今月の人

学生服のリユース活動で
子育て世代をサポート

296/森田好美(もりた よしみ)さん(48)

 中学校や高校を卒業して不要になった学生服やジャージ、体育着を引き取り、必要な生徒に提供している森田好美(もりたよしみ)さん。
 今月は制服リユースを通して、こども達が成長していく姿を見守り、子育て世代を応援している森田さんに話を聞いた。

森田好美(もりた よしみ)さん

 森田好美さんは、13年前に子育てに良い環境を求めて2人の娘と沖縄市に移り住んだ。
 森田さんは娘2人が中学校と高校に進学した際、制服や教材の購入費がかさんで困っていたところ、知り合いから不要な制服を譲り受けた。 その時の感謝の気持ちから「同じ悩みを持つ子育て世代を少しでも手助けしたい」と考え、制服リユースを始めた。
 森田さんが行う制服リユースの活動とは、中学校や高校を卒業して、不要になった制服やジャージ、体育着を集めて、必要としている生徒たちに提供するもので、PTAにも協力してもらい、卒業式などでチラシを配布して、制服の提供を呼びかけている。 「どの家庭でもこどもの進学は、親として嬉しい反面、制服の購入費用が家計を圧迫する。 それ以外にもジャージや体育着、教科書など、購入するものは多く、負担が大きい」と森田さんは語る。 このような状況から、森田さんは制服の橋渡しボランティアを本格的に始めるため、平成26年12月に『子ども応援団 笑(わら)びん』を起ち上げ、翌年の9月に活動をスタートした。 物品の譲り受けについては、市社会福祉協議会や市民活動交流センターに受付窓口を設置してもらい、笑びんに届く仕組みで、物品の保管については、当初は森田さんの自宅で保管していたが、現在は一時的に中央の空き店舗を利用している。 そのほかにも、笑びんは、親子で一緒に楽しめるイベントや勉強会、ワークショップを開催し、子育て中の親たちが前向きに頑張れるよう支援している。
 今後の笑びんの活動について話を聞くと、「制服類以外にも学校に必要なものを提供できるようにして、少しでも学費の負担が少なくなればと思っている。 制服を寄付する方々の優しい想いが、新しく制服を着るこども達へ伝わっていって欲しいと思っている。 制服を探しに来た親子が、こどもにぴったりのサイズのものを見つけた時の笑顔が私の励みになっている。 今後は、笑びんをNPO法人化して事業を拡大し、今以上に子育て世代をサポートできるよう頑張っていきたい」と意気込みを話してくれた。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 好評につき、企画展「沖縄市の沖縄戦とコザ孤児院」は、期間延長して開催しています。
 展示では、沖縄市の沖縄戦の特徴をデータで表しておりますが、そこで紹介しているデータは、1995年の糸満市の「平和の礎」建立に向けて、市内の各家庭を訪問して得られた情報を整理したものです。
 第二次世界大戦で沖縄市民は、5400人余が犠牲になりました。1940年以前から終戦後の46年以降にかけての年別戦没者数を見てみると、沖縄戦があった45年が3458人と全戦没者の約6割を占めています。 この年の月別戦没者数は4月が最も多く、そして4月上旬(1~10日)の戦没者数が794人と、この月全体で7割以上を占めています。 米軍は1日に本島中部の西海岸に上陸し5日頃までには宜野湾村宜野湾以北の中部一帯を占領しましたが、4月上旬の戦没者はこのときの米軍の攻撃や戦闘に巻き込まれたものと思われます。
 森根で沖縄戦の降伏調印式が行われたことと、米軍によるいち早い市内の制圧と同時期における戦没者の多発、そして早い段階での戦後生活の始まりが、沖縄市における沖縄戦の特徴といえるでしょう。


降伏調印式跡地は、米空軍誕生50周年を記念し、
1997 年に「平和の園」として整備された。嘉手納基地内
  • ■市史編集担当/TEL:929-4128(直通)
  • ■ヒストリート、ヒストリートⅡ/TEL:929-2922

↑ ページトップ