活力あふれる沖縄市
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平成26年度 施政方針

 沖縄市は、市制施行40周年を迎えており、この輝かしい節目の年、市長に就任させていただきましたことに心から感謝申し上げます。
 県内第2の人口を有するわがまちを、中部の要として、「活力あふれる沖縄市」に復活させることこそが、私の使命だと考えております。
 私がお示しした「くわえビジョン」の実現に向けて、次の八つの基本方針のもと、市政を運営してまいります。

〜活力あふれ・市民が夢と希望のもてるまちづくり〜

桑江市長
  1. 中部の要、元気なまち・沖縄市へ
  2. 人材輩出のまち、若者のまち・沖縄市へ
  3. 社会的弱者に寄り添う福祉充実のまち・沖縄市へ
  4. 女性の社会参加と子育て支援のまち・沖縄市へ
  5. 文化、芸能の薫るまち・沖縄市へ
  6. 新たな観光資源を創出するまち・沖縄市へ
  7. 基地被害のないまち・沖縄市へ
  8. 市民が主役の行政・沖縄市へ

 平成26年度の市の予算は、「地域の活性化と雇用の創出」をはじめ、5つの重点的な取り組みなどをすすめるため、総額938億5392万8千円となっています。
 6月19日から市議会6月定例会が開かれ、桑江市長より平成26年度施政方針が発表されました。今月号はそのあらましを紹介します。

桑江市長・施政方針(要旨)

 この度の市長選挙におきまして、市経済の活性化と雇用の創出をはじめとする公約に、多くの市民の皆さまのご信託を賜り、第11代沖縄市長に就任させていただきましたことに、心から感謝を申し上げます。
 沖縄市は、本年度、市制施行40周年を迎えております。
 昭和49年、当時の大山朝常コザ市長と中村哲二郎美里村長のご英断のもと、基地の門前町として急速な発展を遂げたコザ市と中城湾港を臨む美里村が合併し、沖縄市が誕生いたしました。
 新生・沖縄市にあって、3期12年にわたり市政運営を担い、今日の礎を築いた父・桑江朝幸が、常に市民、県民の幸福を第一に考え、ひたむきに行動する姿に自らを重ね合わせ、政治の道を歩んできた私にとりまして、輝かしい節目の年に市長に就任させていただくことに万感の思いがいたします。
 歴史的な合併から歳月を経て、本市のさらなる発展を市民の皆さまから託していただき、その責任の重さに改めて身の引き締まる思いがいたします。
 多くの市民が働く場や子育てなど、将来への不安や閉塞感を抱くなか、「活力あふれ・市民が夢と希望のもてるまちづくり」をお示しし、このまちを愛しこれからも住み続けたいと願う、若者をはじめとする多くの市民にご理解をいただきました。
 県内第2の人口を有するわがまちを、中部の要として「活力あふれる沖縄市」に復活させることこそが私の使命だと考えております。
 国においては、長期にわたるデフレと景気低迷からの脱却をめざし、積極的な取り組みがすすめられ、日本経済は景気回復に向け、大きく動き出しました。
 衆目を集める祭典、オリンピック・パラリンピックの2020年東京開催などが、景気回復、経済成長への一翼を担うものと期待されております。
 一方、円安による物価上昇や消費税増税、TPP等、国民生活に及ぼす影響が懸念される課題も多く、国民の合意形成など、賢明な舵取りをしていただきたいと考えます。
