今月の人

県内初の女性消防団長誕生

288/久高 清美さん(58)

市消防団は、市消防本部や消防署と同様に、消防組織法に基づき各市町村に設置される消防機関である。地域における消防・防災のリーダーとして市民の安心と安全を守る重要な役割を担っている市消防団の取り組みについて、県内初の女性消防団長となった久高清美さんに話を聞いた。

久高清美さん

 久高清美さんは、高校卒業後、金融機関に就職。約15年間勤め、子育てをするため退職。その後、美原小学校のPTA書記・会計を10年間務めながら、平成8年4月から市女性消防団の1期生として入団した。
 消防団とは、通常は本業を別に持つ一般市民で、常勤の消防職員が勤務する消防署とは異なり、火災や大規模災害発生時に自宅や職場から現場に駆けつけ、その地域での経験を活かした消火・救助活動を行う非常特別職の地方公務員である。消防団の主な活動は、消火活動や災害防御活動、警戒活動、防災・減災教育訓練、巡回、啓発活動、救急法の普及などがある。
 市消防団は、団員が50人おり、6分団で構成され、うち1分団が女性のみの消防団員7人で構成されている。市消防団は、月2回の定期訓練のほか、全島エイサー祭りでの警戒や学校􀀇の防災教育も行っている。
 久高さんは、市消防団に入団して20年になるが、平成26年10月に、防災士の資格を取得して「防災・減災研究所沖縄」を立ち上げた。研究所では、市内のこども達への防災教育に力を入れていて、自分の命は自分で守ることを幼少時期から教え、いざという時に、自分で考えて行動できるようにすることを目的に企画、運営している。
 今回、県内初の女性消防団長に就任した久高さんは、消防団のこれからの取り組みについて「時代は目まぐるしく変化していくので、地域の防災活動を女性の目線で新しく進化させたい。また、沖縄は地震や津波が少ないため、防災意識の啓発が難しいが、いつ、どこで遭遇するかわからない災害に備えることは、大切な人の命を守るためにも、とても重要なこと。今後の課題としては、市消防団の認知度を向上させることで自治会との連携は図れているが、自治会未加入者に災害教育する場をどう設けるか、防災に対する認識をどう向上させるかを模索している。沖縄市には防災研修センターがあるので、摸合やサークル仲間、家族単位など少人数でも気軽に足を運んでほしい」と話し、最後に「日頃から地域と繋がり、防災に対する意識を持ち続けてほしい」と思いを語った。

沖縄市防災研修センター(市消防本部内)

開館時間:午前9時~午後5時(水曜定休日)

電話:929-1190

※事前に電話で予約状況の確認と申込書の提出が必要

大切な街、守りたい人がいる。消防団員募集中!あなたの力が必要です。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

「沖縄市戦後文化資料展示室ヒストリートⅡ」では5月29日まで、石川文洋写真展「沖縄からベトナムへ」を開催しています。
 沖縄出身の報道カメラマン石川氏は1965年からベトナム戦争の戦場という過酷な場所で、米軍に同行し、兵士、村や家族を奪われる住民の姿を、ファインダーを挟んだ向こうにある現実から目をそむけることなく、彼の全身で捉え撮り続けました。そして、彼の思いはいつもあの沖縄戦に重ね合わせていたと言います。同時にベトナム戦争当時、米軍の統治下にあった沖縄の基地やそこで働くウチナーンチュの基地労働者、ベトナム景気に沸く基地の街コザ、ベトナム反戦運動、B52撤去闘争など、揺れる沖縄の現実にも目を向けシャッターを押し続けました。「ヒストリートⅡ」は2009年9月7日に開室して以来、石川文洋写真展の開催は十数回を数えますが、これまでの来室者のアンケートをいくつか紹介すると、20〜30代の方に多いのが、「ベトナム戦争の後方支援の場としての沖縄とベトナムの関係を知りました」という記述。「百の言葉より、一枚の写真」、「写真の記録力、と同時に伝える力に感銘を受けました。きっとこれは、撮る人の意識が反映されているのだと思いました」という、感想もありました。 ぜひ、写真展へ足をお運び下さい。当時と現在の沖縄を重ね併せて考える機会となるでしょう。

ベトナム(ビンディン省)1966年【撮影/石川文洋氏】
村には、まだ子どもたちが
ベトナム(ビンディン省)1966年
【撮影/石川文洋氏】
  • ■市史編集担当/TEL:929-4128(直通)
  • ■ヒストリート、ヒストリートⅡ/TEL:929-2922

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