年度の市政運営に対する所信を申し上げ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私は、市長に就任して以来、三度目の施政方針を述べることになります。歳月人を待たずと申しますが、二年近くの月日がこんなにも速く駆け抜けていったことに驚きの感をぬぐえません。
 この間、市民の抱えるまちの課題に直面する度に、私を奮い立たせ、力と勇気を与え、そして常に後押ししてくれたのは、自分たちのまちは自分たちで築いていきたいという市民の熱い思いでした。まさに、「人こそ財産、人こそ力、人こそ希望」が沖縄市の未来への大きな架け橋であることを改めて実感しています。
 今日、経済がグローバル化するなか、世界的な金融市場の変動や原油価格の動向などにより、国内経済に与える影響が懸念されています。
 わが国の経済は、景気回復が続くと期待されていますが、都市と地方で広がりつつある格差、国民が長年にわたり老後のために備えてきた国民年金への不信感、さらに昨年来の食に対する企業等のモラルの低下など、安心で安全な暮らしへの不安は募り、国と地方は問題解決に向けた対応を迫られています。
 また、近年、環境問題が国際社会の大きな課題となるなか、地球温暖化は国境を越えて、二十一世紀の人類が直面する最大の脅威とさえ言われています。自然環境をできる限り良好な状態で次の世代に引き継いでいくためには、二酸化炭素の削減、緑の保全や自然エネルギーの活用などとあわせ、環境への負荷の少ない循環型社会をめざし、市民一人ひとりが自分たちのできることを日常の身近な暮らしのなかで実践していくことが大切だと考えます。
 さて、昨年は、高等学校歴史教科書の検定に対しまして、歴史の真実を歪めてはならないという県民の強い思いが全国的なうねりとなりました。沖縄戦の実相を後世に正しく伝えようとする願いは、県内外へ配信され、平和を希求するこの島の果たすべき役割を、改めて認識した出来事となりました。
 沖縄の米軍基地の負担軽減をうたった在日米軍再編の最終報告から一年半余が経ちながら、未だ普天間飛行場の移設や基地の返還等が進んでいない現状にあって、嘉手納基地においては、パトリオットミサイル(PAC3)の配備や最新鋭戦闘機F22Aラプターの飛来、パラシュート降下訓練が実施されるなど、負担軽減どころか基地機能強化の側面のみを市民は実感しているのではないでしょうか。また、米軍人軍属による事件・事故はあとをたたず、相も変わらずF15戦闘機の深夜・早朝の離陸による騒音被害や有事を想定した即応訓練は、新たな基地被害を派生させるなど、市民の不安と負担が一層大きくなっていることに、憤りを覚え、大変遺憾に思います。
 また、あってはならない凶悪な事件が今なお繰り返されている現実に、市民の生命と暮らしを守る立場から、米軍はもとより日米両国政府に対し、安全で安心なまちの実現と基地の負担軽減、日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めてまいります。
 東部海浜開発事業につきましては、市長として、極めて重要な判断を迫られるなかで、市民の心を一つに、元気な沖縄市を築いていきたいとの思いから、東部海浜開発事業検討会議の委員をはじめ、多くの方々のご意見を伺いながら、総合的な判断をさせていただきました。今後は、市民の皆さまと力をあわせ、多くの市民・県民に喜んでいただけるよう、沖縄市の活性化と環境との共生に努めてまいります。
 それでは、まず、私の市政運営に対する基本姿勢を申し述べます。
 私は、市民主権による自治のまちを市民とともに創りあげることを目標としてまいりました。
 市民の知恵や経験、活動は新たなまちづくりの力となり、地域が活性化され、夢や希望の持てるまちを市民が実感できることが、自治のまちの基本だと考えています。
 このまちを思い、逞しく生きようとするバイタリティ溢れる市民の力は、沖縄市活性化一〇〇人委員会へとつながり、熱心な取り組みのなかから、貴重なご提言をいただくなど、まさに市民との協働の一歩を踏み出しました。
 このまちに息吹く市民の力を最大限に活かした「ひと輝くげんきな沖縄市」実現への勇気と希望をいただき、決意を新たにしています。
 このような基本姿勢のもとに、次の五つの取り組みを重点的に推進してまいります。
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