 沖縄の経済につきましては、県が2021年度に、入域観光客数1,000万人、観光収入1兆円を目標に掲げるなか、昨年度の入域観光客数が外国客62万人余を含む過去最高の658万人余を達成するなど、引き続き拡大基調で推移するといわれております。
 那覇空港国際線旅客ターミナルビルおよび那覇クルーズターミナルの供用とともに、那覇空港滑走路増設工事がいよいよはじまり、アジア各地との交易や交流による地域の発展・活性化に向けた取り組みが一層重要となります。
 また、アジアに近い沖縄の地理的特性を活かした物流ハブ形成も着実に進展し、国際航空貨物事業を基本インフラに、国内大手の事業展開は、物流ハブの可能性の大きさをあらためて感じさせます。
 このような社会情勢にあって、今まさに、本島中部圏の中核都市として、沖縄経済の一端を担う「活力あふれる沖縄市」を復活させる絶好の機会となります。
 わがまちには、夢と希望の持てる優れた潜在能力があります。
 まず、県内唯一の本格的な動物園「沖縄こどもの国」につきましては、施設区域を拡大させ、亜熱帯の地域特性や島嶼性の自然環境が織りなす空間を創り、動物とのふれあいや個性的な展示手法など、全国的にもユニークな施設へ整備拡充いたします。沖縄県への入域観光客の増加を見据え、国内客のみならず、外国客も訪れる魅力的な動物園をめざします。
 多目的アリーナにつきましては、音楽のまちを象徴するコンサート、好評のおきなわカップやプロバスケットボールをはじめとする各種スポーツ、伝統的な醍醐味を誇る闘牛、コンベンション機能など、内外から老若男女が集い、活力あふれる沖縄市のランドマークとして整備いたします。
 東部海浜開発事業につきましては、企業誘致による雇用の創出など、市民要望の強い事業として、早期完成を強力に推進します。
 臨海域の可能性を無限に広げる滞在型リゾートと海外からもアスリートが集うスポーツの一大拠点を形成し、時代に対応した商業・コンベンション機能等の立地とともに、ビーチ利用の早期開始に向け取り組みをすすめてまいります。
 また、このまちの面白さは、個性的な文化であり、同時に文化を培ってきた人々です。戦後、多種多様な文化が融合し、混在一体となった新しい文化が発信され、エイサーや民謡、ジャズやロック、演劇、ファッション等々、多様な芸能・芸術文化活動が盛んです。
 国際色豊かなまち、個性的な文化を最大限に活かし、地域の活性化につなげてまいります。
 特に、本市における雇用の創出は、極めて重要な課題であり、斬新なアイデアと行動力によるダイナミックな取り組みが必要であります。
 サーキット場の整備により、本格的なモータースポーツのメッカとして、若者たちの夢を育むとともに、あわせて自動車関連産業などの誘致に取り組み、アジア各地との交易にも寄与する生産拠点等の形成で、安定的かつ大規模な雇用の創出をめざします。
 私は、まちの中心市街地、豊かな自然を抱く倉敷ダム、南国情緒漂う東南植物楽園、老舗プラザハウスなど、市全域を「テーマパーク」と位置づけ、地域資源を活用することにより、近隣市町村からも観光客等を回遊させ、それぞれが連動して相乗効果を発揮させれば、活力あふれる沖縄市が必ずや「復活」すると確信しております。
 一方、戦後の沖縄を振り返り、これからの沖縄の将来に思いを馳せるとき、平和と安全・安心、そして、自立した発展をめざしていくことが大変重要であります。
 国に対しましては、沖縄の過重な基地負担や日米地位協定など、諸課題の解決に向けて、しっかり取り組むよう求めてまいります。

