活力あふれる沖縄市

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 昨年、市制施行40周年を迎えた沖縄市において、本年は輝かしい未来に向け、さらなる発展に挑戦する年となります。
 景気の緩やかな回復、観光入域客数の増加や近隣への大型商業施設の立地など、本市を取り巻く社会経済情勢が大きく変化する中、大胆な発想と行動力で、わがまちの優れた潜在能力を如何なく発揮する取り組みをすすめてまいります。

 「地域の活性化と雇用の創出」、「子育て支援と人材育成の充実」、「健康増進と福祉の充実」、「平和と文化の発信」、「都市基盤の整備と環境との調和」を柱に、夢と希望のもてるまちをめざす

 平成27年度における市の予算は、「活力あふれる沖縄市」を推進するために、総額で1,045億2,160万円となっております。
 沖縄市議会2月定例会が2月17日に開かれ、桑江市長より平成27年度施政方針が発表されました。今月号は、そのあらましを紹介します。

平成27年度・施政方針(概要)

 昨年、若者をはじめとする多くの市民の皆さまのご信託を賜り、沖縄市長に就任いたしましてから、まもなく1年を迎えようとしております。
 私は、この間、各種懇談会や自治会における敬老会等々、あらゆる機会で市民の皆さまと直に、お会いすることを大切にしてまいりました。多くの方々との対話を通して、まちの活性化に対する思いや願いを痛感しつつ、市民の皆さまの激励、お力添えをいただいたことに深く感謝を申し上げます。
 まちの活性化への期待の大きさを真摯に受け止め、市民が夢と希望のもてるまちづくりに、使命感を抱き邁進していく決意を新たにしております。
 また、市制施行40周年を迎えた沖縄市におきましては、未来を見据え、果敢に時代を切り拓いた先人たちに感謝と敬意を表するとともに、本市のさらなる発展へ挑戦していく決意の年となりました。
 我が国の景気は、穏やかな回復基調が続いているとされ、政府は、デフレからの脱却を確実なものとし、経済再生と財政再建の双方を同時に実現していくことをめざしています。
 地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を示すとともに、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、新たな交付金制度の創設などを位置づけており、地方自治体は自らの創意・工夫と情熱で魅力ある地域づくりを一層求められております。
 世界水準の観光リゾート地の形成を掲げる沖縄県では、2014年の観光入域客数が航空路線の拡充やクルーズ船の寄 港回数の増加、円安等を背景に、過去最高を更新し初めて700万人を突破いたしました。
 また、那覇空港を拠点とする物流ハブ形成の進展や那覇港における新たな物流網の構築とともに、アジア市場をにらんだ国内最大級の商談会となる沖縄大交易会が開催されるなど、交流や交易への期待が年々高まりをみせています。
 近隣に大型商業施設が立地し、経済への影響が懸念されて久しい沖縄市においては、さらに今春、アジアの観光客をも視野に、リゾートモールをコンセプトとする県内最大規模の商業施設が隣接します。
 また、県内においては、著名な企業により沖縄エンターティメントビレッジ構想や新たなテーマパークの開設が検討されるなど、本市を取り巻く社会経済状況が大きく変化することが危惧されます。
 このような中、我々は、手をこまねくことなく、このまちを愛する情熱とエネルギーを結集し、購買人口の減少に対する不安や危機感等を乗り越え、近隣の誘客機能の高い施設から購買力を吸引し、まちを活性化させるチャンスに変えていこうではありませんか。
 私は、大胆な発想と行動力で、他地域にない新たな価値を提供できる優位性の確保に向け、本島の南北交通の結節機能を活かし、わがまちの優れた潜在能力を如何なく発揮させる取り組みをすすめております。
 県内唯一の本格的動物園「沖縄こどもの国」において、全国でも繁殖が稀な子ゾウの誕生は、当動物園の飼育環境が高く評価され、今後の運営にも大きな期待が寄せられています。
 亜熱帯の地域特性や島嶼性の自然環境が織りなす沖縄の地で、大きなゾウが戯れる光景に、こどもたちの弾ける笑顔と人々の歓喜がこだまする風景が、今から目に浮かんでまいります。
 動物とのふれあいや個性的な展示手法など、グランドデザイン創りが着々とすすめられており、内外から多くの人々が訪れる全国的にもユニークな施設への整備拡充を強力にすすめてまいります。
