平成24年度市政方針

こどものまちの推進、くらしの充実、中心市街地の活性化、
産業・文化の振興と都市基盤の整備など
市民生活を、「人の和」を基調に未来を見すえ、
取り組んでまいります

東門市長

 海外景気の影響に加え、東日本大震災の影響や雇用情勢の悪化、円高とデフレの悪循環など依然厳しい状況によって地域経済も多大な影響を受けているなか、まちの中に足を運び、市民との対話を通じて改めて実感しておりますことは、「このまちを自分たちの力で何とかしたい」という市民の情熱が、これまで以上に一段と高まっていることでございます。
 市民の皆さまが取り組まれている様々な活動を、まちづくりの気運の高まりとして活かしていくためにも、これまで以上に職員と共に市民との対話を心掛け、市民と行政が絆をより一層深めながら、サービスの向上に努めていくことが、これからの沖縄市の発展に最も大切なことだと考えております。
 平成二十四年度の市政運営に関する重点的な施策の概要につきましては、今日的課題へ対応するため、特に「こどものまちの推進」「くらしの充実」「中心市街地の活性化」「産業・文化の振興」「都市基盤の整備」にかかる施策の実施を推進し、今後の沖縄市の発展に資するよう取り組んでまいります。
 平成二十四年度の予算編成の市の予算は、総額八百三十二億八千三百八十一万一千円となっています。二月二十三日、市議会二月定例会が開かれ、東門美津子市長より、平成二十四年度施政方針が発表されました。
今月号は、そのあらましを紹介します。

東門市長・施政方針(要旨)

 ヨーロッパの政府債務危機などを背景とした海外の景気が落ち込みをみせるなか、我が国の経済におきましては、海外景気の影響に加え、東日本大震災の影響による電力供給の制約や雇用情勢の悪化、さらには、円高とデフレの悪循環が懸念されるなど、依然厳しい状況が続いております。
 このような状況によって、地域経済も多大な影響を受けているなか、まちの中に足を運び、市民との対話を通じて改めて実感しておりますことは、「このまちを自分たちの力で何とかしたい」という市民の情熱が、これまで以上に一段と高まっていることでございます。
 しかも、この気運が中心市街地の活性化のみにとどまらず、子育てや教育、地域コミュニティ活動など、様々な場面で人と人とが結びつき、「人の和」の広がりによって、まさに「いま、まちが動き始めている」ということを肌で感じております。
 市民の皆さまが取り組まれている様々な活動を、まちづくりの気運の高まりとして活かしていくためにも、これまで以上に職員と共に市民との対話を心掛け、市民と行政が絆をより一層深めながら、サービスの向上に努めていくことが、これからの沖縄市の発展に最も大切なことだと考えております。
 平成二十四年度は「人の和」を基調に、これまでの取り組みが着実に実を結び、市民が実感できるよう形にしてまいりたいと考えております。
 このような思いのもとに、平成二十四年度の私の市政運営に臨む基本的な考え方を申し上げます。
 商業施設をはじめ、公共施設や交通基盤等の都市機能が集積した中心市街地は、これまで本市の商業を支えてきたばかりでなく、伝統文化と異文化が融合し、沖縄の戦後文化の中でもひと際特色のある「コザ文化」を醸成してきた土壌でもあります。
 他に類を見ない特色ある本市の地域資源を積極的に活用し、沖縄市の「顔」ともいえる中心市街地を活性化していくことは、まち全体を元気にしていく要であると考えております。
 平成二十四年度は、沖縄市中心市街地活性化基本計画の折り返し点にあることから、中心市街地につきましては、キジムナーフェスタの開催や沖縄こどもの国の充実を図るとともに、国道330号の胡屋十字路からコザ十字路区間の整備を促進するなど、沖縄市の「顔」となりうるまちづくりに取り組んでまいります。
 また、こどもたちや子育てに関する支援を迅速かつ総合的におこなうため、新たに「こどものまち推進部」を設置し、保育所や幼稚園、子育て相談など、主に就学前のこどもに関する施策や事業を集約し、包括的なサービスを提供してまいります。
 沖縄こどもの国の施設整備をはじめ、保育所の建替え、調理場の改築および学校施設の新増改築など、こどものまちを推進するための環境整備に力を入れてまいります。
 基地問題につきましては、昨年暮れに、普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書が、県外移設を望む県民の意思をふみにじる形で県に運び込まれました。一方、普天間飛行場の名護市辺野古移設と在沖米海兵隊のグアム移転を分離する方針が示されるなど、予断を許さない状況となっております。
 私は、基地に翻弄される沖縄の現状を憂慮するとともに、市民の生命と財産を守る観点から、これ以上の基地負担が生じることは、絶対にあってはならないと考えております。
 今後とも、県および関係市町村との連携により、普天間飛行場の県内移設に反対してまいります。また、基地の整理縮小など具体的な負担軽減、並びに日米地位協定の運用改善にとどまることのない抜本的な見直しを、日米両政府に強く求めてまいります。
 沖縄県におきましては、沖縄21世紀ビジョンの実現に向けて基本計画の策定がすすめられております。
 沖縄県がめざす「沖縄らしい優しい社会の構築」と「強くしなやかな自立型経済の構築」を力強く推進していけるよう、本市もその一翼をしっかりと担ってまいりたいと考えております。
 (仮称)沖縄振興一括交付金につきましては、本市の発展に資するよう有効に活用してまいります。