くわえビジョン八つの基本方針

 市長に就任するにあたって、私がお示しした「くわえビジョン」の実現に向けて、次の八つの基本方針のもと、市政を運営してまいります。

一つ目 中部の要、元気なまち・沖縄市へ

 まちは、住み・働き・学ぶ場所等として選択され、より個性を活かし、魅力を高めることが求められています。地域の活性化と雇用の創出、賑わいとうるおいの創出など、活力あふれるまちづくりに取り組みます。
 中心市街地活性化事業の再構築や災害に強いまちづくりとともに、観光にも寄与する「沖縄こどもの国」の整備拡充、多目的アリーナやサーキット場の整備、エイサーのまちを発信するエイサー会館の開設、ヒストリートの充実など、滞在型観光の推進と産業の振興による雇用の拡大に取り組みます。

二つ目 人材輩出のまち、若者のまち・沖縄市へ

 若者たちが、向上心をもち続けて個人力を高め、行動力で未来を切り開く気概や感性で、活躍できる環境づくりに取り組みます。
 国際色豊かな本市における国際交流の推進および人材育成とともに、市民待望の新たな図書館の整備をはじめ、教育環境の整備充実と学力向上対策、青少年の健全育成をすすめてまいります。

三つ目 社会的弱者に寄り添う福祉充実のまち・沖縄市へ

 長寿県沖縄をとりもどせるよう、市民の健康維持に向け、生涯にわたる健康づくりを支援するとともに、高齢者や障がい者等、だれもが安心して暮らせるよう取り組みます。
 生活習慣病の早期発見および予防、市民健康ウォーキングコースの整備に努めるなど、市民の健康増進に取り組みます。
 高齢者等へのインフルエンザ予防接種費用の支援充実に努めてまいります。

四つ目 女性の社会参加と子育て支援のまち・沖縄市へ

 こどもたちの健やかな成長と笑顔は、家族の願いであり、未来への架け橋、そして希望です。安心して子育てや仕事ができる環境づくりに取り組みます。
 待機児童の解消およびこどもたちへの医療費助成の拡充、小中学校における給食費の軽減に取り組むなど、子育てを支援してまいります。

五つ目 文化、芸能の薫るまち・沖縄市へ

 グローバル化がすすむなか、個性的な文化を守り、育てることが一層大切であり、沖縄全島エイサーまつりなど、地域の力となって発揮される文化を振興いたします。
 市青年会活動等の若者の活動を支援するとともに、音楽・芸能の振興および人材の発掘・育成で音楽によるまちづくりを推進します。また、伝統工芸の振興と市民の創作活動を支援するとともに、ものづくりの拠点整備による新たな産業の創出に努めてまいります。

六つ目 新たな観光資源を創出するまち・沖縄市へ

 県の基幹産業に位置づけられて久しい観光は、国際化への対応など、新たなステージに入ったといわれております。環境に配慮しつつ、東部海浜開発事業の早期完成をめざします。
 大規模なスポーツイベントなどを可能にするコンベンション機能やホテル等の滞在機能、ショッピング機能、スポーツ科学センター機能等の誘致に向け取り組みます。

七つ目 基地被害のないまち・沖縄市へ

 基地と隣り合わせの市民生活を余儀なくされてきたからこそ、幸せなまちにしなければならないと考えております。
 常に、市民の安全・安心、利益を最優先に取り組み、基地機能の強化には反対する基本的な姿勢を堅持するとともに、基地 従業員の雇用、安全の確保等を国に強く求めてまいります。

八つ目 市民が主役の行政・沖縄市へ

 行政運営の無駄を省き、不要・不急の事業を見直すなど、行財政改革とあわせ、各種補助や沖縄振興一括交付金の効果的活用に取り組みます。
 職員の積極性を引き出し、市民のために生き生きと働ける環境づくりとともに、「市役所は市民へのサービス産業」との意識で、市民の視点に立ち、迅速・適切に対応する市役所の実現をめざします。

 私は、国会議員秘書時代を原点として、政治の役割、政治家のあり方を学び、培ってきた経験等を活かし、国や県との信頼関係をもとに、しっかりとした財源の確保で、沖縄市の発展に向け、「情熱的に挑戦し続ける」ことを、市民の皆さまにあらためてお約束いたします。
 そのためには、議員の皆さま並びに市民の皆さまのお力添えは不可欠であり、重ねてご理解とご協力をお願い申し上げます。

