今月の人

世界一をめざし、日夜練習に励む

248. 喜友名 諒(りょう)さん(22)

喜友名 諒(りょう)さん

「喜友名個人形で優勝」「全日本空手 喜友名初V」。今月紹介するのは、今年何度も新聞の紙面に登場した喜友名諒さん。五月からほぼ毎月のように大会に出場し、好成績を収め、十二月に行われた空手道全日本選手権大会では見事優勝し、県勢男子初の栄冠に輝いた。今月は喜友名さんに空手への思いや今後の目標について話を聞いた。

喜友名さんが空手を始めたのは5歳の時。強くなりたい!と思ったのがきっかけだ。それから市内の道場に通い、中学校でも空手部に所属していた。中学校三年生の時に、現在の師匠佐久本嗣男劉衛流道統五世の道場に見学に行き、そこで世界一にもなった豊見城あずささんや嘉手納よしえさんの演武を見て衝撃を受ける。自分もここで世界を目指したいと強く思ったそうだ。それからは週に二回道場に通い、練習を続けた。その後興南高校に進学し、現在は沖縄国際大学に在籍している。もちろん空手部に所属し、多くの大会に出場している。

今年も多くの大会で、良い成績を収め何度も新聞の紙面に登場した。五月には、第二回東アジアシニア選手権大会で初の国際大会優勝を果たし、七月にはスロバキアで行われた空手道FISU第八回世界大学選手権大会で惜しくも準優勝。九月にはプレミアリーグ(国際オリンピック委員会の公認団体WFKが世界六カ国で主催する国際大会)トルコ・イスタンブール大会で個人形で優勝、同じ大学のメンバーと出場した団体形でも優勝し二冠を達成した。

喜友名さんの目標である世界一をめざし、十一月にパリで行われたWFK第二十一回世界空手道選手権大会に挑んだが、惜しくも三位という結果であった。その悔しさをバネに十二月に行われた空手道全日本選手権大会に臨み、見事優勝を果たした。県勢男子初の栄冠である。

全日本選手権での優勝は、子供のころからテレビで見ていた憧れの舞台での優勝であり、これまで毎日練習してきたことの結果である。また、今年最後、そして学生最後の大会としていい締めくくりとなった。

今後も師匠が言った「空手で優勝するだけではなく、空手を手段としていろいろな人や文化に触れて世界を広げる」ことを実践しながら、世界一になるべく毎日ハードな練習を積み重ねていく。継続することが自信につながる。目指すは二年後の世界空手道選手権大会での優勝だ。自分が空手で頑張り結果を出すことが、自分を支えてくれる周りの人達への恩返しにもなると考えている。

▼戦後文化シアター 今月のヒストリート

■市史編集担当/TEL:929-4128 ■ヒストリート/TEL:929-2922

正月用の鏡餅
▲正月用の鏡餅

ジュラルミン製今川焼き型
▲ジュラルミン製今川焼き型

新年、明けましておめでとうございます。

昨年は、復帰40年という節目に、沖縄市戦後文化資料展示室「ヒストリートU」において、特別企画展を3回にわたり開催し、様々な視点から「復帰の顔」を紹介しました。今月9日からは、石川文洋氏の沖縄関係写真と村瀬春樹、ゆみこ・ながい・むらせ両氏からご提供いただいた戦中・戦後の道具を展示しています。

戦中・戦後の道具を展示しています。
今回紹介する一点は、一見すると蓋つきの入れ物のようですが、実は正月用の鏡餅として、瀬戸市で1938(昭和13)〜45年にかけて制作され、全国で販売されたものです。平時には本物の餅をお供えしますが、戦時となると陶製の鏡餅が代用品として使われたようです。正月毎に供えることができる、まさに、戦時下の食糧難や「ぜいたくは敵だ」と叫ばれた時代の産物でした。

さて、戦後の沖縄でも、モノ不足の時代に飛行機の残骸からジュラルミン製のナベやヤカンなどの生活用具が作り出され、多くの代用品、転用品がうまれました。ある日、ヒストリートへ来室された方が、「今川焼きを作ったので食べてください」と星形のマークが堅焼きされた今川焼きを持ってきてくれました。長年大事にしているジュラルミン製の今川焼き型で焼いたのだという。

今年も市民の皆様の来室をお待ちしております。