こどものまちの推進

 まず、こどもたちの豊かな感性を育て、創造性を育む文化活動を支援するため、新たに(仮称)こども文化基金の創設に取り組んでまいります。
 こどもたちが、夢に向かって元気にたくましく育つ環境をつくるため、こどもに関する条例の制定に向け取り組むとともに、新たなこどものまち推進アクションプログラムを策定いたします。
 越来保育所につきましては、保育内容の水準確保や地域における子育て拠点として機能の強化等を図るため、移転改築をおこない、緊急一時保育室などを含む施設整備を推進してまいります。
 拠点となる公立保育所において、新たに土曜午後保育および延長保育を実施するなど、多様化する保育ニーズに対応してまいります。
 また、認可外保育施設入所児童への支援等を実施するとともに、公立保育所の法人移管に向け取り組み、保育の充実を図ってまいります。
 幼稚園につきましては、こどものまち推進部の設置により、保育所との連携を推進するとともに、二年保育や預かり保育を実施するなど、幼稚園教育の充実に取り組んでまいります。
 発達の気になる子等の早期発見・早期支援および保護者への支援をおこなうため、発達相談や療育支援の充実を図るとともに、就園・就学時において幼稚園や小学校と連携し、切れ目のない支援に取り組んでまいります。
 児童虐待等による要保護児童の適切な支援等を検討する場として、新たに要保護児童対策地域協議会を設置するとともに、要保護児童等に対する相談支援体制の充実を図ってまいります。
 また、市内の児童養護施設に在園する児童の自立を支援するため、新たに助成事業を実施いたします。
 多胎育児世帯に対する家庭訪問の充実を図るとともに、新たに育児支援員を派遣するなど、家庭・地域における育児相談や子育て支援等を推進してまいります。
 非婚の母子・父子世帯に対し、新たに保育所の保育料算定におけるみなし控除の適用をおこない、経済的な負担を軽減してまいります。
 また、こども医療費助成につきましては、こどもの健やかな育成と保護者の医療費負担の軽減に向け、引き続き取り組んでまいります。
 こどもの予防接種につきましては、小児用肺炎球菌・ヒブ・子宮頸がんの予防接種に加え、新たに水ぼうそう・おたふく風邪の予防接種について、全額公費負担を実施いたします。
 こどもたちの発見する力や自ら考える力等を育むよう、日本科学技術振興財団と連携した科学体験プログラムや学校における出前教室等を実施し、科学の面白さなどを体験する機会を創出してまいります。
 また、芸術家によるワークショップ等の実技指導を実施するなど、児童生徒の豊かな情操を育み、コミュニケーション能力等の育成に取り組んでまいります。
 国際理解教育につきましては、アジアに目を向け、新たに小学校において中国語や韓国語による教育活動を実施するとともに、外国語指導助手を活用した異文化理解や語学教育等の充実に取り組んでまいります。
 また、算数・数学の指導助手を配置し、指導方法等の工夫を図るなど、学校教育の充実を図ってまいります。
 学校支援地域本部を小・中学校全校に拡充し、登下校安全指導や学習支援、特別支援教育に対応するなど、学校・家庭・地域が一体となった教育活動の支援に取り組んでまいります。
 中学校全校に教育相談員等を配置するなど、児童生徒等の抱える悩みや問題への対応および相談支援体制の充実を図るとともに、不登校児童生徒の居場所づくりや体験活動の充実を図ってまいります。また、特別支援教育につきましては、特別な支援が必要な児童生徒等の生活や学習上の支援に取り組んでまいります。
 児童生徒等が安全で楽しく学べる教育環境の充実を図るため、美里小学校の校舎および高原小学校や美里中学校の屋内運動場など、老朽化した学校施設の新増改築に取り組んでまいります。
