今月の人

開放的なファッションを提案 女性の美しさを追求

294/平安座 レナ さん(27)

 今年5月に株式会社「HENZA」を設立し、代表取締役兼デザイナーを務める平安座レナさん。 「自立した女性たちが肩の力を抜いてオフを満喫するときに着るファッション」をHENZAのコンセプトに掲げ、流行の最先端である東京で切磋琢磨し邁進している。 今回は独自のアパレルブランドを起ち上げた平安座さんに話を聞いた。

平安座 レナ さん

 平安座レナさんは、高原の出身で、美東中学校、コザ高等学校を卒業。 日常的にミシンを使う母親を見て育ち、小学校の時から裁縫を好み、手作りのポーチやぬいぐるみなどを作っていた。 高校生の時に、服飾関係への道を志し、希望する進路を具体化するために沖縄キリスト教短期大学に進学し、英語を学んだ。 卒業後は、東京に拠点を移し、昼間はアパレル関係の有名店でアルバイトをしながら文化服装学院に通った。 アルバイト先はルミネ新宿にあり、新宿駅と直結しているフロアにあることから、店前の通行人が1日に約2万人いるとのことだ。 平安座さんは「都内では渋谷や新宿がお洒落に敏感で、流行の発信地。私が新宿のショップで勤めたのは、消費者が何を求めているのか、ニーズや傾向、意見を多く聞くことができたから。 とても忙しい毎日でしたが、私にとって良い経験と学びになった」と話す。
 文化服装学院の卒業後は24歳で香港系の貿易会社に就職。 新人でありながら平安座さん独自のブランド「ROSEM」の起ち上げから運営までを任された。 今年5月に貿易会社を退社して、同月末に株式会社「HENZA」を設立、平安座さんは代表取締役兼デザイナーとなる。
 平安座さんが運営するブランド「HENZA LOSANGELES」は、自立した女性たちが肩の力を抜いて着られるファッションをテーマに掲げ、20代後半から30 代前半の女性をターゲットとしている。 販売はインターネットを中心に展開しており、東京と沖縄で展示会や限定ショップを開催している。 HENZAは他にもヨガのワークショップを開催するなど多様な取り組みを展開している。
 平安座さんに今後について質問すると「今は東京を拠点に活動しているが、海外進出を展開し、会社を拡大したい。そして近い将来沖縄で工場を設け、雇用と経済に貢献したい。 夢を実現するために目標をたてて行動し、視野を広げ、世界で活躍する沖縄市民でありたい」と意気込みを語ってくれた。

「HENZA LOSANGELS」
website:[http://www.henza-losangeles.com/]

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 今月15日から企画展「沖縄市の沖縄戦とコザ孤児院」を開催します。孤児院は戦災孤児を収容した施設のことで、コザ孤児院は嘉間良にありました。 孤児たちにとって、戦後の出発点となった場所ですが、今回は孤児院として選定された某家のことを紹介します。
 約25年前に同家の娘さんにお聞きした話しによると、1945年4月に島袋で「捕虜」となり、5月のはじめ頃に嘉間良の実家に戻ってきた時には、防衛隊の捕虜が収容されていたようです。 ほどなく孤児が入ってくるようになり、兵隊は別へ移されたといいます。 父は家主なので家の管理をしながら、子ども達を見てほしいと米軍から言われたようです。 その証言を裏付けるように、5月24日の米軍の資料には「家主は孤児院の長として、彼自身が筋の通った候補のようだ。 地所の所有者として丁重に扱い、恰好の管理者になる確率が高い。 彼はしばらくペルーに滞在していた為、スペイン語を話し、他者と比べていささか格も高い様子だ」と記載されています。
 家主は戦前に移民としてペルーに渡り、沖縄へ送金して立派な赤瓦の家を建てました。 その家屋が、孤児院として選ばれたわけです。 初代の玉城院長の就任まで、彼がその務めを任されていたのでしょう。 「感謝の家です」と、孤児の方々が口々に言われる某家は、これからも彼らの心の支えとなることでしょう。


コザ孤児院 1947年頃
資料:沖縄県公文書館
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