 国や県とともにすすめられてきた東部海浜開発事業につきましては、いよいよ埋め立て完了が視野に入ってまいります。
 中城湾の静穏な海域に、約1kmにも及ぶビーチを有する滞在型リゾートとスポーツの一大拠点を形成させ、本市の中心市街地はもとより、近隣の誘客機能の高い施設等とも連動させ、相乗効果による地域の活性化と雇用の創出をめざします。
 昨年は、人工島より花火を打ち上げ、長期にわたる事業展開を市民等へ周知するとともに、東部まつりとの連携により、地域の活性化につなげております。
 近い将来、人工島を核に中城湾に臨む近隣市町村が一体となって、西海岸に匹敵するような賑わいを創出し、広域的な活性化へとつながる夢が広がってまいります。
 多目的アリーナにつきましては、コザ運動公園内への立地に向け、基本構想の策定をすすめるなか、国内外において、コンサートや各種スポーツ、コンベンション機能など、プロモーションおよび運営手法も含めて調査・検討をおこない、施設概要等の具体化に取り組んでまいります。
 市民の期待に応えるべく、活力あふれる沖縄市のランドマークとして、早期完成をめざしています。
 若者たちの夢を育み、熱いまなざしが注がれるサーキット場の整備につきましては、生産拠点等の形成でアジア各地との交易にも寄与する自動車関連産業等の誘致を念頭に、全国で展開される既存施設の運営形態等の調査をすすめております。
 安定的かつ大規模な雇用の創出は、このまちの発展に不可欠であり、将来を見据え、地理的特性等を活かせるよう取り組んでまいります。
 戦後、多種多様な文化が融合し、混在一体となった新しい文化が発信され、多様な芸能・芸術文化活動が盛んなこのまちにあって、人々に愛され親しまれ、絆を深めた沖縄全島エイサーまつりが60回の大きな節目を迎えます。
 旧盆の各地域におけるエイサーの熱気が冷めやらぬまま、人々はまつりの賑わいへと誘われ、コザ運動公園界隈がまつり一色に染まり、まちは夏のクライマックスを迎えてきました。
 いまや、日本の夏の風物詩ともいわれるまつりへと発展しており、次代へ継承する貴重な財産として、本市の誇る地域の文化力を存分に発揮できるよう取り組んでまいります。
 私は、潜在的な地域資源と新たな観光資源、さらには、県内の誘客機能の高い施設等との相乗効果で、市全域でテーマパークのような活力の創出をめざしています。
 一方、公立小学校のこどもたちが、全国学力テストで総合24位に躍進したことは、県民に大きな勇気を与えてくれました。
 「やればできる」を体現し、こどもたちが自ら飛躍する契機となることを願い、本市においてもさらなる学力向上に取り組んでまいります。
 子ども・子育て支援新制度の施行を受け、待機児童の解消および5歳児保育問題等への対応とともに、放課後児童クラブや児童館の整備に向けた取り組みなど、このまちの未来への投資として、こどもたちの健やかな成長を全力で支えてまいります。
 長寿県沖縄をとりもどせるよう、市民の健康維持に向け、生涯にわたる健康づくりを支援するとともに、高齢者のインフルエンザ定期予防接種費用の無料化など、だれもが安心して暮らせるよう取り組んでまいります。
 今年は、凄惨な沖縄戦の終結から70年を迎える節目の年となります。激動の歴史のなかで人々がひたむきに生き、今日の繁栄を懸命に築いてまいりました。
 私は、沖縄が交流と交易をとおしてアジア、世界へ貢献していくことを願いつつ、平和と安全・安心、そして、自立した発展をめざしていくことが大変重要だと考えております。
 全国の米軍専用施設の約74%が集中する沖縄の過重な基地負担のなかで、国から示されている統合計画においては、牧港補給地区の倉庫群やキャンプ瑞慶覧のスクールバスサービス関連施設の移設先に、嘉手納弾薬庫知花地区が位置づけられるなど、市町村間における返還と移設という二律背反の側面は否めません。
 基地の整理・縮小による沖縄の将来を見据え、苦慮しながらも来るべき時期においては、沖縄の振興と発展、地元の意向など総合的な見地から判断せざるを得ないことを、市民の皆さまにご理解を賜りたいと考えております。
 私は、特定商業集積施設コリンザの再生とあわせ、市民待望の図書館の整備を本格化させるとともに、中心市街地活性化に係る施策として、国や県の支援拡充を受け、山里第一地区市街地再開発事業の実現に力強く踏み出すなど、市長就任以来、職員と一丸となって全力を尽くしております。