 こどもたちの成長を支える安全・安心な食の充実に向け、第三調理場の移転改築に着手するなど、学校給食施設の整備をすすめてまいります。
 また、学校給食において、食物アレルギーへの対応を強化するため、新たに専任の調理員等を配置してまいります。
 世界三大演劇祭の一つといわれているフランスのアヴィニョン国際演劇祭のような、アジアを代表する国際的フェスティバルをめざし、国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ(キジムナーフェスタ)の充実を図るとともに、自主参加を希望する劇団等の支援に取り組んでまいります。
 また、世界各国から演劇関係者が集い、ワークショップやセミナーなどをおこなう国際児童青少年演劇協会(アシテジ)世界ミーティングの開催に取り組んでまいります。
 沖縄こどもの国につきましては、琉球弧動物展示施設の一期工事をはじめ、屋外ステージ改築の実施設計およびワンダーミュージアム展示品等のリニューアルに向け取り組むなど、魅力ある施設づくりを推進してまいります。
 児童の健全な遊び場や放課後の居場所づくりのため、(仮称)西部児童館と桃山公園の一体的な整備に向け取り組むとともに、放課後児童クラブなど、放課後に勉強やスポーツ・文化活動等ができる環境づくりをすすめ、児童の健全育成を図ってまいります。

くらしの充実

 沖縄市就労支援センターにつきましては、就労相談から職業紹介まできめ細かな支援の充実を図るとともに、中心市街地就労等支援施設ファミリーサポート・ジョブカフェにおいて、若年者や子育て世代等に対する就労支援に取り組んでまいります。
 また、就労に必要な資格取得に向け高等技能訓練促進費を支給するなど、ひとり親家庭に対する自立支援に取り組んでまいります。
 市民の生活習慣病対策につきましては、健康診査で把握した保健指導対象者に対し、保健師等による訪問指導や予防教室などを実施いたします。
安心して医療を受けることができるよう、国民健康保険料の減免を引き続き実施いたします。
 また、人間ドック、特定健康診査の受診率の向上を図るとともに、保険料の収納率向上等に努め、国民健康保険事業の健全化に取り組んでまいります。
 後期高齢者の健康増進および疾病予防につきましては、人間ドック、はり・きゅう・あん摩マッサージの助成に加え、新たに肺炎球菌ワクチンの助成を実施いたします。
 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、第四次沖縄市高齢者がんじゅう計画にもとづき、介護や支援の必要な高齢者が、適切なサービスを受けられるよう取り組むとともに、生活に関する支援や相談等をおこなう在宅介護支援センターを充実してまいります。
 障がい者が自立した日常生活をおくれるよう、第三次沖縄市障がい者計画にもとづき、居宅等における福祉サービスの提供や就労に向けた訓練などに取り組むとともに、障がい福祉サービスの情報提供や支援等をおこなう相談支援事業所を拡充してまいります。
 判断能力が不十分な認知症高齢者や障がい者などの権利の侵害を防止するため、法人組織による後見業務に引き続き取り組むとともに、新たに市民後見人等の育成を実施いたします。
 離職により住宅を喪失するおそれのある方などの自立支援として、住宅手当の支給や就労支援等を実施いたします。
 自殺対策につきましては、こころの健康づくり講演会および自殺予防に関する研修会の開催などに取り組んでまいります。
 沖縄市男女共同参画推進条例にもとづき、第二次沖縄市男女共同参画計画(ひと・きらめきプラン)を策定するとともに、男女共同参画センターにおける講座等を充実してまいります。