平成26年度の重点的な五つの施策

地域の活性化と雇用の創出

 観光の振興につきましては、新たにコンサートやスポーツなどの拠点となる多目的アリーナの整備に向けた取り組みをはじめ、観光地周辺道路の街路樹の剪定や植栽およびポケットパークを整備するとともに、ICTや携帯端末などを活用し、終日気軽に観光情報等が入手できるよう情報提供に取り組んでまいります。
 また、伝統行事の「ンマハラシー(美ら競馬)」や沖縄国際カーニバルの開催を支援するなど、観光誘客を図ってまいります。
 エイサー振興の拠点となる(仮称)青年エイサー会館の整備に向けた取り組みや、地域で開催するエイサーイベントの支援を新設するとともに、沖縄全島エイサーまつりの開催およびエイサー団体の国内外の派遣を支援するなど、エイサーのまちを推進いたします。
 スポーツコンベンションシティの推進につきましては、コザしんきんスタジアムの野球用備品等を充実するとともに、広島東洋カープの応援やFC琉球のホームタウン活動を支援いたします。
 また、プロからアマチュアに至る幅広いスポーツキャンプ等の誘致活動を実施いたします。
 沖縄の伝統音楽等を中心とした音のページェントの開催や、市内ライブハウスにおける定期無料ライブなどの実施および収集した本市の音楽・芸能資源の常設展示等により、音楽によるにぎわいの創出に取り組んでまいります。
 中心市街地の活性化につきましては、まちの回遊性を高める循環バスの運行をはじめ、民間駐車場の一定時間無料化に対する支援、NPO等の市民活動に関する情報の提供などに取り組むとともに、「沖縄市中心市街地活性化基本計画」における取り組みの検証および次期計画の策定に向けた調査・検討をおこないます。
 個性的な商店街づくりを促進するため、既存店舗の改装費用に対する支援を新設するとともに、イベント開催などの支援および商店街等への誘導・回遊を図る調査・実証実験を実施いたします。
 雇用の場の拡大につきましては、新たにサーキット場および自動車関連産業の誘致に関する調査を実施するなど、企業誘致を推進いたします。
 また、準工業地域の基盤整備に向け、スマートインターチェンジの設置促進に資する調査・検討をおこなってまいります。
 地元中小企業の育成・強化を図るため、基地内業務の受注にかかる契約業務や技術力の向上に資する講座の開催等を支援いたします。
 また、市民の住環境の向上および市内住宅関連産業の活性化に向け、住宅リフォームを支援いたします。
 工芸産業の振興の拠点となる施設整備に向けた取り組みや、知花花織の生産基盤の強化等の支援、沖縄市地域ブランド認定制度などを実施いたします。
 また、中城湾港新港地区における貨物船の定期就航の実現に向け、物流輸送にかかる支援を実施するなど、ものづくり産業の振興を図ってまいります。
 農業の振興につきましては、沖縄市人・農地プランの推進や農商工連携の促進および栽培施設の整備に対し支援いたします。
 また、素牛購入や子牛の生産等に対する支援、優良種畜の無償貸し付けの実施および畜産共進会を開催してまいります。
 水産業の振興につきましては、サンゴの植え付けや白イカ産卵床の設置等を支援いたします。
 雇用の対策につきましては、新たに地域の実情に応じた人材育成の実施や沖縄市就労支援センター等における就労相談・職業斡旋などの支援体制を充実するとともに、就職が困難な若者やひとり親家庭等、個々の状況に応じた就労支援に取り組んでまいります。
 また、情報技術の習得と活用能力の向上を図るため、沖縄市テレワークセンターの利用環境を充実するとともに、IT講座を開催いたします。
 中心市街地の活性化に向けた都市基盤の再整備につきましては、山里第一地区市街地再開発事業の認可取得を支援するとともに、中の町地区土地区画整理事業の事業化に向け取り組んでまいります。
 また、安慶田地区土地区画整理事業につきましては、用地取得および物件移転補償等を実施いたします。
 胡屋十字路からコザ十字路間の国道330号の拡幅につきましては、国・県等との連携のもと、沿道の土地利用計画の策定や事業手法の検討に取り組んでまいります。
 また、回遊性の向上を図るため、中央公園線の歩道整備を実施いたします。
 東部海浜開発事業につきましては、公共施設整備に関する基本計画を策定するとともに、環境利用学習用教材の作成をおこないます。
 また、海岸環境の美化等に向け、泡瀬の護岸へ絵画を描く取り組みを支援いたします。