平成27年度の重点的な施策

地域の活性化と雇用の創出

 観光振興につきましては、プロスポーツをはじめ、コンサートやコンベンション機能などを有する多目的アリーナの整備に向け、基本計画の策定および基本設計に取り組んでまいります。
 また、一番街や銀天街などで撮影され、大勢の市民が出演する映画「天の茶助」や観光ポータルサイト「KOZA WEB」等を活用し、本市の魅力ある観光地やイベント情報を発信するとともに、沖縄国際カーニバルの開催を支援するなど、観光誘客を図ってまいります。
 エイサーのまちの推進につきましては、(仮称)青年エイサー会館の開設をめざし、モデル事業の実施や施設改修に向け取り組むとともに、地域で開催するエイサーイベントなどを支援いたします。
 また、沖縄全島エイサーまつりにつきましては、会場においてレーザーショーや花火の打ち上げを実施するとともに、第60回の記念事業として、沖縄全島エイサーまつり写真コンテストを開催いたします。
 スポーツコンベンションシティの推進につきましては、(仮称)沖縄市多目的広場の整備に取り組むとともに、スポーツ合宿の受け入れ等に寄与する備品を充実いたします。
 また、広島東洋カープやFC琉球の活動を支援するとともに、スポーツキャンプ等の誘致に取り組んでまいります。
 音楽によるにぎわいの創出につきましては、ミュージックタウン音市場を中心とした音のページェント等の開催やライブハウスの音楽情報の発信などを実施するとともに、本市の音楽・芸能資源の収集や常設展示の充実に取り組んでまいります。
 また、本市で開催される多彩な音楽イベントを新たに支援いたします。
 中心市街地の活性化につきましては、コリンザの再生に向け図書館や雇用促進施設として整備いたします。
 また、「沖縄市中心市街地活性化基本計画」の次期計画の策定や、市民活動団体等の情報の提供・相談などに取り組むとともに、小中高校生等による吹奏楽コンサートなどの開催を支援いたします。
 商店街等におきましては、新規店舗や既存店舗の改修費用等を支援し、魅力ある店舗の創出を促進するとともに、胡屋地区商店街が主体となったまちづくりビジョンの作成等を支援いたします。
 また、「かなでるパーク」などのイベント開催の支援やスポーツイベントとの連携等による誘客拡大を図り、商店街のにぎわい創出に向け取り組んでまいります。
 企業誘致の推進につきましては、準工業地域において、製造関連企業の誘致に向けた環境整備に関する基本計画を策定するとともに、インターチェンジの設置促進に努めてまいります。
 また、サーキット場の整備および自動車関連産業の誘致に向け取り組むとともに、企業情報の収集や立地企業への支援、関係機関との連携による企業誘致活動を展開いたします。
 地元中小企業の振興につきましては、沖縄市中小企業振興推進会議における中小企業者等からの意見を施策に反映するとともに、米軍発注業務の受注にかかる翻訳等のサポートやセミナーの開催による中小企業従事者の技 術力向上を支援いたします。
