今月の人

食をとおして市民の健康を支える

274/眞喜志 末子(すえこ)さん(67)

 誰もが生き生きと健やかに暮らすことを目標に、各地域で食生活を通した健康づくりを推進する活動に取り組んでいる沖縄市食生活改善推進協議会。今月は、平成26年5月で設立25周年を迎えた同協議会の会長である眞喜志末子さんに、推進員の活動や今後の抱負について話を聞いた。

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 沖縄市食生活改善推進員とは、食を通した健康づくりに地域住民と一緒に取組み、身近な立場から助言を行うボランティアで、昭和58年に18人の推進員が養成されたのをきっかけにスタートし、その後、各婦人会の方々がメンバーとして加わり、平成元年5月に協議会が設立された。現在、会員数は158人で県内では最も多い協議会となっており、眞喜志さんは、協議会設立前の昭和63年頃から推進員として活動を始め、これまで市民の健康づくりのため様々な活動に携わってきた。
 推進員になるためには、市が行う20時間の養成講座を受講し、その中で食に関する基礎知識や市民の健康状況、バランスの良い食事などを学び「食育アドバイザー」の資格を得て、協議会に加入し活動を行っていく。協議会の活動は多岐に渡っており、各公民館でのヘルシーメニューの調理実習や健康づくりを目的としたウォーキングや体操の実践、健康づくり自主グループの育成、ヘルスサポーター養成などだ。特に男性や親子で参加する調理実習は人気が高い。また、近年、力を入れているのが、中学生以下のこども達への食育教室で、バランスの良い食事を取ることや朝 食の大切さ、食事が体を作り、大人になった時に健康で充実した生活を過ごすために必要なことを伝えている。眞喜志さんは、これらの教室を開催した後に参加者のアンケートを読むと、油や塩の正しい使い方や食事と体調の関係が分かったといった生の声が聞けて手ごたえを感じるそうだ。また、沖縄県は肥満者の割合が高いことから、偏った食生活を改善する必要があり、そのためには小さな努力を継続していくことが大切だと考えている。
 眞喜志さんは「これからは、自治会や社会福祉協議会とも協力して高齢者や単身世帯の方へ簡単にできる料理作りも伝えていきたい。食生活改善推進員は、年齢の上限がなく、いくつになっても続けられるので、推進員自身もそれぞれの生活や年齢に合わせた活動を自分のできる範囲で行い、推進員の活動をライフワークにして欲しい」と語った。
 いつでも前向きで一生懸命な眞喜志さん。家族の協力のもと、食生活改善推進員の活動を楽しみながら行っている。『私たちの健康は私たちの手で!』今日も協議会の仲間達と共に沖縄市民の健康を支えていく。

戦後文化シアター 今月のヒストリート

 「沖縄市戦後文化資料展示室ヒストリートU」では3月31日まで「石川文洋写真展 沖縄からベトナム、そしてコザへ」を開催しています。ベトナム戦争に向かう米兵たちで賑わった当時のコザの街は「ドルの雨が降る」と言われるほどの隆盛を誇りますが、その米兵たちが集まった店舗には「Aサイン」(左写真)が掲げられていました。
 「Aサイン」とは、米軍当局が米兵の出入りを認めた飲食店などに発行する許可証のことで、「Approved(許可)」の頭文字です。米軍は米兵の衛生・健康管理を目的として店舗の衛生管理に厳しい基準を設け、これをクリアした店舗だけに米兵の出入りを認めました。例えば店はコンクリート造りで、男女のトイレは別に設け、流し台もステンレス製と指定されました。抜き打ち検査も頻繁に行われ、「トイレの故障」「水道のお湯が出ない」「コップの汚れ」と、細かな部分までチェックしていたようです。「基地の街」の象徴ともいえる「Aサイン」ですが、米兵相手の商売は一筋縄でいくものではなかったようです。
 本土復帰直前の1972年4月にAサインは廃止されます。その後の円高の影響もあって米兵客の足取りも遠のき、街のようすも変わっていきました。「基地の街」から「国際文化観光都市」へ、沖縄市は新たな歩みを始めていくのです。

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  • ■市史編集担当/TEL:929-4128(直通)
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