子育て支援と人材育成の充実

 「沖縄こどもの国」につきましては、こどもたちの人材育成はもとより、観光振興等に寄与する全国的にもユニークな施設として充実させるため、新たな整備計画の策定に取り組んでまいります。
 また、インドゾウの出産を控えているなか、新たに誕生する子ゾウを含めた飼育環境を整備するため、ゾウ舎の基本・実施設計をおこなうとともに、園路や老朽化したチンパンジー舎などの工事等に着手いたします。
 こどもが健やかに成長することができる社会の実現に寄与するため、こどもや保護者等を支援する子ども・子育て支援法等に基づく新制度への対応に取り組んでまいります。
 待機児童の解消に向け、多様な保育ニーズに対応する情報提供など、保育利用者へのきめ細かな対応をおこなうとともに、受け皿の確保に努めてまいります。
 また、認可化をめざす認可外保育施設への運営費や私立保育所の分園設置等を支援いたします。
 保育環境の整備につきましては、公立保育所の法人移管に向け、移管先の選定などに取り組むとともに、老朽化した公立保育所の改築に向けた基本計画の策定に着手いたします。
 また、老朽化した児童福祉バスを更新いたします。
 幼稚園教育の充実につきましては、モデル事業として泡瀬幼稚園と比屋根幼稚園の全園児を対象に給食を提供してまいります。
 また、多様な保育ニーズに対応するため、特別な支援が必要なこどもに対する支援員の配置等をおこなってまいります。
 学校給食につきましては、本市の小中学校に在籍する児童生徒のうち同一世帯の第3子以降の給食費を無料化するとともに、個に応じた安全・安心な給食を提供するため、食物アレルギー対応の充実を図ってまいります。
 こども医療費助成につきましては、こどもの健やかな成長や子育て世帯の経済的負担軽減を図るため、通院医療費の対象を就学前まで拡充いたします。
 こどもたちの健全育成や放課後の居場所づくりのため、放課後児童クラブを支援するとともに、居場所づくりに関する情報提供や出前児童館等を実施いたします。
 多胎児世帯への育児支援の対象を1歳半まで拡充するとともに、妊娠・出産を望む夫婦等の支援および公民館等における子育て支援をおこない、こどもたちが健やかに育まれる環境づくりに取り組んでまいります。
 乳児とその家族がふれあう機会をつくるため、絵本を配布するとともに、家庭の教育力の向上を図るため、子育て講座等を実施いたします。
 また、発達の気になる子等を相談などにおいて早期に把握し、発達段階と個に応じた療育支援をおこなってまいります。
 こどもたちが社会の一員としてまちづくりについて考える機会を確保するため、市内の中学校からこども議員を募り、「沖縄市こども議会」を開催いたします。
 教育環境につきましては、中の町小学校校舎や室川小学校屋内運動場など老朽化した学校施設の改築および教材備品等を整備いたします。
 学力の向上につきましては、学校支援教育補助者や教科コーディネーターを配置するなど、指導方法の充実に取り組むとともに、中学生の検定受験料を半額助成し、学習意欲の向上や基礎学力の定着を図ってまいります。
 また、科学をとおした好奇心を育む教育やキャリア教育および芸術表現活動をとおしたコミュニケーション能力の育成に努めてまいります。
 国際理解教育を推進するため、外国語指導助手を全小・中学校に配置し、こどもたちが異なる文化・言語にふれる機会をつくるとともに、中学生を対象とした海外ホームステイを実施いたします。
 学校等における個に応じた支援体制につきましては、教育相談員や指導員などを配置し、不登校児童生徒等への対応に取り組むとともに、特別支援教育補助者や日本語指導員を配置し、特別な支援が必要な児童生徒や外国人児童生徒を支援いたします。
 国内交流の推進につきましては、東海市主催の中学生軟式野球交流大会への選手派遣や兄弟・姉妹都市への市民交流ツアーを実施するとともに、豊中市との兄弟都市締結40周年を記念した式典・祝賀会を開催いたします。
 国際交流の推進につきましては、南米ペルーへの芸能指導者の派遣や海外姉妹都市レイクウッド市への留学生を支援するとともに、コザインターナショナルプラザにおける語学講座や日本語交流会などを実施してまいります。
 また、多言語での生活相談や広報誌の発行に取り組むなど、多文化共生による社会づくりを推進してまいります。

