今月の人

人との繋がりを大切にしたい

277/川上(かわかみ) のり子さん(65)

 川上のり子さんが会長を務める市婦人連合会は、本市の様々な事業に参加・協力をしており、各事業の成功の一翼を担っている。現在は個人でも連合会に加入できる賛助会員も募っており、広く呼び掛けている。
 今月は明るい家庭、住みよい社会づくりに取り組んでいる川上さんに、これからの地域活動について聞いてみた。

川上のり子さん

 川上さんは、20代で結婚して美里に住み、子育てと仕事を両立しながら美里自治会と婦人会に加入した。その後、長年勤めた仕事を辞め子育てに専念するが、3年後には美里自治会の書記や会計を4年間務めた。自治会での仕事をとおして自治会や婦人会の目的や活動内容がわかるようになったと川上さんは話す。
 また、平成12年から市婦人防火クラブの会長を6年間、美里自治会長を平成18年から平成23年までの6年間務め、常に美里区域の地域活動に携わっている。
 これまで川上さんが地域活動に携わってきて想い出深いことは、美里自治会長に就任して間もなく美里復興60周年と65周年の催しで五穀豊穣や無病息災を願う伝統行事のスーマチと綱曳きを行ったことだと話す。
 復興60周年のスーマチは、美里地域の男性約200人が参加し、渦を巻くように円陣をつくり、棒術などが披露され、その演武は圧巻だったそうだ。また65周年記念事業で53年ぶりに開催された綱曳きでは、日中に綱をクレーン車で運び、夕方からは男性がたいまつを持ちながら練り歩き、住民総出による綱曳きのほかに、わんぱく相撲やエイサー、空手の演舞なども行われた。川上さんは当時の心境を「自治会長という大役を担い、大きな行事を行うのは大変だった。行事を盛大に執り行うことができたのは、地域住民の皆さんのおかげ。大変感謝している」と話す。
 川上さんは、自治会職員を務め始めた頃から婦人会活動も行っている。昭和63年頃に美里地域の婦人会長に就任し、その後、市婦人連合会長の勧めで会計を務めることになり、平成22年には市婦人連合会副会長、平成26年に会長に就任し、現在に至っている。
 市の婦人連合会は、地域女性の組織強化、地位向上を目的としており、市内の様々な事業に参加し、各事業の成功の一翼を担っている。主な活動内容としては、平和学習や演芸のつどい、新一年生への手作り交通安全お守りの配布、交通安全運動や防犯活動などを行っている。婦人会の当面の課題としては、地域住民同士の関わりが薄れつつある社会状況で、地域婦人会の会員数が減っていることだそうだ。その対策として各地域の婦人会がなくても市婦人連合会に加入できる賛助会員制を設けている。川上さんは「地域活動に興味のある方はぜひ加入して欲しい。地域みんなで協力し、助け合い、子育てや住み良い環境をつくることで地域の活性化につながる。住民同士、人との出会いを大切にして欲しい」と語る。
 川上さんの趣味はパッチワークや洋裁、花づくり。取り柄は元気で健康なことと話す笑顔からは、明るい人柄がにじみでており、人を惹きつける。川上さんはこれからも沖縄市の母として人の輪を大切に地域活動に邁進していく。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 現在、ヒストリートⅡでは、『今日から、明日から。』と題して、企画展を開催中です。
 戦前の純農村から戦後「基地の街」への変化は、人々の暮らしにも様々な変化をもたらしました。言語の変容もその中の一つで、今回は、アメリカ統治によって発生した「オキナワンイングリッシュ」を紹介します。
 例えば、外来語と日本語を組み合わせた「ポークたまご」という言葉や、「草刈り」の事を「カットグラス」と日本語を基礎的な外来語に直して使用したりするなど、米軍統治下ならではの言語を多く生み出しました。
 写真は、沖縄市照屋のお店にあった表示です。一般的に「お手洗い」は「トイレ」の婉曲表現として用いられますが、ここでは、「WASH HAND」と表記され、「手を洗う場所です」と言う意味で使われています。
 アメリカの統治を経験した沖縄にとって、外国人と意思疎通を図ることは、商売をする上でも、生活する上でも重要な事でした。「何とかして伝えよう」という思いが、「オキナワンイングリッシュ」を生み出したのです。
 普段何気なく使っている言葉の中に、実は「オキナワンイングリッシュ」が隠れているかもしれません。展示会場で確かめてみてはいかがでしょうか?

元Aサインレストランのトイレに置かれた、日本語を英語に直訳した表示
照屋/2001年
元Aサインレストランのトイレに置かれた、日本語を英語に直訳した表示
照屋/2001年
  • ■市史編集担当/TEL:929-4128(直通)
  • ■ヒストリート、ヒストリートⅡ/TEL:929-2922

↑ ページトップ