市民の生命・身体・財産を災害から守る

不屈の消防精神で
日夜、訓練・研鑽を積む

 平成二十二年沖縄市消防出初式が一月八日、沖縄市消防本部で行われ、関係者らが多数参加する中、市消防職員、市消防団員、市女性防火クラブ会員らがりりしい制服姿で会場に集合、式典に臨んだ。
 式典では県消防協会や同協会中部地区支部の定例表彰が行われた後、東門市長があいさつ、「消防職員や消防団員の方々が、市民の生命、身体、財産を災害から守るという使命感の下、不屈の消防精神で日夜研鑽を積んでおられることに深く敬意を表する。また地域の防災意識の普及に取り組む女性防火クラブの皆様に感謝している。昨年は、はしご付き消防ポンプ自動車が導入された。今年は「携帯電話、IP電話位置情報通知システム」が整備され、市民の安心・安全を守る大きな力となることが期待される。本市は今後も消防行政の充実を図り安心・安全で住みよいまちづくりの実現に向け取り組んでいく。消防職員や団員の皆様には地域の安心・安全の守り手として防火や防災に努め市民が安心して暮らせる街づくりの一翼を担っていただきたい」と式辞を述べた。


▲永年勤続で表彰を受ける消防職員ならびに消防団員

 続いて松田進県消防協会長、喜友名朝清市議会議長、石新政英沖縄警察署長らが来賓祝辞を述べた。また一日消防長を務めるミスハイビスカスの當山未来さんは「近年の災害は複雑多様化し、悲惨な事件や事故が後を絶たず目を覆うような大事故も増えている気がする。このような痛ましい事故や災害などマスコミを通して消防の仕事を拝見し、私たち市民が生活をするうえで消防が深く関わっていること、そして仕事の重大さを感じる。消防関係者の方々に心から感謝するとともに今年が災害のない年になることを祈念する」とあいさつした。
 式典終了後は、女性防火クラブ員による軽可搬ポンプ操法、消防団員らによる救急活動、消防職員らによる消火・救出訓練などが披露された。
 また会場では市内の保育園児らで構成される「幼年消防クラブ」のこどもたちによるかわいらしい踊りが披露された他、こどもたちと消防職員らが餅つきで交流、つきたてのお餅や餅入りの温かいぜんざいが参加者に振る舞われ楽しいひと時を過ごした。
 市内の平成二十一年度の火災発生件数は四十二件で、損害額は約千五百五十三万二千円、火災発生原因は不明・調査中十一件、コンロ七件、たばこ五件、マッチ・ライター五件、放火の疑い三件などとなっている。


▲救急活動を実践さながらに行う消防団員

▲幼年消防クラブのこどもたちも一緒にもちつきで交流

▲実際の火災現場を想定しての緊迫感あふれる消火訓練

「消えるまで ゆっくり 火の元 にらめっ子」

平成21年度全国統一防火標語

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集落入口に左縄を張り悪疫の侵入を防ぐ

シマカンカー儀礼執り行う

−与儀自治会−

 与儀自治会(仲宗根昇会長)に伝わる伝統の供犠儀礼「シマカンカー(悪霊払い)」が十二月十六日(旧暦十一月一日)執り行われた。「シマカンカー」は、集落に悪疫が入らぬよう集落入口にヒジャイナー(左縄・左よりの縄)を張り、家畜の肉(耳皮など)をその縄に付け、悪いものが集落に入ろうとするのを防ぐ儀礼。つぶした家畜は大鍋で煮込み集落の人で分け合って食べていたという。以前は各地で行われていたが現在市内で儀礼が続くのは与儀自治会だけ。
 旧暦に合わせた季節の変わり目、ちょうど厳しい寒さが来る頃にエネルギーに直結する脂やたんぱく質を食べ病気にかかりにくくするとともに、地域の共同作業や共食を通し、地縁と共同体意識を確認する大切な行事でもある。
 今回の儀礼にはこどもの国が、こどもの国で生まれ、専門の農場で肥育した在来豚を供犠の動物として供えた。こどもの国では、地域の儀礼をサポートすることも在来種の飼育展示方法の一つとして関わったという。


▲左縄にとりつけられたミミガー。縄のより方も
 悪疫の侵入を防ぐという意味で有刺鉄線のように
 とげとげしく藁を飛びださせる。

▲集落の入口2か所に左縄を張り地域の長老や役員らで
 儀礼を執り行った

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緊急時にブザーで近所にお知らせ

泡瀬第三自治会でSOSブザー事業開始

地域全体で一人暮らしの高齢者を見守る

 泡瀬第三自治会で「ひとり暮らし高齢者SOS対策事業」(主体・市社会福祉協議会)が始まり、十二月二十一日、泡瀬第三公民館で関係者らが参加して出発式が行われた。
 同事業は、ひとり暮らしの高齢者が体調の急変などの緊急時にSOSブザーを鳴らして助けを求め、ブザー音に気づいた近隣の方が手助け(必要に応じて一一九番通報等)するというもの。また、ひとり人暮らし高齢者の近所付き合いを助長し、地域交流を進めることも目的としている。
 出発式で嘉陽宗吉社協会長は「福祉ネットワークが広がりを見せ、共に支え合う地域づくりが進むことを期待します」と関係者を激励した。式終了後早速利用者の一人翁長林好さん宅を訪問しブザーの使い方を説明すると、翁長さんは「できるだけブザーを使わずに済むよう気をつけて生活したい」と話した。同事業はすでに照屋、中の町、登川、城前で実施しており、市内で五番目の実施となる。


▲地域の一人暮らし高齢者にブザーが手渡された

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優しい心がキラリ

第三十回「小さな親切運動」作文発表・表彰式

 「小さな親切運動」作文・発表表彰式(主催・市民憲章推進協議会)が十二月十五日市役所大ホールで行われ、ハイビスカス賞(十六人)と優良賞(三十二人)を受賞した児童らに表彰状が贈られた。
 表彰式で新屋孝一市民推進協議会長は「誰にも親切にし、礼儀正しい、心のふれあう明るいまちをつくりましょう」とあいさつ、受賞者一人ひとりに表彰状を手渡した。受賞者を代表してハイビスカス賞に輝いた當眞理子さん(泡瀬小六年)が、「亡くなった祖母とのふれあいを通して、将来介護施設で働きお年寄りを笑顔にしたいという夢を持った」という内容の受賞作品を発表した。東門市長は「この作文を書くことで芽生えた優しい感性を大切に育ててほしい」と児童らを激励した。


▲ハイビスカス賞、優良賞を受賞した児童たち

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