 また、住宅リフォーム支援事業につきましては、市内住宅関連産業の活性化および市民の住環境の向上を図ってまいります。
 ものづくり産業の振興につきましては、知花花織の担い手育成や沖縄市工芸フェアの開催を支援するなど、工芸によるまちづくりを推進いたします。
 また、地域ブランド認定制度や商品開発の支援など、沖縄市のブランド創出を促進いたします。
 農業の振興につきましては、「沖縄市 人・農地プラン」に位置づけられた農業者への支援策を展開するとともに、青年給付金対象者への就農意欲の向上と継続的な就農を図ってまいります。
 また、沖縄東中学校周辺における農道につきましては、みなし歩道を整備いたします。
 畜産農家の経営安定や地元畜産物のブランド化を促進するため、和牛改良に向けた優良種畜 導入を新たに支援いたします。
 また、子牛の生産等に対し支援するとともに、養豚農家へ優良種畜の無償貸し付けをおこないます。
 水産業の振興につきましては、サンゴ群生地の育成や白イカ産卵床の設置などの支援により、つくり育てる漁業を促進するとともに、市民と生産者との交流を図る港まつりの開催を支援いたします。
 雇用対策につきましては、沖縄市就労支援センターにおいて、一般、高齢者等の就労相談から職業紹介までの就労支援に取り組むとともに、中心市街地就労等支援施設ファミリーサポート・ジョブカフェにおきましては、若者や子育て世代を対象とした職業体験および就職活動に対する幼児の一時預かりなどを実施いたします。
 また、心因性の理由等により就職が困難な若者へのインターンシップや職業訓練などをおこないます。
 ひとり親家庭への就労支援につきましては、高等職業訓練の資格取得に関する給付期間を延長するなど、経済的・社会的自立を促進いたします。
 中心市街地の都市基盤再整備につきましては、山里第一地区市街地再開発事業における権利変換に向けた支援を実施するとともに、安慶田地区土地区画整理事業における物件移転補償や道路詳細設計等をおこないます。
 また、中の町地区土地区画整理事業につきましては、事業認可の取得をおこない、換地方針の策定等に取り組んでまいります。
 胡屋十字路からコザ十字路間の国道330号の拡幅につきましては、引き続き国・県等との連携を図りながら、事業化に向けた取り組み等をすすめるとともに、沿線の生活環境の改善および中心市街地の活性化に向けた土地利用の検討をおこないます。
 また、沖縄こどもの国周辺道路につきましては、快適な歩行空間整備に取り組んでまいります。
 東部海浜開発事業につきましては、段階的な開発を見据えた防災基本計画の策定に向けた調査や環境利用学習に取り組むとともに、環境に配慮した埋め立て事業を促進してまいります。
 また、東部地域と連携し、地域活性化や事業PRに取り組んでまいります。