安全で安心なまちづくり

東日本大震災をふまえ、沖縄市地域防災計画を見直すとともに、災害用備蓄品の整備および自主防災組織の結成に向けた支援などに取り組んでまいります。
また、一人暮らし高齢者や重度の障がい者など、災害時要援護者の避難支援を迅速かつ的確におこなうため、避難支援個別計画書の作成に一層取り組んでまいります。消防体制につきましては、高規格救急自動車や小型動力ポンプ付水槽車などを更新するとともに、消防資機材の充実に取り組んでまいります。地域住民が安全で安心してコミュニティ施設を利用できるよう、美里地区学習等供用施設やセンター自治公民館のバリアフリー化を実施するとともに、自動体外式除細動器(AED)を全自治会に設置するよう、引き続き取り組んでまいります。
老朽化の著しい安慶田市営住宅につきましては、入居者が快適に住生活を送れるよう、第一期の本体工事に着手してまいります。
また、引き続き住宅リフォームに対する支援をおこない、住環境の向上や住宅関連産業の活性化を促進してまいります。
住宅用太陽光発電システムの設置を支援し、新エネルギーの利用を促進するとともに、環境調査の実施および街の美化に取り組んでまいります。
火葬場につきましては、施設整備に向けた基礎調査および基本方針を策定してまいります。
市域全体に拡大する米軍航空機による騒音被害の実態を把握するため、東部地区へ騒音測定器を設置するとともに、老朽化した測定器を更新いたします。

中心市街地の活性化

 沖縄市中心市街地活性化基本計画における事業を着実に実施するとともに、本市の地域資源を活かしたにぎわいの創出および中心市街地における住環境の改善などを推進してまいります。
 まず、中心市街地における定住人口の増加に向け、中心市街地へ新たに居住する子育て家庭への借家家賃を支援いたします。
 中心市街地の回遊性を高める循環バスの運行をはじめ、中心商店街への誘客を図る周辺駐車場の一定時間無料化に向けた取り組みや駐車場案内板の整備を引き続き実施いたします。

音楽によるまちづくりの推進

 ミュージックタウン開設五周年を記念し、「まちはステージ」をコンセプトに、ライブハウス等との連携による音のページェントを拡充いたします。
 また、三十回の節目となるピースフルラブ・ロックフェスティバルおよび沖縄国際アジア音楽祭などの開催を支援するとともに、音楽産業に携わる人材の育成を推進いたします。

スポーツコンベンションシティの推進

 老朽化した沖縄市野球場の建替えおよび(仮称)沖縄市多目的広場(沖縄市屋内練習場)や沖縄市水泳プールの整備に向け取り組むなど、沖縄市立総合運動場体育施設の充実を図ってまいります。
 新たに(仮称)沖縄市スポーツコンベンション推進協議会の設置に取り組むとともに、広島東洋カープの応援体制の充実およびFC琉球によるホームタウン活動の支援、陸上競技など各種スポーツ合宿・大会の誘致やスポーツ交流イベント等を実施してまいります。

