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◆ 広報おきなわ10月号(No.376)

特集No2
平和を願う心を伝えていこう
 
戦争の怖さを繰り返し伝え続けることが大切

八月一日の平和月間開始セレモニーを皮切りにスタートした平和月間は同月、市民ロビーでユキヒロ(元ニーニーズ仲里幸広)ミニコンサートが行われ、「大好きな沖縄」「輝きはここに」「今日から明日へ」など数曲を披露した。又、この日は千羽鶴展示会や「童謡の作者のふるさとを訪ねて」などの展示会が行われた。波瀾万丈の生活体験の中から生まれた童謡の数々は未来を担う子どもたちの幸せを願う心であったり、平和を希求するものであったりする。優しさの文化「童謡」を多くの人々に伝えていくことを目的とした同企画は、童謡の作者のふるさとの写真展や大正七年に発刊された「赤い鳥」全巻の展示や「青い眼の人形」が見つかったニュース記事等が出展され、多くの市民が参観した。

八月五日から十九日にかけて、市あげだ児童館で夏休み期間の児童を対象に「平和について考えよう」と題し平和の大切さや命の尊さを、本やビデオ、体験者の語りなどで伝えた。又、詩の朗読や読み聞かせなども行われた。担当では「沖縄でも悲惨な地上戦が行われ、尊い命、汚れのない命が失われていった。その事実を沖縄の子どもたちに語り伝えていくことは大人一人ひとりの責務だと思う。慰霊の日など日々、くり返し伝える事が大切でそういう体制づくりが急務だと思う」と話した。

八月八日から十五日にかけては市民ロビーで「沖縄市原爆展」〜原爆・沖縄戦の真実について考える〜が行われ、峠三吉の詩や原爆パネル、記録ビデオ、原爆や戦争に関する書籍など約二百点を披露し、原爆と戦争の恐ろしさについて訴えた。

八月七日はすっかり定着した第十三回沖縄市ピースランが行われ、北コース辺戸岬と南コース平和の礎からスタート。タスキリレーを行いながら、「平和だから走れる」を合言葉に走ることを通して平和を広く県民にアピール、ゴールの市平和モニュメント前まで走りきった。又、九日は伊江島平和映画祭・本島上映会が市民小劇場あしびなーで開かれた。十六日にも同劇場で「映画・日本国憲法」が上映された。

八月八日から十一日にかけて平成十七年度沖縄市平和大使十五人が平和学習と交流を行うため長崎市へ派遣された。

平和大使らは八日に長崎市へ入り、青少年ピースフォーラム被爆体験講話へ出席、その後、平和学習交流会へ参加、交流パーティーなどで、それぞれが平和についての交流を行った。

原爆犠牲者追悼祈念式典へ参列、世界平和を祈願した
二日目は早朝七時より行動、原爆無縁死没者慰霊祭、慰霊献吟、原爆犠牲者慰霊祭を訪れ、命の大切さ、平和について改めて考えた。その足で長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典へ参列、原爆犠牲者の御霊に祈りをささげ一分間の黙とうを行った。それぞれが命の尊さを深く考え、世界平和をより強く祈願した。午後は青少年ながさき平和のつどいや平和祈念像、如己堂、永井記念館、山里小学校などを訪ねた。夕食後は原爆犠牲者慰霊万灯流しへ参加した。

三日目は恵の丘原爆ホームを訪問、九十二歳のおばあちゃんの被爆の体験談を聞き、平和について、命の尊さについて、ここでも深く感じ、平和を願う気持ちがより強くなった一日だった。午後は被爆遺跡めぐりの日程。

最終日は長崎市内を視察。午後福岡空港へ向かい、那覇空港へ到着。その後、沖縄市役所で解散式を行った。平和大使らの命の尊さ、平和を考える旅、充実した四日間の旅が終わった。大使らはそれぞれが感じたこと、心の思いを友人や家族らに伝えていく。

八月二十二日から二十六日にかけて市役所一階ギャラリーとロビーを使い、「心のバリアフリー作品展」と「平和大使派遣報告展」が行われた。心のバリアフリーは障がいの有無や老若男女に関らず、作品を通して生きていることの素晴らしさや自己表現の可能性を感じてもらい、心のバリアフリーという身近な人間関係から平和を考えていくことを目的としている。二十九日から翌月二日にかけては市職員労働組合主催の「五・十五平和行進写真展」を開催。戦後六十年を経過し、復帰から三十三年を迎えるが沖縄の現状は今も変わっていない。写真展を通して、なぜ米国の軍事戦略上の負担を沖縄が負うのか考えたいと強く訴える企画。九月六日は平和学習会と題し、市立保育園連盟の戦跡ウォッチングが行われた。

北島角子ひとり芝居「赤いブクブクー」に多くの人が涙した
平和月間最終日の九月七日は沖縄市民平和の日、二〇〇五年平和のステージinOKINAWA「北島角子ひとり芝居・赤いブクブクー」を上演、市民小劇場あしびなーは満席の盛況ぶりだった。一部はコザ中学校生徒による平和の歌声を披露、二部はひとり芝居では県内の第一人者、北島角子さんの「赤いブクブクー」を上演、六十年前の沖縄、戦時中の様子を細かく再現、おばぁが少女に語りかける、その言葉の重さに観客は感銘、場内からはすすり泣く声々が聞かれた。
被爆クスノキの前で献納メッセージ文を読み上げた
意見交換会では平和について多くの意見が出た
原爆犠牲者追悼祈念式典に出席、千羽鶴を献納した
原爆落下中心地の礎セレモニーでメッセージ文を読み上げる
過去の過ちを再び繰り返してはいけない

九月七日、今年の平和月間が幕を閉じた。しかし、平和を願う心、命を大切にする心を常に抱いていかなければいけない。過去の過ちを再び繰り返さないように、全世界に平和が訪れる日まで、平和の大切さ、命の尊さを訴え続けていかなければならない。平和を願う心を片時も忘れないよう沖縄市民は愛と勇気をもって、日々、草の根平和運動を展開していく。
山里小学校訪問で花束を献花メッセージを捧げた
万灯流しの準備をする平和大使ら
恵の丘原爆ホーム訪問、おばあちゃんの被爆体験に涙する場面も
平和のステージinOKINAWA、コザ中学校生徒による平和の歌声
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