子育て支援と人材育成の充実

 「沖縄こどもの国」につきましては、動物や園舎・園路と相まった空間づくり等により、国内に 類を見ないユニークで魅力ある施設整備に向け、基本計画の策定に取り組んでまいります。
 また、飼育環境の充実を図るため、ゾウ舎の工事を実施するとともに、こどもの国公園の園路等の施設整備をおこないます。
 すべてのこどもが安心して健やかに育まれるよう、「沖縄市子ども・子育て支援事業計画」にもとづき、幼児教育と保育の質の向上および教育・保育提供体制の量の確保、質の高い地域子ども・子育て支援事業の実施に取り組んでまいります。
 こどもやその保護者などが支援事業等を円滑に利用できるよう、子育て家庭への情報の提供や相談・援助などをおこなう利用者支援窓口を新たに設置いたします。
 保育環境の整備につきましては、泡瀬保育所の建替えに伴う基本設計に着手するとともに、多様な保育ニーズに対応するため、新たに地域型保育の実施に向け取り組んでまいります。
 待機児童解消の推進につきましては、認可保育所の施設整備や認可外保育施設の認可化に対する支援をおこなうなど、保育所の定員拡大を図ってまいります。
 幼稚園教育の充実につきましては、泡瀬幼稚園と比屋根幼稚園における給食の提供をモデル事業として実施いたします。
 また、市立幼稚園の預かり保育時間の延長および保育期間を学年末まで延長するとともに、民間保育施設の幼稚園児預かり保育に対する支援をおこないます。
 学校給食につきましては、老朽化した第二調理場の改築に向け取り組むとともに、食物アレルギーへの対応の充実を図り、安全・安心な学校給食を提供してまいります。
 また、多子世帯の保護者の負担軽減を図るため、本市の小・中学校に在籍する児童生徒のうち、同一世帯の3人目以降に対し学校給食費を助成いたします。
 こどもの健やかな成長と子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、引き続き就学前までの通院と中学生までの入院にかかる医療費を助成いたします。
 こどもたちの健全育成を推進するため、小学校区ごとの公設放課後児童クラブの設置をめざし、整備計画の策定に取り組むとともに、放課後児童クラブの支援をおこないます。
 また、中学校区ごとの児童館整備に向け取り組むとともに、小学校の教室等を活用した放課後子ども教室を実施するなど、放課後児童の居場所づくりをすすめてまいります。
 こどもたちの健やかな発育と健康の支援につきましては、妊娠、出産、不妊、育児に関する相談や、夫婦などを対象とした教室を開催するとともに、生後4か月までの乳児がいるすべての家庭への訪問による養育環境等の把握や育児相談を実施するなど、健全な育成環境の確保に努めてまいります。
 また、発達が気になる子等に対し、早期発見・早期支援に取り組んでまいります。
 家庭への子育て支援につきましては、絵本を介して親子がふれあう機会を促進するため、絵本の読み聞かせや配布などをおこないます。
 こどもたちの文化活動に参加する機会づくりのため、こどもの文化活動団体へ新たに支援いたします。
 また、こどもたちが社会の一員としてまちづくりに参画する「沖縄市こども議会」の開催により、こどもたちの主体的な活動を応援してまいります。
 教育環境の整備につきましては、島袋小学校校舎の改築工事に着手するとともに、中の町小学校屋内運動場の新増改築および安慶田中学校校舎の耐震補強工事等を実施いたします。
 また、小学校の楽器や中の町小学校全面改築に伴う備品などを整備いたします。
 学力の向上につきましては、確かな学力の育成に向け、教科コーディネーターや学習支援員等を配置し、児童生徒一人ひとりに応じた学習指導の充実を図ってまいります。
 また、学習意欲の向上を図るため、中学生の検定試験受験料の一部助成や科学による体験学習およびキャリア教育に取り組んでまいります。
 国際理解教育の推進につきましては、各小・中学校に英語指導助手を配置するとともに、小学校のクラブ活動において、中国・韓国の文化や言語にふれる機会をつくってまいります。
 また、中学生を対象とした海外ホームステイをおこなってまいります。
 学校等における個に応じた支援につきましては、適応指導教室などにおいて不登校児童生徒への学校復帰をめざした支援に取り組むとともに、スクールカウンセラー等の配置による相談支援および小・中学校に学校支援教育補助者を配置するなど、児童生徒の教育的支援等をおこないます。
 また、特別な支援が必要な児童生徒や外国人児童生徒を対象に、特別支援教育補助者や日本語指導員を配置いたします。社会生活を円滑に営む上で困難を有する中学校卒業から30歳代までの若者を対象とした若者相談窓口を新たに設置いたします。
 また、青少年の悩みに対し、電話・来所・訪問による相談をおこなうとともに、街頭指導および登下校の巡回指導などに取り組んでまいります。
 国内交流の推進につきましては、兄弟都市の豊中市が企画制作する演劇公演を開催するとともに、姉妹都市との教育文化交流などをおこないます。
 国際交流の推進につきましては、コザインターナショナルプラザにおいて各種語学講座や国際交流サロンなどを実施するとともに、海外移住者子弟研修生の受け入れや海外姉妹都市レイクウッド市への留学生支援をおこないます。
 また、日常生活コミュニケーションブックの発行や多言語による行政相談に取り組むなど、多文化共生による社会づくりを推進いたします。