中心市街地の再整備とにぎわい創出

 中心市街地における都市基盤の再整備につきましては、山里第一地区の市街地再開発準備組合による事業計画の作成や設立認可を支援するとともに、安慶田地区の土地区画整理事業を推進し、密集市街地の改善やまちなか居住を促進してまいります。
 中の町地区の市街地開発につきましては、地域合意をふまえた整備方針の策定等に取り組んでまいります。
 中心市街地のにぎわい創出に向け、コザ十字路交差点改良に伴い生じた銀天街側残地の景観整備および沖縄こどもの国周辺道路の整備に取り組むとともに、国道330号沿線の密集市街地の改善に向け調査を実施いたします。

産業・文化の振興

 沖縄市観光戦略プランをはじめ、沖縄市ものづくり産業振興ビジョンや沖縄市地域ブランド計画および沖縄市新アグリビジネス計画を推進してまいります。
 また、市民が文化芸術に親しむ機会を創出するとともに、本市の豊かな文化資源を活用し、地域の活性化を推進してまいります。
 まず、沖縄市中小企業振興基本条例にもとづき、新たに(仮称)沖縄市中小企業振興推進会議を設置し、地元中小企業等との意見交換をおこない、市内事業者への優先発注による受注機会の増大および雇用の創出を図るなど、中小企業の振興に関する施策を推進してまいります。
 企業誘致につきましては、各種優遇措置等を活用した誘致活動および中心市街地の活性化等と連動した誘致を展開し、雇用の場の拡大を図ってまいります。
 中城湾港新港地区の活性化につきましては、中城湾新港地区協議会等と連携し、貨物の定期便就航をめざすなど港湾機能の向上を促進してまいります。
 観光の振興につきましては、多言語による観光プロモーションDVDや観光情報誌を製作するとともに、電子案内板の設置を支援するなど、本市の魅力を活かしたプロモーション活動を推進してまいります。
 エイサーのまちの推進につきましては、エイサー振興の拠点となる(仮称)青年エイサー会館の設置に向け取り組むとともに、沖縄全島エイサーまつりやエイサーナイトの開催およびモニュメントの建立を支援いたします。
 エイサーをデザインした原動機付自転車のナンバープレートを新たに交付するとともに、エイサーグッズ等の充実を図り、エイサーの魅力を広く内外へ発信してまいります。
 市産品の魅力向上や販売促進を図るため、沖縄市地域ブランド認定制度(コザスター)等を実施いたします。
 共同商品開発を推進する新規商品開発プロジェクト(コザコラボレーション)に取り組むとともに、認定商品等のプロモーション活動の実施およびものづくり産業における経営基盤の強化に向けた相談体制を充実してまいります。
 知花花織につきましては、さらなる普及を図るため、庁舎ロビーにバナーを設置するとともに、担い手育成および生産基盤の強化などを支援いたします。
 農業の振興につきましては、農業生産基盤の強化を図り、農業経営の安定化に取り組んでまいります。畜産業の振興につきましては、畜産物の安定供給やブランド化を図るとともに悪臭の改善に向けて取り組んでまいります。水産業の振興につきましては、(仮称)第三次沖縄市水産業振興基本計画を策定いたします。
 (仮称)沖縄市文化振興計画を策定するとともに、市民ミュージカル「コザ物語」の上演や吹奏楽フェスティバル等の開催をはじめ、地域に根ざした文化関係団体の活動を支援いたします。
 沖縄市戦後文化資料展示室「ヒストリート」において、日本本土復帰四十周年の節目となる特別企画展および戦後文化の情報を広く市民に提供する企画展を開催いたします。
 老朽化した市指定文化財の奉安殿や忠魂碑の修復に向け調査を実施いたします。
 国籍や民族に関わらず、誰もが住みよい地域をめざす多文化共生社会の形成を推進するため、多言語による広報誌の発行やゆんたく交流会の開催など、在住外国人の生活支援に取り組んでまいります。 平和行政の推進につきましては、沖縄市戦跡めぐり等の実施および九月七日の沖縄市民平和の日記念事業を開催いたします。
 また、新たに姉妹都市である米沢市との平和交流に取り組むとともに、引き続き沖縄市平和大使を広島市へ派遣いたします。