健康増進と福祉の充実

 人権を尊重する地域社会づくりにつきましては、認知症高齢者等を対象とした法人組織による後見業務などに取り組むとともに、人権擁護委員との連携による意識啓発に努めてまいります。
 男女共同参画社会づくりの推進につきましては、きらめきフェスタや各種講座の開催、啓発紙「きらめき」の発行など、男女平等の意識啓発に取り組んでまいります。
 福祉のまちづくりにつきましては、小規模の地域ネットワーク活動や福祉の担い手の育成などを支援してまいります。
 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、「第5次沖縄市高齢者がんじゅう計画」を策定するとともに、総合的な相談・支援や介護予防などに取り組んでまいります。
 また、老朽化した老人福祉バスを更新いたします。
 だれもが暮らしやすい地域づくりを推進するため、「第4次沖縄市障がい者計画」を策定するとともに、「沖縄市障がい者基幹相談支援センター」と関係機関との連携による支援体制の充実に取り組んでまいります。
 市民の健康増進につきましては、各自治会における「37運動」等の実施や市民主体の健康づくりの支援に取り組むとともに、健康診査をもとにした保健指導など、生活習慣病対策等を推進してまいります。
 また、感染症の発生や蔓延の防止に努めてまいります。
 市民が安心して医療を受けることができるよう、保険料の収納率の向上や医療費の適正化に努めるなど、国民健康保険事業の健全化に取り組んでまいります。
 また、後期高齢者医療制度加入者の健康の保持増進等を支援してまいります。
 生活に困窮する者の自立を助長するため、生活保護の適正実施や学習支援に取り組むとともに、住宅を喪失するおそれのある離職者やホームレス等への相談・支援をおこないます。
 また、生活困窮者への自立支援に関する体制づくりに取り組んでまいります。
 消費税率の引き上げに伴う影響を緩和するため、低所得者への臨時福祉給付金や子育て世帯への臨時特例給付金を支給いたします。
 自殺対策につきましては、未然防止に向けた人材養成の研修や啓発活動に取り組んでまいります。
 消費者の安全・安心のため、消費者行政を継続的に取り組み、市民相談や消費生活相談に対応する窓口業務を充実してまいります。
 こどもや高齢者、障がい者など歩行者の安全確保や車両の事故防止のため、道路反射鏡や防護柵を設置するなど、交通安全施設の整備を推進いたします。

平和と文化の発信

 平和行政の推進につきましては、広島市や豊中市への平和大使の派遣をはじめ、市民と取り組む平和月間企画展などを開催するとともに、平和学習の充実に向け、平和を広く発信するコンテンツサイトを構築してまいります。
 文化の振興につきましては、文化活動拠点施設の機能を充実するとともに、演劇公演等の開催や文化芸術団体等への支援に取り組んでまいります。
 沖縄市戦後文化資料展示室「ヒストリート」につきましては、特別企画展「沖縄市40年の横顔(スケッチ)」の開催や資料の収集などをとおして、本市の戦後の歴史・文化を広く発信してまいります。
 また、「沖縄市史」第3巻 民俗編を発刊するなど、市史資料の充実に努めてまいります。
 文化財の保存・活用につきましては、文化財説明板の設置や案内マップを作成するとともに、奉安殿・忠魂碑の修復保存に取り組んでまいります。
 生涯学習の推進につきましては、利用しやすく魅力ある図書館づくりに向け、図書館整備の基本計画を策定するとともに、生涯学習フェスティバルや郷土博物館における特別展示を開催いたします。
 また、老朽化した生涯学習マイクロバスの更新や社会教育団体の支援などに取り組んでまいります。
 市民が気軽にスポーツに親しめる環境づくりのため、地域スポーツ教室や各種イベントを開催するとともに、学校体育施設の開放などをおこないます。
 地域コミュニティの活性化につきましては、自治会加入促進への取り組みを強化するとともに、自治会のものづくり活動を支援してまいります。
 また、自治公民館や学習等供用施設のバリアフリー化等を推進してまいります。