健康増進と福祉の充実

 人権擁護につきましては、高齢者の金銭管理等に関する相談支援や認知症高齢者等を対象とした法人組織による後見業務などをおこなうとともに、人権教室の開催や特設人権相談所の開設を支援いたします。
 男女共同参画社会づくりの推進につきましては、きらめきフェスタにおいてワーク・ライフ・バランスに関する講演会を実施するとともに、啓発紙「きらめき」の発行や各種講座の開催などに取り組んでまいります。
 福祉のまちづくりにつきましては、福祉の担い手やボランティアの育成、小規模の地域ネットワーク活動などを支援するとともに、福祉の総合的な推進を図る「第五次沖縄市地域保健福祉計画」の策定に向けて取り組んでまいります。
 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、介護保険制度の改正に伴う認知症や生活支援への対応に向けて取り組むとともに、介護予防に関する相談・支援などを実施いたします。
 障がい者が自立した日常生活をおくれるよう、障がい者やその家族などが互いの悩みを共有することへの支援等を充実するとともに、より専門的な相談支援を目的とした助言や地域のネットワークづくりなどに取り組んでまいります。
 市民の健康増進につきましては、身近な地域におけるウォーキングコースの設定に向けて取り組むとともに、市民主体の健康づくりや健康診査等をもとにした保健指導を実施するなど、生活習慣病対策を推進いたします。
 また、高齢者のインフルエンザ定期予防接種費用を無料化いたします。
 地域において必要とされる救急や小児医療の不採算医療に対する支援および本市の保健・福祉事業等の充実を目的として、公益性の高い社会医療法人への新たな助成に取り組んでまいります。
 国民健康保険事業につきましては、保険料の収納率の向上や医療費の適正化に努めるなど、安定的な運営に取り組んでまいります。
 また、後期高齢者医療制度における人間ドック等検診料、はり、きゅう、あん摩マッサージ施術費用を支援するとともに、葬祭費への助成を拡充いたします。
 生活困窮者の自立を促進するため、相談窓口を新たに設置するとともに、離職により住居を喪失するおそれのある方などへの住居確保給付金の支給や、こどもたちの学習支援をおこないます。
 また、要保護者の程度に応じた生活保護の適正な実施に取り組んでまいります。
 自殺対策につきましては、自殺予防週間等における啓発活動や未然防止に向けた人材養成の研修をおこないます。
 消費者の安全・安心のため、多様化する消費生活に関する相談支援の充実に努め、消費者行政を継続的に取り組んでまいります。

平和と文化の発信

 平和行政の推進につきましては、終戦70年および核兵器廃絶平和都市宣言30周年の節目を迎えるにあたり、沖縄市民平和の日記念行事等をとおして平和を広く発信するとともに、平和大使の長崎市などへの派遣や姉妹都市米沢市の中学生との平和交流をおこないます。
 文化の振興につきましては、新たなイベントとして「(仮称)沖縄市芸能フェスティバル」を開催するとともに、市民が文化芸術に親しむワークショップや市内団体等が出演する吹奏楽フェスティバルを実施いたします。
 また、沖縄市民会館大ホールの舞台機構や照明設備、中ホールの音響調整卓等を改修するとともに、市民の主体的な文化芸術活動を支援いたします。
 沖縄市戦後文化資料展示室「ヒストリート」につきましては、展示室の充実に向けて取り組むとともに、終戦70年をテーマにした特別企画展等の開催や戦後の本市に関する新聞デジタル資料の収集などをおこないます。
 また、沖縄市史第5巻(移民編、戦争編)等の発刊に向けて調査・編集に取り組んでまいります。
 生涯学習の推進につきましては、コリンザにおける新たな図書館整備に向け、改修工事を実施するとともに、生涯学習フェスティバルや各種講座の開催などに取り組んでまいります。
 また、地域の青年会活動の充実化を促進するため、エイサー等に関する物品購入を支援いたします。
 市民スポーツの推進につきましては、小・中学校体育施設を開放するとともに、市民が気軽に参加できるスポーツイベントの開催などに取り組んでまいります。
 地域コミュニティの活性化につきましては、自治会加入の促進につながる支援や軽貨物自動車購入等への助成を新たに実施するとともに、中の町地区学習等供用施設の改修や安慶田自治公民館のバリアフリー化への支援をおこないます。

