今月の人

ボランティア活動はライフワーク

216.安里 則子さん(60)

 「友情と奉仕」をモットーに、地域社会と世界の質を改善するため共に働く地球規模の民間奉仕組織・パイロットクラブ。世界五百五十組織中、県内に二組織、その一つ、コザパイロットクラブの十九代目会長・安里則子さんを今月は紹介する。自ら会社を経営し多忙な日々を送る傍ら、「ボランティアはライフワーク」と言い、気の置けない仲間と共に明るく楽しく活動に取り組んでいる。

 安里さんがコザパイロットクラブに入会したのは今から八年前。親の介護から手が離れたこともあり、以前から興味があったボランティア活動に本格的に携わろうと思ったのがきっかけという。
コザパイロットクラブは中部広域市町村を拠点に活動を展開する団体で現在会員は二十一人、脳関連障がい者の方々への支援と青少年健全育成への支援を活動の中心に据え、ほかにも様々なボランティア活動に取り組んでいる。毎月定期的に行う老人施設での入浴ボランティア、こどもの国での動物の餌切りボランティア、おきなわマラソンや福祉まつりなどのイベントの手伝い、支援する団体等への寄付金造成のために行うチャリティパーティやパイロットウォークなど、その活動は活発かつ多岐にわたる。会長にはこれらに加え各地で行われる大会や会合への出席、機関紙の発行、会議や活動のとりまとめなどの仕事も。安里さんは本業の建築設計事務所を切り盛りしながら、仕事の合間を縫ってこれらの活動を明るく精力的にこなす。「毎日忙しいけど充実しています。ボランティア活動はライフワークと捉え、楽しみながらやっているので苦に思ったことはありません。こんな活動ができるのも家族の理解と協力があってこそ。家族には心から感謝しています」と話した。
今年コザパイロットクラブは結成二十周年を迎えた。現在は記念事業の準備に余念がない。「全国のクラブを招き市で記念大会を開く予定です。本土から大勢の方に来てもらうことで市の観光にも寄与できると思うし、この大会を通して資金を作り、節目を飾るのにふさわしい企画も計画しています。」と記念事業の取り組みについて語った。
好きな言葉は「温故知新」。「古き良きものを大切にしつつ新しいことも取り入れ、地域のニーズに合った奉仕・社会貢献を目指していきたい。みんなで力を合わせれば大きな力が出せると思っています。」と力強く話してくれた。
現在コザパイロットクラブでは新規会員を募集中。パイロットクラブの活動に興味がある方は安里さんまで。

TEL:090-8666-5426

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▼戦後文化シアター 今月のヒストリート

▲センター通りのショークラブの前にたむろする
 米兵と女性

市史編集担当/TEL:939-1212(内線2273)
ヒストリート、しーぶんかん/TEL:929-2922

 今月15日で、沖縄は日本に復帰して38年目を迎える。石川文洋氏は復帰の日の24時間、沖縄の様々な表情を追い、各地でシャッターを切った。
  アメリカ世から大和世へ変わる1972年5月15日の午前零時に石川氏が那覇国際通りで撮影を始めた頃、本市ではコザ警察署(現沖縄署)が米兵のトラブルの絶えない歓楽街の取り締まりに出発。これまで民警察側は米憲兵隊に気兼ねしながら歓楽街を警戒していたが、同夜は民警察が捜査の主導権を握り、自信を持って取り締まりにあたった。しかし、いつもは米兵たちの歓声で賑わうセンター通りやゲート通りなどの歓楽街はひっそり。米兵も世替わりの瞬間を意識しているのか、復帰を記念して店の営業時間が一時間延長されたにも関わらず、殆ど姿を見せなかった。そのため大きな外人事件もなく、コザの歓楽街は新しい時代の幕開けを静かに迎えた。
 写真は、石川氏が撮った復帰当日のセンター通りの様子。前夜は外出を控えていた米兵たちは通りへと繰り出し、街は活気づいている様だ。
 賑やかなセンター通りだが、復帰後は円高ドル安の影響で衰退の一途をたどり、13年後の85年に邦人相手の中央パークアベニューへと変わるのである。

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