都市基盤の整備と環境との調和

 土地区画整理事業につきましては、美里地区の事業完了に伴う式典の開催や記念碑の建立をおこなうとともに、美里第二地区の物件移転補償等を実施いたします。
 キャンプ瑞慶覧地区につきましては、地域特性を活かした跡地利用の展開を図るため、ロウワープラザ住宅地区における跡地利用検討調査を実施いたします。
 住環境の整備につきましては、安慶田市営住宅の第2期工事をおこなうとともに、「沖縄市住生活基本計画」の見直しに取り組んでまいります。
 市営住宅供給の指針となる、「沖縄市市営住宅ストック総合活用計画」の見直しをおこなうとともに、「泡瀬市営住宅再生団地計画」を策定いたします。
 また、「沖縄市営住宅長寿命化計画」の見直しをおこなうとともに、登川市営住宅、久保田市営住宅の維持補修工事を実施いたします。
 公園整備につきましては、(仮称)美東公園および安慶田公園の工事を実施するとともに、若夏公園および(仮称)古謝公園の実施設計をおこないます。
 また、八重島公園や山内公園の遊具の改築工事等に取り組んでまいります。
 市民の緑化意識の高揚および緑の創出・保全を図るため、花いっぱい推進運動において、参加団体への草花等の提供をおこなうとともに、幹線道路における花壇整備等を実施いたします。
 交通体系の基本方針を示す「沖縄市交通基本計画」の策定に取り組むとともに、用途地域の見直しに向けた調査をおこないます。
 上水道事業につきましては、配水管等の水道施設の耐震化を推進し、災害に強い施設整備に取り組んでまいります。
 公共下水道事業につきましては、登川地区等の汚水管路工事や知花第2ポンプ場機械・電気設備改築工事を実施いたします。
 また、県道20号線の拡幅工事に合わせた雨水排水路工事等をおこなうとともに、水路の境界確定調査を実施いたします。
 道路整備につきましては、安慶田中線の用地取得や道路改良工事、市道高原26号線等の工事を実施するとともに、東南植物楽園線の用地測量および内喜納橋の実施設計等に取り組んでまいります。
 また、地域における土地利用の調和を図るため、里道の境界確定調査を実施いたします。
 災害に強いまちづくりにつきましては、津波避難ビルの整備に向けた基本計画を策定するとともに、防災行政無線のデジタル化等をおこないます。
 また、里道を活用した緊急避難通路を整備するとともに、うるま市との相互応援協定の締結などに取り組んでまいります。
 消防体制につきましては、老朽化した水槽付き消防ポンプ自動車や広報車を更新するとともに、心肺蘇生法やAEDに関する講習会を実施いたします。
 防犯における安全・安心な生活環境の整備を推進するため、LED保安灯の新規設置や老朽化した保安灯の整備を実施するとともに、自治会の保安灯電気料金を支援してまいります。
 地球温暖化対策につきましては、住宅用太陽光発電システムの普及促進など、低炭素社会の構築に向け取り組んでまいります。
 北部地区につきましては、環境調査を実施するなど周辺環境との調和を図ってまいります。

 以上、平成26年度の重点的な施策の概要を申し上げました。
 国の経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が懸念されるものの、堅調な内需により景気回復が見込まれるといわれています。
 県においても、沖縄振興予算の増額や沖縄振興一括交付金を活用した事業実施による効果、入域観光客数の増加や雇用情勢の改善など、引き続き好調な経済情勢が予想されています。
 しかしながら、国・地方の財政状況は依然として厳しい状況にあり、簡素で効率的な行財政システムを構築し、自らの行財政運営について透明性を高め、公共サービスの質を維持することが求められています。
 本市の財政状況は、市税や交付税が増加傾向にあるものの、生活保護費や介護給付費などが年々伸び続け、経常収支比率は高い状況にあります。
 昨今の旺盛な行政需要に対応するためには、効果的に機能する行政運営を持続的に発展させることが必要であります。
 限られた財源のより効果的な活用を図るとともに、様々な施策に的確かつ迅速に対応する組織づくりや時代に呼応する政策遂行など、組織運営の強化に取り組みます。
 時代の要請に応えうる職員の養成を図るとともに、職員のやる気を高め、もてる能力や可能性を引き出し、生き生きと働ける職場環境をつくることで、市民の視点に立ち、迅速・適切に対応する市役所の実現につなげてまいります。
 「くわえビジョン」は、市民が主役であり、市民の皆さまとの協働によるまちづくりが最も重要であります。
 市民と直接語り合う「(仮称)タウンミーティング」の開催や各種団体との意見交換会など、ご意見・ご提案を市政に反映させる地域づくりに取り組みます。
 特に、地域における雇用の創出は、喫緊の課題であり、公共事業の市内優先および分離発注による受注機会の増加、最低制限価格の見直しの検討など市内業者の育成・支援に努めるとともに、県内外からの企業誘致に向け、強力なトップセールスを展開し、職員と一体となって取り組みます。
 本年度、各種市制施行40周年記念事業を展開し、広く市民と40周年を祝うとともに、市政の発展に特別な貢献があった方々を表彰する記念式典・記念祝賀会を開催いたします。
 私は、市制施行の節目を迎えるにあたり、歴代の市長の功績に敬意を表し、市民の皆さまとともに創り上げてきたこの沖縄市をさらに発展させることができるよう、身を粉にして全力を尽くすことを心に強く誓っております。
 議員の皆さまをはじめ、市民の皆さまのなお一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、私の就任初年の施政方針といたします。

平成26年6月19日
沖縄市長 桑江 朝千夫

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