今月の人

本市の消防力・防災力のさらなる向上を目指す

277/小濱 守康(こはま もりやす)さん(73)

 本市消防団に入団して47年となる小濱守康さん。現在、団長2期目を務める小濱さんが率いる本市消防団は消防庁長官表彰を受章した。
 世界各地で大きな災害が発生している近年、本市消防団の活動や本市の消防・防災力に対する想いを小濱さんに聞いた。

小濱 守康(こはま もりやす)さん

 消防団は、普段は本業の仕事に就きながら、火災や大規模災害の発生時の、消火や救助活動、警戒巡視、避難誘導などを行う消防機関のひとつで、その活動は、災害活動時だけではなく、平常時にも月例定期訓練のほか、心肺蘇生法などの応急手当普及指導や消火器の取扱いの指導、住宅火災警報器設置の啓発活動などを行い、地域における消防・防災力の向上を担っている。小濱さんは、平成23年度に沖縄市消防団長として就任して現在2期目を務めている。
 小濱さんは20代の頃から地域の自治会や青年会活動に携わってきた。その頃、地域消防団員として推薦されたことがきっかけで、沖縄市消防団に入団した。当時から消防職員と消防団の連携は密で、地域の防災について多くのことを常に学んでいたと小濱さんは話す。
 小濱さんが団長を務める沖縄市消防団の団員数は50人で5分団で構成されている。最近の活動としては、18人が応急手当指導員資格を取得し、救命講習を行い、救命率の向上や普及啓発活動に大きな役割を担っている。さらに、沖縄市の各種イベント会場では警戒活動を行い、台風時の暴風雨出動の際では、市の消防士と協力して災害対応や、広報活動を行っている。また、平成27年3月に消防団としての取組活動が評価され、消防庁長官表彰を受章した。今回の受章について小濱さんは、消防職員と消防団が一致団結した結果だと話す。
 小濱さんは、これまでの消防団の活動で、平成17年6月に記録的な豪雨により比謝川が氾濫したことが印象に残っていると話す。当時は自衛隊の出動もあり、24時間体制で本部に待機して、避難者の対応などを行ったそうだ。
 市消防本部には、地震や消火体験ができる防災研修センターがある。小濱さんは「子どもたちにぜひ体験して欲しい」と話す。そして地域に根ざした活動に尽力し、市の消防・防災力向上を目指すと語っている。また、市消防団員の年齢構成が30代以上となっていることから「もっと地域の若者が参加できるようにしていきたいと考えている。自身が70代半ばになるので、地域のお年寄りたちとも一緒に防災について継続して勉強していきたい」と意気込みを話した。
 現在、小濱さんは本市消防団に在職して47年となる。小濱さんの孫が消防士となったそうだ。小濱さんの消防・防災力向上への熱い想いは、次の世代に受け継がれていく。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 梅雨明け待ち遠しい季節です。沖縄地方の梅雨が明けるのは、平年通りだと6月23日、奇しくも「沖縄 慰霊の日」にあたります。
 県民にとってはすっきりしない天気だけでなく、戦争の記憶が強く呼び起こされる最もつらい月ですが、過去の経験を振り返り、今後の生活や社会のあり方を考える毎年の機会としたいものです。
 今月よりヒストリートUでは、企画展『今日から、明日から。』を開催いたします。
 本展では戦前期における市民の生活とはどのようなものであったか、そしてそれが戦後、どのように移り変わっていったのかを考えます。
 70年前の沖縄戦で破壊された純農村としての生活は、戦後復興を経て「基地の街」としての生活に転じました。
 写真は、米軍基地に消えた集落「御殿敷」の拝所です。1990年10月(旧暦9月)、米軍立ち会いの下で年中行事が行われました。
 御殿敷は、郷友会組織を立ち上げて、戦前期から続く伝統行事を継続しながら、ムラの共有地(拝所)を守ってきました。
 戦前から戦後を通し、コザ・美里の人々は、一変したり消えたりした街並みのなかで、「今日を・明日を」どのように生きてきたのでしょうか。一緒に考えてみませんか。

御殿敷の旧九月九日行事。鳥居の下で米軍が待機する(1990年10月)
御殿敷の旧九月九日行事。鳥居の下で米軍が待機する(1990年10月)
  • ■市史編集担当/TEL:929-4128(直通)
  • ■ヒストリート、ヒストリートU/TEL:929-2922

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