都市基盤の整備と環境との調和

 土地区画整理事業につきましては、美里第二土地区画整理事業における物件等補償調査業務や区画道路工事を実施するとともに、美里土地区画整理事業の竣工記念誌を作成いたします。
 キャンプ瑞慶覧地区につきましては、返還後の円滑な土地利用に向け、ロウワープラザ住宅地区における公有地の先行取得を実施するとともに、地権者への情報提供をおこないます。
 住環境の整備につきましては、泡瀬市営住宅の基本設計に取り組むとともに、安慶田市営住宅の第二期工事および第三期の実施設計等をおこないます。
 また、池原市営住宅の耐震診断をおこなうとともに、登川市営住宅の維持補修工事等を実施いたします。
 公園整備につきましては、(仮称)美東公園および若夏公園の工事等を実施するとともに、老朽化した公園遊具の改築等に取り組んでまいります。
 また、緑地の活用に向け、海中道路跡都市緑地の工事等を実施いたします。
 市民の緑化意識の高揚および市街地における緑地空間の創出・保全を図るため、花いっぱい推進運動を展開するとともに、幹線道路における花壇整備を実施いたします。
 上水道事業につきましては、基幹管路等の水道施設の耐震化を推進し、災害に強い施設整備に取り組んでまいります。
 公共下水道事業につきましては、知花地区や美里地区等の汚水管路工事および上地地区等の改築工事を実施するとともに、知花第二ポンプ場の機械、電気設備改築工事等をおこないます。
 また、県の河川改修に伴う汚水管路の移設工事を実施いたします。
 雨水排水対策につきましては、知花地区や比屋根地区等の浸水対策に向け取り組んでまいります。
 道路整備につきましては、安慶田中線や東南植物楽園線の用地取得および物件移転補償等に取り組むとともに、市道松本30号線の工事等を実施いたします。
 また、里道の適正な維持管理に向け境界確定調査をおこないます。
 災害に強いまちづくりにつきましては、市内小学校へ備蓄倉庫を設置するとともに、自主防災組織がおこなう防災意識の普及啓発への新たな支援や被災者支援システムの導入などに取り組んでまいります。
 (仮称)津波避難ビルの整備に向けて調査・検討をすすめるとともに、防災行政無線子局のデジタル化をおこないます。
 また、古謝地区や比屋根地区において里道を活用した災害時の緊急避難通路を整備いたします。
 消防体制につきましては、消防緊急通信指令装置および小型動力ポンプ付き水槽車を更新するとともに、心肺蘇生法等に関する講習会の開催などに取り組んでまいります。
 新たなLED保安灯の設置や老朽化した保安灯のLED化をおこなうとともに、自治会の保安灯電気料金を支援し、防犯における安全・安心な生活環境の整備を推進いたします。
 北部地区につきましては、環境調査を実施するなど周辺環境との調和を図ってまいります。
 また、火葬場につきましては、「沖縄市火葬場基本構想」をふまえ、整備に向けた検討をすすめてまいります。
 一般廃棄物の適正な処理および発生抑制を図り、持続可能な循環型社会の構築に向け、「沖縄市一般廃棄物処理基本計画」を策定いたします。
 また、低炭素社会の構築に向け、住宅用太陽光発電システム設置の支援やエコドライブ教習等を実施いたします。

  

 以上、平成27年度の重点的な施策の概要を申し上げました。

 我が国は、急速な高齢化を背景とする社会保障経費の増加、名目経済成長率の低迷など、厳しい財政状況にあるといわれています。
 また、本市においても、依然として財源の大半を地方交付税や国庫支出金等に依存した財政基盤となっているとともに、生活保護費や医療費にかかる社会保障経費や公債費の増加など、厳しい財政運営が懸念されております。
 このような状況において、旺盛な行政需要へ対応し、財政運営の透明性を高め、公共サービスの質を向上させていくことが、地方自治体として求められております。
 市民ニーズを的確に把握し、限られた財源や資源を有効活用することが大変重要となってまいります。
 本市のまちづくりの根幹となる「第四次 沖縄市総合計画」の具体的な施策等を示す後期基本計画および市民目線の行政改革に向けた「第五次沖縄市行政改革大綱」の策定に取り組んでまいります。
 また、教育委員会と首長との連携強化、地方教育行政の責任の明確化等を目的とした地方教育行政の制度見直しなど、時代に対応した組織改革等に取り組んでまいります。
 人口減少、高齢化が懸念されるなか、政府は地方の仕事や人口の増加による地域の活性化をめざしており、時代に対応した地域づくりが一層求められています。
 本市のあらゆる地域資源を活用し、文化的特性などを伸張させ、諸課題には果敢に挑み、活力を創出させることで、市民の皆さまがこのまちに住み続け、そして誇れるまちをめざしてまいります。
 昨年5月の就任以来、職員とともに「活力あふれる沖縄市」の実現に向け、「くわえビジョン」でお示しした主要プロジェクトをはじめとする様々な取り組みを力強く始動させ、日々気運の高まりを感じております。
 私は、沖縄市の舵取りを託していただいた市民の皆さまの期待に応えるべく、本市の発展に向け情熱的に挑戦し続けてまいります。
 員の皆さま並びに市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。

桑江市長

平成27年2月17日
沖縄市長 桑江 朝千夫

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