都市基盤の整備

 特色ある都市景観や豊かな自然景観等を保全・活用するため、(仮称)沖縄市景観計画を策定し、良好な景観形成を促進してまいります。
 公園の整備につきましては、桃山公園や(仮称)美東公園の実施設計等に取り組んでまいります。
 幹線道路の整備につきましては、安慶田中線および国税庁西側線の整備を推進してまいります。
 また、都市計画道路の整備方針となる沖縄市都市計画道路整備プログラムを見直してまいります。
 生活道路につきましては、市道泡瀬第32号線等の整備を実施してまいります。
 上水道事業につきましては、災害に強い施設整備や安全で良質な水の安定供給を図るため、老朽管の更新工事等を実施してまいります。
 公共下水道事業につきましては、公衆衛生や生活環境の向上を図るため、古謝地区等の汚水管路の整備および老朽化した下水道の整備に取り組んでまいります。
 雨水排水対策につきましては、比謝川上流域の浸水被害の解消に向け、安慶田第一雨水幹線の県による河川事業化を促進するとともに、松本地区等の雨水排水路整備を実施いたします。
 美里土地区画整理事業につきましては、清算業務をおこなうとともに、美里第二土地区画整理事業の道路整備等を実施し、事業の早期完了をめざしてまいります。
 キャンプ瑞慶覧地区につきましては、地権者との意見交換等をふまえ、返還後の円滑な跡地利用に向け取り組んでまいります。
 東部海浜開発事業につきましては、スポーツコンベンション拠点の形成による新たな雇用の場の創出等をめざし、埋め立て事業を促進するとともに、公共施設に関する基本計画の策定および企業誘致に向け取り組んでまいります。
 以上、平成二十四年度の重点的な施策の概要を申し上げました。
 本市の財政状況につきましては、生活保護費や医療費など扶助費の増加に加え、老朽化した学校施設の整備等による教育費が、大幅な伸びを見せております。
 増大する行政需要に対して的確な予算配分をおこない、効率的かつ効果的な行政運営に取り組んでまいります。
 行政改革につきましては、第四次沖縄市行政改革大綱を推進し、新たな行政課題に迅速かつ的確に対応しうる組織づくりをおこなうとともに、定員の適正化に取り組んでまいります。
 権限移譲につきましては、パスポートの申請・交付を市民課窓口で実施するなど、市民の利便性の向上に取り組んでまいります。
 市民との協働につきましては、市政懇談会の開催や沖縄市活性化100人委員会を実施するとともに、地域活動団体等との連携により、市民の声がまちづくりに活かされるよう積極的に推進してまいります。
 沖縄市の知名度の向上とイメージアップを図るため、新たに(仮称)沖縄市大使制度を創設し、著名人等の大使により、文化・スポーツ・産業など本市の魅力を広く発信してまいります。
 市民一人ひとりの思いが沖縄市の未来を切り拓く力であり、その力が一つになれば、必ずや希望は実現すると確信しております。
 こどもたちの笑顔があふれ、全ての市民が安心して暮らせるよう、これまで申し上げた施策を着実に推進し、「ひと輝く げんきな沖縄市」の実現に向け、全力で邁進してまいります。
 議員の皆さまをはじめ、市民の皆さまの一層のご支援とご協力をお願い申し上げ、私の施政方針といたします。
平成二十四年二月二十三日
沖縄市長 東門 美津子